約 3,884,691 件
https://w.atwiki.jp/words/pages/29.html
-- Breit -- und -- feierlich a href="http //www7.atwiki.jp/words/pages/15.html" title="breit" breit /a
https://w.atwiki.jp/oper/pages/2428.html
第2幕 口上役: どすのマックは舅の手から逃れてハイゲートの湿地に向かうために、新妻に別れを告げるのでした。 メロドラマ ポリー: ねえ、マック。こんな心を裂かれるみたいに辛いのはいや。私たち一緒に幸せに暮らせたらいいのに。 マクヒィス: 心を裂かれるみたいに辛いのは僕の方だよ。行かなきゃいけないのは僕なんだし、いつ帰れるのかさえ分からないんだから。 ポリー: 短い付き合いだったわね、マック。 マクヒィス: これで終わりって言うのかい? ポリー: ねえ、夕べ私、夢を見たのよ。窓の外を眺めてたら通りで笑い声がして、そっちに目をやったら私たちのお月さまが見えたの。お月さまはまるで使い古しの一文銭みたいに薄っぺらになってたのよ。私のこと、忘れないでね、マック。知らない町に行っても。 マクヒィス: 忘れるもんか、ポリー。キスしてくれよ、ポリー。 ポリー: さよなら、マック。 マクヒィス: さようなら、ポリー。 (歌いながら舞台裏に去っていく。) 恋は続くかも知れないし、続かないかも知れない それがここでかも知れないし、ここでないかも知れない ポリーの歌 ポリー: あの人、もう帰ってこないんだわ。 楽しいのは続いている間だけ もう、みんな終わってしまったのね 心を引き裂かれるみたいよ 「グッバイ」だなんて。愛してるのに! 泣いてたって、どうにもならないのね… ねえ、マリア様、聞いてちょうだい! もしかするとママったら こうなることに気づいてたのかしら? (鐘の音。) 女王様がロンドンに到着したのね。 戴冠式の日には私たち、どうなっているのかしら? 口上役: 戴冠式を告げる鐘の音も鳴り止まぬうちに、どすのマックはターンブリッジの娼婦のもとに転がり込んでいるのでした。 幕間狂言 ピーチャム夫人: だからね、今日明日にでも、どすのマックを見かけたら、手近なお巡りのところへ行ってタレこむんだよ。そしたら、10シリング払ってやるからね。 ジェニー: でも、サツが捕まえに来るって言うのに、あいつ、来るかしら?追われてるんだから、あたしたちのとこで油を売ってる暇なんてないでしょ? ピーチャム夫人: まあ、お聞きよ、ジェニー。ロンドン中が追っかけまわしたって、マクヒィスは自分の習慣を変えるような男じゃないよ。 性欲のとりこのバラッド ピーチャム夫人: 鬼畜そのものの男がいるよ そいつは屠殺人さ!他人は奴にとっちゃ仔牛なんだ 厚顔無恥な犬畜生!下卑たポン引き野郎さ! そんな、みんなを怒らすあいつを怒らせるのは?女だよ 否が応でも、準備はOK それが性欲のとりこなのさ 聖書は信じない、民法も完全に無視 いっぱしのエゴイスト気取りで 女に溺れちゃ負けと知っているから 女をそばに寄せ付けない でも夜の来ないうちに昼の自分に満足してちゃダメさ 宵の口からもう、ベッドの上で極楽行きだよ 数多の男が数多の男の破滅するさまを見てきたよ 偉大なる思想家も娼婦にはまればそれまで! それに気づいて、禁欲を誓ったところで そいつらがくたばったら葬るのは?娼婦だよ 否が応でも、準備はOK それが性欲のとりこなのさ 聖書にしがみつき、民法を盲信して クリスチャンでも、ユダヤ人でも、アナーキストにでもなって! 昼間は精の付くセロリは決して食べようとせず 午後は高邁な思想のお勉強 でも日暮れには「オレは向上したぞ」なんて言って 宵の口からもう、ベッドの上で極楽行きだよ 絞首台に立たされた男がいるよ 棺桶に詰める石灰も、もう買ってあるし 自分の命は髪の毛一本でつながってるって言うのに そいつの頭の中にあるのは?女のことだよ 絞首台の上だって、準備はOK それが性欲のとりこなのさ 肌も髪も全部、残らず売られて 女の手には裏切り賃が載ってるのを見て そこで、ようやく気づくんだよ 女の穴は墓穴だってね それで怒鳴ろうがわめこうが 宵の口にはもう、絞首台の上であの世行きだよ (訳者追捕:妻ポリーにはハイゲートの沼地に逃げると言いながら、ピーチャム夫人の思惑通り、マクヒィスはターンブリッジの娼館に姿を現す。) マクヒィス: お嬢さん方、この町でオレ様の星が天高く輝くずっと昔に、俺も貧乏暮らしを余儀なくされて、あんたらの誰やらのところに身を寄せたりしたんだぜ。ジェニー、そんな女達の中で俺が一番愛したのはお前だったんだ。 ヒモのバラッド マクヒィス: あの頃、今となっては昔話さ あいつと俺は、つるんで暮らしてたんだ 煙の向こうみたいな、はるか昔の話さ 俺はあいつの用心棒で、あいつは俺の飯のタネ 他の生き方もあったかも知れないが、これで上手くやっていけた 男が来た時は俺はベッドから退散して キルシュ酒ひっかけながら、小っちゃくなってるのさ 男が金を払ったら、話しかけるんだ。「ねえ、旦那」 「お気に召したらこれからも…ごひいきに」 そうして上手くやっていたんだ、あの半年を 2人が暮らした、あの女郎屋で ジェニー: あの頃、今となっては昔話よ あいつはいい男だったし、あたしも若かったわ お金が尽きると、あいつは不機嫌になって こんなこと言うの。「おい、お前の指輪を質に入れろ」 「指輪もいいかも知れないが、なくてもやっていける」 あたし,頭に来て言ったの。「知るもんか!」 面と向かって言ったの、何、図々しいこと言ってるのよって そしたら、あいつ、あたしの顔を思いっきり殴るのよ おかげで寝込んだことが何度もあったわ! それでもよかったのよ、あの半年は 2人が暮らした、あの女郎屋の 2人: あの頃、今となっては昔話 マクヒィス: その頃は今ほど、しけちゃいなかった ジェニー: 一緒に寝れるのは昼間だけだったけど マクヒィス: あいつが言うには、夜はふさがってるんだとさ! (夜やるのが普通かも知れないが、昼でもやっていける!) ジェニー: そのうち、あんたに孕まされて マクヒィス: それで2人で決めたのさ、これからは俺が下になる ジェニー: お腹の子をつぶさないようにってね マクヒィス: でも結局、ガキは流れちまった 2人: それで終わりになった、あの半年 2人が暮らした、あの女郎屋の 口上役: 娼婦達はマクヒィスを裏切るのでした。 (訳者追捕:「海賊ジェニー」は第1幕でポリーが歌うので、本来、第2幕では出てこない。ジェニーをロッテ・レーニャやミルバが歌うCDなどでは第2幕で「海賊ジェニー」をジェニーが歌う。) 海賊ジェニー ジェニー: ねえ、あんたたち、ご覧の通り、今のあたいは皿も洗えば ベッドメイクだってしてるわ チップがもらえた時には、すぐに「ありがとさん」って言うし 見ての通り、着てるのはボロだしホテルだってボロボロよ でも、あんたたちは誰と話してるか知らないのさ ある晩、港で悲鳴が上がるんだよ みんな訊くだろうね「あの叫び声は何だ?」って それで、あたいが食器を洗いながら笑ってるのに気付いて 言うのさ「何、笑ってやがるんだ?」って その船の帆は8枚 大砲は50門 波止場に着いたのさ 「あっちで皿でも洗ってろ、こん畜生!」って言って チップをくれる人がいるかも知れないね チップは頂いとくし、ベッドメイクだってしてあげるよ でも、その夜はみんな、おちおち眠っちゃいられないだろうさ みんなまだ、あたいが何者なのか気付いちゃいないのさ ある晩、港で騒ぎが起こるんだよ みんな訊くだろうね「あの騒ぎは何なんだ?」って それから、あたいが窓辺に立ってるのに気付いて 言うのさ「いつまでゲタゲタ笑ってやがるんだ?」って その船の帆は8枚 大砲は50門 町を砲撃するのさ ねえ、あんたたち、もう笑っちゃいられないよ 城壁は崩れ落ちて 町中の建物は薙ぎ払われて 難を逃れたのはボロホテル一軒だけ みんな訊くだろうね「どなたのお住まいなんだ?」って その夜、ホテルのそばで悲鳴が聞こえるんだよ みんな訊くだろうね「なんでこのホテルは無事なんだ?」って それから朝が来て、あたいが玄関から出てくるのを見て 言うんだろうね「住んでたのは、あいつなのか?」って その船の帆は8枚 大砲は50門 マストに旗を揚げるのさ 昼が来る前に100人の野郎どもが上陸して 物陰を探りまくるんだよ 隠れていたヤツを1人残らず引きずり出して 鎖につないで、あたいの前に連れて来て 訊くのさ「どいつを殺しやしょう?」って その日は昼間だってのに港は静まり返るだろうね 「誰に死んでもらいましょう?」なんて話になったからね そこで、あたいは言ってやるのさ「みんなよ!」 首が落ちるたびに、あたいは言うわ「やった!」って その船の帆は8枚 大砲は50門 あたいを載せて消えるのさ (訳者追捕:マクヒィスはオールド・ベイリーに収監される。そこは賄賂さえ払えば手枷足枷を免除されるような、ゆるい監獄だった。) 幸福な生活のバラッド マクヒィス: さて諸君、これが人生だなんて、言えるかい? 俺にとっては、まったく鼻持ちならないもんだ だって、ガキの頃から震えながら聞かされてきたんだ お金がなくちゃ、幸せに暮らしていけないって! 偉大な哲学者の人生ってヤツを、人はよく誉めるけど、 そいつは本を抱えて、胃の中は空っぽ、 ネズミのかじるボロ小屋暮らしなんだぜ。 俺は、そんなしけた暮らし、まっぴらゴメンだね! 貧乏暮らしは、したいヤツがすればいい! 俺は(ここだけの話)もう、ウンザリなんだ。 ここからバビロンの栄華まで、どんな鳥だって これっぱかしのエサじゃ、1日だって持ちゃしない。 自由が何になる?それじゃダメなのさ。 結局、お金がなくちゃ、幸せに暮らしていけないのさ! 勇猛果敢な冒険家ってヤツは 命か懸けてでも、やり抜く意地があって いつも自由で、真実ってヤツを語り そこから俗物どもは胸の空く思いをするんだ。 でも見てな、その冒険家も夜がやって来ると 不感症の女房とベッド入りすることになる 耳をすましても、拍手も聞こえてこなきゃ、理解されることもない それで西暦5千年に憧れてるのさ。 お尋ねしますけど、これで楽しいですか? 結局、お金がなくちゃ、幸せに暮らしていけないのさ! 俺だって、その気持ちは分かっているんだ 俺も孤独で偉大な人生ってヤツに憧れてたんだから でも、そんなヤツらを間近に見てしまうと 諦めなって、自分に言いたくなるのさ。 貧しくなれば、知恵だけじゃなく悩みが湧いてきて 勇ましければ、名声だけじゃなく苦難がやってくる。 たとえ貧乏で孤独、賢くて勇敢だったとしても 身の程わきまえなきゃ、お終いってことさ。 これで、どうすれば幸せになれるか、自ずと分かるだろ? 結局、お金がなくちゃ、幸せに暮らしていけないのさ! (訳者追捕:マクヒィスの元彼女で警察長ブラウンの娘ルーシーが監獄を訪ねてくる。そこへポリーがやって来て険悪な雰囲気になる。) 口上役: 別の女性の愛情を利用して、マクヒィスは監獄から脱出するのでした。 ルーシー: あなたって本当に最低な人ね!ピーチャムのバカ娘との一件を、あたしが知らないとでも思った? ポリー: 私の旦那様はどこにいるの?あら、マック、そこにいたの。逃げなくていいのよ、恥ずかしがることなんか無いんだから。だって、私はあなたの奥さんだから。 ルーシー: あなた、こんなの嫁に選んだの? やきもち焼きの二重唱 ルーシー: こっちに来なさいよ、下町小町さん! 自慢の美脚ってヤツを見せてもうらおうじゃない! ポリー: どうぞ! ルーシー: そんなにきれいだって言うから、ぜひ見たかったの こんなきれいな脚、他には無いんですって? ポリー: ええ、無いわ! ルーシー: あなた、あたしのマックにちょっかい出したでしょう! ポリー: 私が、何ですって? ルーシー: だとしたら、とんだお笑い草よ。 ポリー: そうなの、ホントに? ルーシー: 本当、笑えるわ! ポリー: そうなの、笑えるの? ルーシー: マックがあなたなんかを相手にするなんて! ポリー: マックが私を相手にしたら? ルーシー: ハハハハハ!こんな娘、 誰が相手にするもんか。 ポリー: あら、今に見てらっしゃい。 ルーシー: ええ、見ていますとも。 2人: マッキーとあたしは、2羽のハトなの あの人が好きなのはあたしだけ、だれにも盗らせるもんですか。 言わせてもらうけれど 2人の仲は裂けないんだから メス犬がしゃしゃり出てきたって! 笑っちゃうわ! ポリー: そうよ、みんな私を下町小町って呼ぶの みんな私の脚がきれいだって言ってくれる。 ルーシー: その脚が? ポリー: みんなが、この美脚を見たがるのよ こんなきれいな脚は、他に無いって言うの。 ルーシー: まあ、図々しい! ポリー: 図々しいのはそっちでしょ! 私は愛しい人を振り向かせて自分のものにしたの。 ルーシー: あなたが、何ですって? ポリー: だから、最後に笑うのは私ってこと。 ルーシー: そうなの、ホントに? ポリー: ええ、笑えるわ! ルーシー: へえ、笑ってられるの? ポリー: 誰も私なんか相手にしないなんて。 ルーシー: 誰もあなたなんか相手にしなかったとしたら? ポリー: だって信じられる?この私を 誰も相手にしないなんて。 ルーシー: あら、今に見てらっしゃい。 ポリー: ええ、見ていますとも。 2人: マッキーとあたしは、(以下くり返し) (訳者追捕:ピーチャム夫人が来てポリーは追い出される。ルーシーの助けでマクヒィスは脱獄する。) (訳者追捕:「ルーシーのアリア」は現行の「三文オペラ」の台本からは削られている。歌詞の内容から言うと、もう少し後の場面に入る方が相応しいが、レーニャの盤でもミルバの盤でも「第2の三文フィナーレ」の前に配置されている。警察長官の娘ルーシーは自室で恋敵ポリーを亡きものにしようと企んでいる。) ルーシーのアリア ルーシー: 悔しくて!腹が立って、切なくて それに不安で、心が張り裂けそう。 嵐に揉まれたような気分 悩ましくて押しつぶされそう。 猫いらずの用意はできた!あの女、昨日から2、3時間おきに来ては無駄話していくんだから。 ああ、あのイカサマ女! 多分、あたしの苦しむ様を楽しんでるんだ! この世界も!この人間も! 何てひどいの! あの女は、まだ、あたしのことが分かっていないんだ。この後、マッキーと楽しくやろうと思っても、あたしのジンを飲んだら、それはできない相談よ。 あたしのジンであいつは死ぬの! あたしのジンであいつは死ぬの! あいつは死ぬ!あいつは死ぬの! そうよ、ここでよ! ここであいつが身もだえする様をあたしは見るの! あの人を助けたのはあたし なのに、あんなヤツに美味しいところを持っていかせるの? あのクソ女に毒をもってやったら 世界はもっと風通しが良くなるでしょうよ。 口上役: マクヒィスは脱獄したのを受けて、ピーチャムは準備に取り掛かります。デモを扇動して、戴冠式を妨害しようと言うのであります。 ピーチャム: 昔、エジプトで国王ラムセス2世が身まかった時に、ニネベだかカイロだかから来た警察長官が、何か些細なことで最下層の人たちから反感を買うことになったそうだ。その結果はひどいものだった。王位を継いだセミラミス女王の戴冠式の時のこと、歴史家の書くところによると、「最下層の者たちの余りに熱心な参列によって、文字通りの災厄へと進展した」とか。歴史家は、ご立腹のセミラミスがその警察長官に下した、恐ろしい刑罰についても詳しく書いてましたよ。では、神のご加護を、ブラウンさん。 口上役: 第2の三文フィナーレです。 第2の三文フィナーレ マクヒィス: なあ、あんた方は、どうやったら真っ当に生きられるか 悪事や罪を犯さずに済むか、教えてくれるけど その前に何か食べるものをくれよ お説教はそれからだ、じゃなきゃお断りさ。 自分たちは太ったまま、俺たちに大人しくして欲しいなら よく肝に銘じておくことだ どう、ごまかそうと、ひねくり回そうと まずは食うこと、道徳は二の次さ。 まず第一に、どんな貧乏人でも でっかいパンの塊から、自分の取り分が取れることさ 舞台裏の声: いったい、人間は何で生きるんだ? マクヒィス: 人間は何で生きるのか?それは、いつも同じ 他人を苦しめ、奪い、痛めて、絞めて、食い物にしてさ。 それだけが人の生きる道、徹頭徹尾 人であることを忘れること。 合唱: なあ、あんた方、自分は例外だなんて言うなよ 人は悪業のみによって生きるのさ! ピーチャム夫人: なあ、あんた方は、いつスカートをまくれだとか いつ白目剥いて見せればいいとか、教えてくれるけど その前に何か食べるものをくれよ お説教はそれから、じゃなきゃお断りさ。 あたし達には恥じらいを、自分たちには欲望を望むなら よく肝に銘じておくことだ どう、ごまかそうと、ひねくり回そうと まずは食うこと、道徳は二の次さ。 まず第一に、どんな貧乏人でも でっかいパンの塊から、自分の取り分が取れることさ 舞台裏の声: いったい、人間は何で生きるんだ? ピーチャム夫人: 人間は何で生きるのか?(以下くり返し) 合唱: なあ、あんた方、自分は例外だなんて言うなよ 人は悪業のみによって生きるのさ! ZWEITER AKT AUSRUFER Mackie Messer nimmt Abschied von seiner Frau, um vor seinem Schwiegervater auf das Moor von Highgate zu fliehen. Melodram POLLY Ach, Mac, reiß mir nicht das Herz aus dem Leibe. Bleibe bei mir and laß uns glücklich sein. MACHEATH Ich muß mir ja selber das Herz aus dem Leibe reißen, denn ich muß fort, und niemand weiß, wann ich wiederkehre. POLLY Es hat so kurz gedauert, Mac. MACHEATH Hört es denn auf? POLLY Ach, gestern hatte ich einen Traum. Da sah ich aus dem Fenster and hörte ein Gelächter in der Gasse, und wie ich hinaussah, sah ich unseren Mond, und der Mond war ganz dünn, wie ein Penny, der schon abgegriffen ist. Vergiß mich nicht, Mac, in den fremden Städten. MACHEATH Sicher vergesse ich dich nicht, Polly. Küß mich, Polly. POLLY Adieu, Mac MACHEATH Adieu. Polly. Ab, singt hinter der Szene. Die Liebe dauert oder dauert nicht An dem oder jenem Ort. Pollys Lied POLLY Und er kommt doch nicht wieder. Hübsch als es währte Und nun ist s vorüber Reiß aus dein Herz Sag "Goodbye", mein Lieber! Was nützt all dein Jammer - Leih, Maria, dein Ohr mir! - Wenn meine Mutter selber Wußte all das vor mir? Glocken. Jetzt zieht die Königin in dieses London ein Wo werden wir am Tag der Krönung sein! AUSRUFER Die Krönungsglocken waren noch nicht verklungen und Mackie Messer saß bei den Huren in Turnbridge! Zwischenspiel FRAU PEACHUM Also, wenn ihr Mackie Messer in den nächsten Tagen seht, lauft ihr zu nächsten Konstabler und zeigt ihn an, dafür bekommt ihr zehn Schillinge. JENNY Aber werden wir ihn denn sehen, wenn die Konstabler hinter ihm her sind? Wenn die Jagt auf ihn anfängt, wird er sich doch nicht mit uns seine Zeit vertreiben. FRAU PEACHUM Ich sage dir, Jenny, und wenn ganz London hinter ihm her ist, Macheath ist nicht der Mann, der seine Gewohnheiten deswegen aufgibt. Ballade von der sexuellen Hörigkeit FRAU PEACHUM Da ist nun einer schon der Satan selber Der Metzger er! Und alle andern Kälber! Der frechste Hund! Der schlimmste Hurentreiber! Wer kocht ihn ab, der alle abkocht? Weiber. Das fragt nicht, ob er will, er ist bereit. Das ist die sexuelle Hörigkeit. Er glaubt nicht an die Bibel, nicht an s B.G.B. Er meint, er ist der größte Egoist Weiß, daß wer n Weib sieht, schon verschoben ist. Und läßt kein Weib in seine Näh Er soll den Tag nicht vor dem Abend loben Denn vor es Nacht wird, liegt er wieder droben. So mancher Mann sah manchen Mann verrecken Ein großer Geist blieb in ner Hure stecken! Und die s mit ansahn, was sie sich auch schwuren - Als sie verreckten, wer begrub sie? Huren. Das fragt nicht, ob sie wolln, sie sind bereit. Das ist die sexuelle Hörigkeit. Der hält sich an die Bibel, der an s B.G.B. Ein Mann ein Christ! Ein Jud, ein Anarchist! Am Mittag zwingt men sich, daß man nicht Sell rie frißt. Nachmittags weiht man sich noch ner Idee. Am Abend sagt man mit mir geht s nach oben Und vor es Nacht wird, liegt man wieder droben. Da steht nun einer fast schon unterm Galgen Der Kalk ist schon gekauft, ihn einzukalken Sein Leben hängt an einem brüchigen Fädchen Und was hat er im Kopf, der Bursche? Mädchen. Schon unterm Galgen ist er noch bereit. Das ist die sexuelle Hörigkeit. Er ist shon sowieso verkauft mit Haut und Haar Er hat in ihrer Hand den Judaslohn gesehn Und sogar er beginnt nun zu verstehn Daß ihm des Weibes Loch das Grabloch war. Und er mag wüten gegen sich und toben - Bevor es Nacht wird, liegt er wieder droben. MACHEATH Meine Damen, lange bevor mein Stern über dieser Stadt aufging, lebte ich in den dürftigsten Verhältnissen mit einer von Ihnen Jenny, die mir die liebste war von den Mädchen. Zuhälter-Ballade MACHEATH In einer Zeit, die jetzt vergangen ist Lebten wir schon zusammen, sie und ich Die Zeit liegt fern wie hinter einem Rauch. Ich schützte sie, und sie ernährte mich. Es geht such anders, doch so geht es auch. Und wenn ein Freier kam, kroch ich aus unserm Bett Und drückte mich zu meinem Kirsch und war sehr nett Und wenn er blechte, sprach ich zu ihm Herr Wenn Sie mal wieder wollen — bitte sehr. So hielten wir s um gutes halbes Jahr In dem Bordell, wo unser Haushalt war. JENNY In jener Zeit, die jetzt vergangen ist, War er mein Freund und ich ein junges Ding. Und wenn kein Zaster war, hat er mich angehaucht Da hieß es gleich du, ich versetz dir deinen Ring. Ein Ring, ganz gut, doch ohne geht es auch. Da wurde ich aber tückisch, na ja, weißte! Ich fragt ihn manchmal direkt, was er sich erdreiste. Da hat er mir aber eins ins Zahnfleisch gelangt Da bin ich manchmal direkt drauf erkrankt! Das war so schön in diesem halben Jahr, In dem Bordell, wo unser Haushalt war. BEIDE In jener Zeit, die jetzt vergangen ist MACHEATH Die aber doch nicht ganz so trüb wie jetzt war JENNY Wenn man auch nur bei Tag zusammenlag MACHEATH Da sie ja, wie gesagt, nachts meist besetzt war! (Nachts ist es üblich, doch geht s auch bei Tag!) JENNY War ich dann auch einmal hops von dir. MACHEATH Da machten wir s s dann so dann lag ich unter ihr JENNY Weil er das Kind nicht schon im Leib erdrücken wollte MACHEATH Das aber doch dann in die Binsen gehen sollte. BEIDE Und dann war aus auch bald das halbe Jahr In dem Bordell, wo unser Haushalt war. AUSRUFER Die Huren verraten Macheath. Seeräuber-Jenny JENNY Meine Herren, heut sehen Sie mich Gläser abwaschen Und ich mache das Bett für jeden. Und Sie geben mir einen Penny und ich bedanke mich schnell Und Sie sehen meine Lumpen and dies lumpige Hotel Und Sie wissen nicht, mit wem Sie reden. Aber eines Tags wird ein Geschrei sein am Hafen Und man fragt Was ist das für ein Geschrei? Und man wird mich lächeln sehn bei meinen Gläsern Und man sagt Was lächelt die dabei? Und ein Schiff mit acht Segeln Und mit fünfzig Kanonen Wird liegen am Kai. Man sagt Geh, wisch deine Gläser, mein Kind! Und man reicht mir den Penny hin. Und der Penny wird genommen und das Bett wird gemacht. (Es wird keiner mehr drin schlafen in dieser Nacht) Und Sie wissen immer noch nicht, wer ich bin. Aber eines Tags wird ein Getös sein am Hafen Und man fragt Was ist das für ein Getös? Und man wird mich stehen sehn bei meinem Fenster, Und man sagt Was lächelt die so bös? Und das Schiff mit acht Segeln Und mit fünfzig Kanonen Wird beschießen die Stadt. MeineHerren, da wird wohl Ihr Lachen aufhören Denn die Mauern werden fallen hin Und die Stadt wird gemacht dem Erdbodn gleich Nur ein lumpige Hotel wird verschont von jedem Streich Und man fragt Wer wohnt Besonderer darin? Und in dieser Nacht wird ein Geschrei um das Hotel sein Und man fragt Warum wird das Hotel verschont? Und man wird mich sehen treten aus der Tür gen Morgen Und man sagt Die hat darin gewohnt? Und das Schiff mit acht Segeln Und mit fünfzig Kanonen Wird beflaggen den Mast. Und es werden kommen hundert gen Mittag an Land Und werden in den Schatten treten Und fangen einen jeglichen vor jeglicher Tür Und legen in Ketten und bringen vor mir Und fragen Welchen sollen wir töten? Und an diesem Mittag wird es still sein am Hafen Wenn man fragt, wer wohl sterben muß. Und dann werden Sie mich sagen hören Alle! Und wenn dann der Kopf fällt, sag ich Hoppla! Und das Schiff mit acht Segeln Und mit fünfzig Kanonen Wird entschwinden mit mir. Ballade vom angenehmen Leben MACHEATH Ihr Herrn, urteilt jetzt selbst, Ist das ein Leben? Ich finde nicht Geschmack an alledem. Als kleines Kind schon hörte ich mit Beben Nur wer im Wohlstand lebt, lebt angenehm! Da preist man uns das Leben großer Geister Das lebt mit einem Buch and nichts im Magen In einer Hütte, daran Ratten nagen. Mir bleibe man vom Leib mit solchem Kleister! Das simple Leben lebe, wer da mag! Ich habe (unter uns) genug davon. Kein Vögelchen von hier bis Babylon Vertrüge diese Kost nur einen Tag. Was hilft da Freiheit? Es ist nicht bequem. Nur wer im Wohlstand lebt, lebt angenehm! Die Abenteurer mit dem kühnen Wesen Und ihrer Gier, die Haut zum Markt zu tragen Die stets so frei sind und die Wahrheit sagen Damit die Spießer etwas Kühnes lesen Wenn man sie sieht, wie das am Abend friert Mit kalter Gattin stumm zu Bette geht Und horcht, ob niemand klatscht und nichts versteht Und trostlos in das Jahr fünftausend stiert. Jetzt frag ich Sie nur noch Ist das bequem? Nur wer im Wohlstand lebt, lebt angenehm! Ich selber könnte mich durchaus begreifen Wenn ich mich lieber groß und einsam sähe Doch sah ich solche Leute aus der Nähe Da sagt ich mir Das mußt du dir verkneifen. Armut bringt außer Weisheit auch Verdruß Und Kühnheit außer Ruhm auch bittre Mühn. Jetzt warst du arm und einsam, weis und kühn Jetzt machst du aber mit der Größe aber Schluß. Dann löst sich ganz von selbst das Glücksproblem Nur wer im Wohlstand lebt, lebt angenehm! AUSRUFER Macheath wird durch die Liebe eines anderen Weibes aus dem Gefängnis befreit. LUCY Du gemeiner Schuft, du. Du glaubst also, ich wisse nichts von der Geschichte mit Fräulein Peachum! POLLY Wo ist mein Mann? Oh, Mac, da bist du ja. Schau doch nicht weg, du brauchst dich nicht zu schämen vor mir. Ich bin doch deine Frau. LUCY Was hast du dir denn da ausgesucht? Eifersuchts-Duett LUCY Komm heraus, du Schönheit von Soho! Zeig doch mir mal deine schönen Beine! POLLY Bitte sehr! LUCY Ich möchte auch mal was Schönes sehen Denn so schön wie du gibt es doch keine! POLLY Gibt s auch nicht! LUCY Du sollst ja auf meinen Mac solch einen Eindruck machen! POLLY Soll ich das, soll ich das? LUCY Na, da muß ich aber wirklich lachen. POLLY Mußt du das, mußt du das? LUCY Ha, das wäre ja gelacht! POLLY So, das wär also gelacht? LUCY Wenn sich Mac aus dir was macht! POLLY Wenn sich Mac aus mir was macht? LUCY Ha ha ha ha ha! Mit so einer Befaßt sich sowieso keiner. POLLY Na, das werden wir ja sehn. LUCY Ja, das werden wir ja sehn. BEIDE Mackie und ich, wir lebten wie die Tauben Er liebt nur mich, das laß ich mir nicht rauben. Da muß ich schon so frei sein Das kann doch nicht vorbei sein Wenn da so n Mistvieh auftaucht! Lächerlich! POLLY Ach, man nennt mich Schönheit von Soho Und man sagt, ich hab so schöne Beine. LUCY Meinst du die? POLLY Man will ja auch mal was Schönes sehen Und man sagt, so schön gibt es nur eine. LUCY Du Dreckhaufen! POLLY Selber Dreckhaufen! Ich soll ja auf meinen Mann so einen Eindruck machen. LUCY Sollst du das? Sollst du das? POLLY Ja, da kann ich eben wirklich lachen. LUCY Kannst du das? Kannst du das? POLLY Ja, das wäre auch gelacht! LUCY Ach, das wär ja auch gelacht? POLLY Wenn sich wer aus mir nichts macht. LUCY Wenn sich wer aus dir nichts macht! POLLY Meinen Sie nicht auch mit so einer Befaßt sich sowieso keiner? LUCY Na, das werden wir ja sehn. POLLY Ja, das werden wir ja sehn. BEIDE Mackie and ich usw. Arie der Lucy LUCY Eifersucht! Wut, Liebe Und Furcht zugleich reißen mich in Stücke. Vom Sturm hin und her geworfen Vom Kummer zerbrochen. Das Rattengift steht bereit! Seit gestern kommt sie alle paar Stunden her, um mich zu sprechen. Oh dieses falsche Aas! Wahrscheinlich will sie sich an meiner Verzweiflung weiden! O Welt! O Menschen! Wie seid ihr schlecht! Diese Dame kennt mich noch nicht. Meinen Gin wird sie nicht trinken, damit sie nachher mit ihrem Mackie lustig sein kann. Sie stirbt durch meinen Gin! Sie stirbt durch meinen Gin! Sie stirbt! Sie stirbt! Ja, hier! Hier will ich sie sich winden sehen! Ich rette ihm das Leben Und diese Person soll den Rahm abschöpfen? Wenn ich dieses Mensch vergifte Dann kann die Welt aufatmen. AUSRUFER Macheath ist entkommen. Peachum rüstet zum Aufbruch. Durch eine Demonstration beabsichtigt er, den Krönungszug zu stören. PEACHUM Als der ägyptische König Ramses der Zweite gestorben war, ließ sich der Polizeihauptmann von Ninive, beziehungsweise Kairo, irgendeine Kleinigkeit gegen die untersten Schichten der Bevölkerung zu Schulden kommen. Die Folgen waren schon damals fürchterlich. Der Krönungszug der Thronfolgerin Semiramis wurde, wie s in den Geschichtsbüchern heißt, durch die allzu lebhafte Beteiligung der untersten Schichten der Bevölkerung zu einer Kette von Katastrophen . Die Historiker sind außer sich vor Entsetzen, wie furchtbar sich Semiramis ihrem Polizeihauptmann gegenüber benahm. Der Herr sei mit Ihnen, Brown. AUSRUFER Zweites Dreigroschen-Finale. Zweites Dreigroschen-Finale MACHEATH Ihr Herrn, die ihr uns lehrt, wie man brav leben Und Sünd und Missetat vermeiden kann Zuerst müßt ihr uns was zu fressen geben Dann könnt ihr reden damit fängt es an. Ihr, die ihr euren Wanst und unsre Bravheit liebt Das eine wisset ein für allemal Wie ihr es immer dreht und wie ihr s immer schiebt Erst kommt das Fressen, dann kommt die Moral. Erst muß es möglich sein auch armen Leuten Vom großen Brotlaib sich ihr Teil zu schneiden. STIMME HINTER DER SZENE Denn wovon lebt der Mensch? MACHEATH Denn wovon lebt der Mensch? Indem er stündlich Den Menschen peinigt, auszieht, anfällt, abwürgt und frißt. Nur dadurch lebt der Mensch, daß er so gründlich Vergessen kann, daß er ein Mensch doch ist. CHOR Ihr Herren, bildet euch nur da nichts ein Der Mensch lebt nur von Missetat allein! FRAU PEACHUM Ihr lehrt uns, wann ein Weib die Röcke heben Und ihre Augen einwärts drehen kann. Zuerst müßt ihr uns was zu fressen geben Dann könnt ihr reden damit fängt es an. Ihr, die auf unsre Scham und eure Lust besteht Das eine wisset ein für allemal Wie ihr es immer schiebt und wie ihr s immer dreht Erst kommt das Fressen, dann kommt die Moral. Erst muß es möglich sein auch armen Leuten Vom großen Brotlaib sich ihr Teil zu schneiden. STIMME HINTER DER SZENE Denn wovon lebt der Mensch? FRAU PEACHUM Denn wovon lebt der Mensch? usw. CHOR Ihr Herren, bildet euch nur da nichts ein Der Mensch lebt nur von Missetat allein! この日本語テキストは、 クリエイティブ・コモンズ・ライセンス の下でライセンスされています。@ hanmyo Weill,Kurt/Die Dreigroschenoper/III+
https://w.atwiki.jp/kojin/pages/29.html
MIT の機関のひとつ。 研究内容は 技術の応用、斬新な方法による統合分野の開拓 人間とコンピューターとの協調 発展途上国のための技術開発 量子コンピュータも研究している。また、100ドルパソコンもここで開発された。
https://w.atwiki.jp/toho/pages/3865.html
地平線の向こう側へ サークル:3S Cubic Number Track Name Arranger Lyrics Vocal Original Works Original Tune Length 01 Believe to Desire むらおあつし むらおあつし Cifon 東方風神録 信仰は儚き人間のために [-- --] 02 最強妖精 チルノちゃん♪ むらおあつし - - 東方花映塚 おてんば恋娘の冒険 [-- --] 03 Border of Life むらおあつし - - 東方妖々夢 ボーダーオブライフ [-- --] 04 空を飛ぶ理由 むらおあつし - - 東方永夜抄 恋色マスタースパーク [-- --] 05 墨染めのセプテット Nanasy - - 東方妖々夢 幽雅に咲かせ、墨染の桜 [-- --] 詳細 Comic Communication 13(2009/6/7)にて頒布 イベント価格:500円 ショップ価格:?円(税込:?円) Guest 中村明星:(nakascene) Nanasy:(Like a rabbit) レビュー 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/oper/pages/203.html
第3幕 (ライン河の岸辺の、手つかずの森と岩に覆われた峡谷地帯。ライン河は、舞台の奥の方の急な斜面の脇を流れている) 前奏曲と第1場 (3人のラインの娘たちとジークフリート。3人のラインの娘たち、ヴォークリンデ、ヴェルグンデ、フロスヒルデは、川の中から浮かび上がって来て、輪舞をする時のように、輪になって泳ぎ回る) <3人のラインの娘たち> (泳ぎながらも、ゆっくりと、その場に静止するように) お日さまは、明るい光を送るけど、 水の底では、深い夜。 昔は、明るかったのに・・・。 あの頃はまだ、汚れなく気高く輝いてた。 お父さんの黄金が水底で。 ラインの黄金!清き黄金! 何て、まばゆく、光っていたの! 水底を照らす気高き星よ! (再び輪になって、泳ぎながら) ヴァイアラーラ、ライア、ヴァララ・・・ライアララー・・・ (遠くから角笛の音。三人は耳を澄ますと、歓声を上げて、パチャパチャと水しぶきを上げる) ああ、お日さま!あの勇者を遣わしてくれたのね! あの勇者が、あたし達に黄金を返してくれるのね! 黄金さえ返してくれれば、貴女の目の光を、 あたしたちは、もう妬まないわ。 ラインの黄金!清らかな黄金! 何と楽しく、光っていたことでしょう! 水底を照らす、自由の星よ! (ジークフリートの角笛の音が上から聞こえる) <ヴォークリンデ> 角笛の音が聞こえてくる。 <ヴェルグンデ> あの勇者が近づいてきた。 <フロスヒルデ> さあ、相談してみましょう! (三人は急いで水の中に潜る。ジークフリートは、完全に武装した姿で丘の斜面に現れる) <ジークフリート> 妖精に惑わされて、 獲物の足跡を見失ってしまった・・・ おい、ずるい奴め! ぼくの獲物を、素早く、どこに隠したんだ? <3人のラインの娘たち> (再び水面に浮かび上がり、輪になって泳ぐ) ジークフリート! <フロスヒルデ> なぜ谷底を叱りつけてるの? <ヴェルグンデ> どの妖精に怒っているの? <ヴォークリンデ> いたずら者にからかわれたの? <3人のラインの娘たち> ねえ、ジークフリート!あたしたちに教えてよ! <ジークフリート> (微笑んで、娘たちを見つめながら) あなた方が誘惑したので、 あの毛むくじゃらの獣は、ぼくから姿をくらましたのかい? あんなので気晴らしになるのなら、 元気なお嬢さん方に、ぼくは喜んで譲ってあげるよ。 (娘たちは、大きな笑い声を立てる) <ヴォークリンデ> ねえ、ジークフリート、あたし達に何かくれる? もし、あの獲物をあなたに返してあげたら。 <ジークフリート> まだ一匹も獲物がないんだ。 何でも望むものを言ってごらん。 <ヴェルグンデ> じゃあ、指に輝く金の指輪! <3人のラインの娘たち> それを、あたし達に、ちょうだいよ! <ジークフリート> この指輪のために、大きな龍を倒したのに・・・ つまらない四つ足の熊ごときと、 この指輪を交換しろと言うのか? <ヴォークリンデ> あなた、そんなにがめついの? <ヴェルグンデ> お買い物する時も、ケチなのかしら? <フロスヒルデ> 女の人には気前よくするものよ。 <ジークフリート> 君たちのために、財産をすったとなると、 きっと、うちの奥さんは怒るだろうなあ。 <フロスヒルデ> 意地悪な奥さんなのね? <ヴェルグンデ> ぶたれちゃうのかしら? <ヴォークリンデ> 勇者のくせして、もう平手打ちを食らったみたい! (無遠慮に笑い飛ばす) <ジークフリート> ふん、笑うがいいさ! 悲しいのは、お前達だろう。 いくら指輪を欲しがったって、 お前達みたいないたずら者には、あげるものか! (その間、ラインの娘たちは、再び輪になって泳ぎ始めている) <フロスヒルデ> 美男子なのに! <ヴェルグンデ> 力も強いのに! <ヴォークリンデ> 誰もがうらやむような人なのに! <3人のラインの娘たち> これは残念!ケチだとは! (笑って、水の中に潜る) <ジークフリート> (谷底に降りて行く) ケチなんて言葉を我慢しなきゃならんとは? けなされたままで、いいのだろうか? あの子らが、また水面に出て来たら、 この指輪を、くれてやろう。 (大声で叫ぶ) おおい!おおい!水中の恋の妖精さんよ! 早くおいでよ!指輪はお前達にあげるから! (指から指輪を外し、頭上に高くかかげる。3人のラインの娘たちは再び浮き上がるが、厳粛で重々しい様子をしている) <フロスヒルデ> 勇者よ。まだ返さずに、持っていなさい。 あなたが大いなる災いに気付くまで・・・ <ヴォークリンデとヴェルグンデ> それは、あなたが指輪のせいで抱え込んでいる災厄。 <3人のラインの娘たち> きっと、あなたも一安心よ。 あたし達があなたを、その呪いから解放すれば。 <ジークフリート> (動じずに、また指輪を指にはめてしまう) じゃあ、話してみろよ!お前達の知っていることを! <3人のラインの娘たち> ジークフリート!ジークフリート!ジークフリート! あなたの身に、良からぬことが迫っている。 <ヴェルグンデ> その指輪は、あなたに災いをもたらす。 <3人のラインの娘たち> それは、その輝く指輪が、ラインの黄金で作られているからよ。 <ヴェルグンデ> 悪知恵を尽くしてその指輪を作り上げ、屈辱にまみれて手放した男・・・ <3人のラインの娘たち> その男が、指輪に呪いをかけたのよ。 どんなに時が経とうとも、その持ち主に死が下るように・・・と。 <フロスヒルデ> 昔、あなたが龍を斃したように・・・ <ヴェルグンデとフロスヒルデ> あなたもまた、斃される・・・。 <3人のラインの娘たち> それも、この日のうちによ・・・ あたし達の言う通りのことが起きるわよ。 もしも、あなたが指輪を交換してくれて、 <ヴェルグンデとフロスヒルデ> ラインの水底に指輪を返せないのなら。 <3人のラインの娘たち> この呪いを浄めるのは、ラインの流れだけだからよ! <ジークフリート> いい加減にしろ!ずる賢い娘たちめ! ぼくは、お世辞を信じたりはしないけど、 脅しなんて、もっと通用しないぞ! <3人のラインの娘たち> ジークフリート!ジークフリート! ほんとうのことを、言っているのよ。 逃れなさい!呪いの手から逃れなさい! 毎晩、運命の綱を編んでいるノルン達が、 原初の掟の綱に編み込んだ呪いなのよ! <ジークフリート> ぼくの剣は、槍さえ粉々に打ち砕いた。 だから、原初の掟を記した永遠の綱に、 どんな悲惨な呪いが編み込んであろうとも、 このノートゥングは、そのノルンの綱さえ断ち切るんだ! かつて龍が、その呪いについて、 ぼくに警告したことがあった。 だが、その龍でさえ、ぼくに恐怖を教えることはできなかったんだ! (指輪をじっと見つめる) この指輪が、ぼくに世界の支配権をくれるのだとしても、 愛の恵みさえ得られれば、 喜んで捨ててやる・・・ くれてやるよ。 もしもお前達が、ぼくに愛の歓びをくれるなら。 でもな。お前達が、ぼくの命や体が危ないと言って脅すなら、 たとえ小指一本の価値すら無い指輪だとしても、 絶対に、お前達にはあげないぞ! なぜなら、ぼくは、命や体など・・・ 見るがいい・・・こうして軽々と投げ出すんだ! (地面から土くれを引っつかんで、頭上に持ち上げると、最後のセリフといっしょに背後に放り投げる) <3人のラインの娘たち> 行きましょう!みんな! こんなバカ者など、置いていきましょう! この勇者は、自分は強くて賢いと自惚れているけれど、 本当は目隠しされていて、何ひとつ見えていない。 (激しく興奮したように泳ぎながら、岸辺の近くでぐるっと大きく旋回する) 立てた誓いを・・・守ろうともせず。 (再び激しい動きを見せて) 持っているはずの知恵を・・・使おうともしない。 <フロスヒルデ、やがてヴォークリンデ> 世にも気高き宝を与えられたというのに。 <3人のラインの娘たち> 捨てたことにすら、気が付かない・・・ <フロスヒルデ> そのくせ、あの指輪だけは・・・ <ヴェルグンデ> 自分を死なせる指輪だけは・・・ <3人のラインの娘たち> その指輪だけは、しっかり持っていようとするなんて! さようなら、ジークフリート! 誇り高き女性が、今日のうちにも、 意地悪なあなたから指輪を受け継ぐでしょう。 きっと、その人なら、あたし達の話をもっと良く聴いてくれるはず・・・ さあ!行きましょう!その人の所へ! (また素早く輪になって泳ぎ始め、ゆっくりと舞台後方へと泳いで行ってしまう。 ジークフリートは微笑みつつ、ラインの娘たちの後ろ姿を目で追う。岸辺の岩に片足を乗せ、手であごを支えながら、その場にたたずんでいる) <3人のラインの娘たち> ヴァイアラーラ、ヴァイアラーラ、ライアライア、ヴァララー・・・ <ジークフリート> 水の中でも、陸地でも、 女の手口が変わらないことは良く分かった・・・ こちらが、おだてに乗らなければ、 今度は、脅しにかかってくる。 それにも敢えて逆らえば、 お次は、がみがみ、お小言が始まる。 (ラインの娘達は、もう完全に姿を消している) だけれど、グートルーネとの契りさえ破らねば・・・ あの、かわいい娘たちの一人ぐらい、 新たに手なずけてみたかったものだなあ! (じっと彼女たちの行ってしまった後を見つめている) <3人のラインの娘たち> (ずっと離れた所から) ラーラララー、ラララー、ラララー・・・ (狩の角笛の音が丘の上からこちらに響いて来る) 第2場 ジークフリート、ハーゲン、グンター、男たち <ハーゲンの声> (遠くから) ホイホー! (ジークフリートは夢見心地から我に返ると、自らの角笛を吹き鳴らし、聞こえて来た角笛に返答する) <男たち> (舞台の外で) ホイホー!ホイホー! <ジークフリート> (答えながら) ホイホー!ホイホー!ホイヘー! <ハーゲン> (ハーゲンが丘の上に現れる。彼を追ってグンターも現れる。ハーゲンはジークフリートの様子を眺めながら) ようやく見つけたぞ。 一体、あなたは、どこまで駆け回っていたのだ? <ジークフリート> 下りてこいよ!ここは涼しくて気持ちがいいぞ! (男たちは全員、丘に到着し、ハーゲン、グンターと並んで丘を下りて行く) <ハーゲン> ここで休息を取り、宴を張ろう。 (狩りの獲物がうず高く積み上げられる) 獲物を置くんだ!酒袋を持って来い! (酒盃と酒袋が取り出され、全員その場に寝そべる) 我らの獲物を追い払ってしまった男の 武勇談を聞こうではないか。 さあ、ジークフリートよ、何を仕留めたのだ。 <ジークフリート> (笑いながら) 今日はつましい食事になりそうだ・・・ あなた方の獲物を分けてもらうしかないな。 <ハーゲン> 何だと?獲物なしか? <ジークフリート> 森に狩りに行ったはずなのに、 現れたのは、水の精だけさ。 もしも前もって分かっていれば、 あの3羽の水鳥たちを、 ぼくは、きっと捕まえていただろうに。 そいつらが、ライン河の川面で歌うには、 僕は今日中に殺されるってさ。 (そう言うと、グンターとハーゲンの間に割って入り、寝そべる。驚いたグンターは、陰鬱な眼差しでハーゲンを見る) <ハーゲン> それは、さぞや最悪の狩りだろうな。 獲物が無い上に、 待ち伏せしていた獣に殺されるのでは! <ジークフリート> のどが渇いた! <ハーゲン> (ジークフリートのために酒盃を満たし、その盃を差し出す) ジークフリートよ・・・ あなたは、鳥の歌を、 よく聴き取ることができると言う。 それは本当のことなのか? <ジークフリート> 小鳥のさえずる声なんて、もう長らく聞いていなかった。 (盃を受け取ると、それを持ったままグンターの方に振り向く。そして一口飲むと、その盃をグンターに差し出す) 飲みましょう!グンター!さあ! あなたの弟が差し出す盃で! <グンター> (物思いに沈み、憂鬱に盃を見つめ、くぐもった声で) あなたがよく混ぜないので、くすんだ変な色をしている・・・ (ますます声をくぐもらせながら) 中には、あなたの血しかない! <ジークフリート> (笑いながら) だったら、あなたのと混ぜればいいさ! (グンターの盃の中身を自分の盃に注ぐので、自分の盃は溢れ出す) 混ぜたら、溢れてしまったよ。 母なる大地への捧げ物としよう! <グンター> (深くため息をつきながら) なんと陽気な勇者だ! <ジークフリート> (声をひそめて、ハーゲンに) グンターはブリュンヒルデのことを気に病んでいるのか? <ハーゲン> (同じように声をひそめてジークフリートに) あなたが小鳥の歌声を聞き分けるように、 グンターも、あの女性のことを理解できれば良いのだが! <ジークフリート> 女の歌声を聞いてから、 鳥の歌は、すっかり忘れてしまったよ。 <ハーゲン> だが、昔は聴き取れたんだろう? <ジークフリート> (快活そうにグンターに振り向きながら) さあ!グンター!何をくよくよしてるのです! あなたを元気づけるために、 私の若い頃の昔話でも、 歌ってみましょうか。 <グンター> それは、ぜひ聴かせてもらいたいものだ。 (全員がジークフリートの傍に寝そべるので、低い姿勢で寝そべっている人々の中に、ジークフリートだけが体を起こして座る形になる) <ハーゲン> さあ、勇者よ。歌うがいい! <ジークフリート> ミーメという名のむら気な小人が 欲に駆られて、ぼくを育てた。 いつかその子が育った日には、 怠惰に森で宝を見張っている龍を、 その子に討ち果たさせようと目論んだのだ。 ミーメは、鉄の鍛え方や溶かし方を、ぼくに教えた。 しかし、当の師匠には出来なかったことを成し遂げるためには、弟子であるぼくの勇気が必要だった。 ぼくは、バラバラになった鉄剣の破片を 一から鍛え直して、剣にしたのだ。 父親の残した武器を再びつなぎ合わせ、 ぼくは、堅固なノートゥングに鍛え上げた。 小びとのミーメは、これで戦の準備はできたと確信し、 ぼくを森へと連れて行き、 ぼくは、龍のファフナーを斃したのだ! だけれど、みんな、ここからの話を良く聞いてくれ・・・ とても不思議な話なのだ。 龍の返り血を浴びた手の指が 燃えるように熱かったので、 冷やそうと、口もとに持って行き、 ほんのちょっと舌を 湿らせてみると、それが早いか、 小鳥たちの歌声が、矢のように頭に入って来て、 そのまんま聞き取れるようになった。 枝に止まって、小鳥は歌った・・・ 「わあい!ニーベルングの宝は、 ジークフリートのものだ! ああ!洞穴(ほらあな)にある宝を 見つけちゃえばいいのになあ! 隠れ頭巾を手に入れれば、 きっと楽しい冒険に役立つよ! でも、指輪まで探り当てちゃったら、 きっと世界を支配できちゃうなあ!」 <ハーゲン> それで、指輪と隠れ頭巾を運び出して来たのだな? <男たち> 小鳥の声を、また聞いたのですか? <ジークフリート> そう、指輪と隠れ頭巾を持って来たあと、もう一度 耳を澄ましてみた。小鳥の楽しいささやき声に。 すると、こずえの小鳥は、こう歌っていた・・・ 「わあい!頭巾も指輪もジークフリートのものだ。 でもね!ウソつきのミーメを信じちゃダメだよ! きっと宝を取り上げるつもりで、 ずるっこく待ち伏せているのさ・・・ ジークフリートの命を狙っているよ。 ああ!ミーメを信じなきゃいいけど!」 <ハーゲン> 忠告は正しかったのか? <四人の男たち> ミーメに仕返しをしたんですね? <ジークフリート> 毒薬を携えてやって来て、よほど不安なのか、 勝手にどもり始め、すっかり悪事を自白した。 悪党め!ノートゥングで、討ち果たしてやったよ! <ハーゲン> (甲高い声で大笑いしながら) ミーメは、剣の作り方は知らなかったが、 切れ味だけは味わったわけだな! <二人の男たち> (順番に繰り返す) それから、小鳥は、何と? <ハーゲン> (新たな盃を酒で満たし、そこに薬草の汁をぽたりと垂らす) 勇者よ。まずは、私の盃から飲むのだ・・・ あなたがはっきりと記憶を呼び起こすため、 私はよく効く飲み薬を混ぜたのだ。 (ハーゲンは酒盃をジークフリートに手渡す) これでもう、古い記憶も脱け落ちることはないはずだ! <ジークフリート> (思いを巡らしながら、その盃を見つめ、ゆっくりと飲み干す) 思い悩みつつ、こずえに耳を澄ますと、 小鳥が、まだそこに居て、こう歌っていた・・・ 「わあい!ジークフリートは悪い小人を打ち倒しちゃったぞ! ぼくは、彼にもってこいのきれいな女の子を知っているよ。 その子は岩山の上に眠っていて、 その周りを炎が取り巻いている。 だけど、はじける炎をかいくぐり、 花嫁の目を覚ましたら、 ブリュンヒルデは、彼のものになるよ!」 <ハーゲン> あなたは、その言葉どおりにしたのか? <ジークフリート> ぼくはためらうことなく旅立って・・・ (グンターは驚きを深めながら、耳をそばだてる) 炎が取り巻く岩山にたどり着いた。 そして火焔をかいくぐった そのご褒美は・・・ (高まる歓びに我を忘れつつ) 眠っていた・・・その喜ばしくも美しき女性は。 きらめく武具を身にまといながら。 ぼくは、その素晴らしい乙女から、兜を取り外し、 熱い口づけで目覚めさせた。 ああ!何と情熱的に、 ぶるんと巻きついてきたことか! あの美しいブリュンヒルデの腕(かいな)が! <グンター> (極度の驚愕とともに、跳ね起きて) 何たることを! (二羽のカラスが茂みの中から飛び上がり、ジークフリートの頭上に弧を描き、やがてライン河に向けて飛び去って行く) <ハーゲン> あのカラス達の鳴き声も、あなたは聴き取れるのか? (ジークフリートは勢いよく立ち上がり、ハーゲンに背中を向けると、二羽のカラスを目で追う) <ハーゲン> あれは、この私に呼びかけているのだ!報復せよ、とな! (ハーゲンはジークフリートの背中に槍を突き立てる。グンターはハーゲンの腕をとらえて止めさせようとするが・・・手遅れだった。ジークフリートは盾を両手に高く持ち上げ、それを振りかざしてハーゲンを叩き潰そうとするが、力尽き、盾を背後に取り落してしまう。その盾の上には、ジークフリート自身が大きな音で崩れ落ちていく) <四人の男たち> (もう無駄とは思いつつも、ハーゲンを押しとどめながら) ハーゲン!何をする? <別の二人の男> 何をしたんだ・・・? <グンター> ハーゲン・・・!何をしたんだ? <ハーゲン> (地に突っ伏したジークフリートを指差しながら) 偽誓を罰したまでのこと! (ハーゲンは悠然とそっぽを向き、一人で岩山の頂を越えて姿を消す。二羽のカラスの出現と同時に辺りをつつみ始めた黄昏の中を、ハーゲンはゆっくりと退場していく。 グンターは心の痛みに耐えかねるように、ジークフリートの傍らに頭を垂れる。男達は、思いを込めて、死に行く男の周りを取り巻く) <ジークフリート> (2人の男に支えられながら膝を立て、見開いた両目を、きらきらと輝かせながら) ブリュンヒルデ!聖なる花嫁! 起きて!目を開けて! 誰が、あなたを再び眠りに閉じ込めたのです? 誰があなたを、不安なまどろみに縛り付けたのです? 目を覚ます者が来ました!・・・目覚めのキスをし・・・ そして花嫁を縛めから解き放つと、 ブリュンヒルデの微笑みは、あふれる歓びを伝えてくれました・・・! ああ!この眼・・・今とこしえに見開かれて! ああ!この息吹き。晴れやかな風のように! とろけるように吹き過ぎて行く・・・優しいおののき・・・ ブリュンヒルデが手を振っている・・・私に! (背中から仰向けに崩れ落ちて事切れる。誰も物音一つ立てないまま、周囲には悲哀の情が広がっていく。辺りはいつしか夜になっている。グンターの無言の指示に従い、男達はジークフリートの亡骸(なきがら)を持ち上げ、続く音楽の間、荘重な行列をなして岩山の頂を越えて、ゆっくりと運び去って行く。亡骸のすぐ後ろにつき従うのはグンターである) 【オーケストラによる間奏曲】 (死んだジークフリートのための葬送曲。雲間から月が輝き、山頂に差し掛かった葬列をますます明るく照らし出す。だが、ライン河から立ち上る霧は、次第に舞台いっぱいに広がり、葬列は今や全く見えなくなってしまう。霧は舞台前方にも広がってくるので、この間奏曲の間、舞台は完全にヴェールに覆われてしまう。 霧がようやく晴れはじめると、そこには第1幕と同じギービヒ家の大広間が徐々にはっきりと浮かび上がってくる) 第3場 (ギービヒ家の大広間。グートルーネ、ハーゲン、グンター、ブリュンヒルデ) (夜。ライン河に月の光が反射している。グートルーネは自分の部屋から出て来て、大広間に入って来る) <グートルーネ> あの方の角笛かしら? (耳を澄ます) ちがう!・・・まだ帰って来ていない・・・ 悪夢でぐっすり眠れなかった! あの方の馬が大声でいなないて、 ブリュンヒルデの笑い声で目が覚めた。 あの女は誰だったのかしら? 岸辺に歩いて行ったあの姿は・・・? もしやブリュンヒルデでは!? あの人、家にいるのかしら? (舞台右手の扉から物音をうかがい、やがて小声で呼びかける)ブリュンヒルデ!ブリュンヒルデ! 起きている? (恐る恐る扉を開け、部屋の中を覗き込む) 部屋は、からっぽ。 ならば、やっぱり、あの人かしら?・・・ ライン河に歩いて行ったあの姿は! (びくっとして、遠くに耳を澄ます) あの方の角笛? ちがう!・・・何にも聴こえない! ああ、今すぐジークフリートに会いたい! (再び自分の部屋の方へ向き直るが、その時ハーゲンの声が聞こえるので立ち止まる。恐怖に捉えられて身動き一つせず、しばらくその場に立ちつくす) <ハーゲンの声> (舞台の外から聞こえて来る) ホイホー!ホイホー! 起きるんだ!起きろ! 灯りをともせ!灯りを!明るい炎を! 狩りの獲物を持ち帰ったぞ。 ホイホー!ホイホー! (灯りをつけると、外からの松明の光もますます強くなる) <ハーゲン> (大広間に入って来る) おおい、グートルーネ!ジークフリートに挨拶するのだ! 強い勇者が、帰って来たぞ! <グートルーネ> (激しく恐怖して) 何があったの?ハーゲン! あの方の角笛が聴こえなかったけど! (男達と女達は、ろうそくや松明を手にして、ジークフリートの遺体を持ち帰って来た男達と一緒に入って来る。その男達の中にはグンターもいる) <ハーゲン> 血の気の無い勇者は、 もう角笛を吹かないし、 もう狩りに行くこともない。 戦いに行くことももう無いし、 きれいな女達を手に入れることもない。 <グートルーネ> (驚きを募らせて) 何を運んで来たの? (行列が大広間の真ん中に到着すると、男達は、手早くしつらえられた台の上に遺体を置く) <ハーゲン> 野育ちのイノシシの餌食となったのだ。 ジークフリート・・・あなたの死んだ夫は。 (グートルーネは叫び声を上げ、遺体の上に崩れ落ちる。その場の全員に衝撃と悲しみが広がる) <グンター> (気を失ったグートルーネを介抱しながら) グートルーネ!可愛い妹よ。 目を上げてくれ。私に何か言ってくれ! <グートルーネ> (正気に返って) ジークフリート・・・ジークフリートが殺された! (グンターを激しく突き飛ばす) 行って!お兄さんなんか信用できない。 あたしの夫を殺したくせに! ああ、助けて!助けて!ひどいわ!ひどい! あんた達が、ジークフリートを殺したんでしょう! <グンター> 私に言うんじゃない! あそこにいるハーゲンに言え。 あいつこそ、呪われたイノシシだ。 この気高い男を食いちぎった男だ。 <ハーゲン> だから私を恨むとでもいうのか? <グンター> 恐怖と不幸に襲われるがいい! <ハーゲン> (恐ろしいまでの反抗心をむき出しにして近付いて来る) その通り!殺したのは俺だ! この俺・・・ハーゲンが・・・あの男を討ったのだ。 俺の槍は、あの男が偽誓を言ったときに 何一つ手出しできなかった。 しかし、俺は今こそ、神聖な権利を手にしたぞ。 獲物から戦利品を手にする権利を・・・ だから俺は要求する・・・この指輪を。 <グンター> さがれ!私のものを お前が手に入れることなどできない。 <ハーゲン> みんな!私の権利を認めてくれ! <グンター> グートルーネへの遺産に手を付けるのか? 恥知らずの小びとの息子め! <ハーゲン> (剣を抜いて) 小びとのアルベリヒの遺産だからこそ、息子の俺が受け継ぐのだ! (ハーゲンはグンターに向けて突進し、グンターは防戦し、二人は争う。男達が割って入るが、ハーゲンの剣の一突きでグンターはその場に斃れる) 指輪をよこせ! (ハーゲンがジークフリートの手に飛び付こうとするやいなや、その手は脅すように高く上がる。グートルーネと女達は、驚愕のあまり、大きな叫び声を上げる。誰もが恐怖に捉えられて身動き一つしないでいると、ブリュンヒルデが、舞台後方から、確固とした厳かな足取りで、前に進み出て来る) <ブリュンヒルデ> (まだ舞台後方にいるうちから) お黙りなさい。あなた方が悲しんで、 わあわあ言い合う声なんて! あなた方に裏切られた女が 報復のために来たのよ。 (ゆったりと舞台前方に歩を進める) 聞こえて来たのは母親が甘いミルクをこぼした時、 子供たちが上げるようなメソメソ声だけ。 最も高貴な勇者に捧げるにふさわしい 気品のある嘆き声は、まるで聞こえて来やしなかった。 <グートルーネ> (物凄い勢いで、地面から立ち上がりながら) ブリュンヒルデ!嫉妬に狂った人! こんなひどいことを仕組んだのは、あんたね! あんたが男たちをそそのかしたんだわ。 ああ!あんたさえ、この家に来なければ! <ブリュンヒルデ> くだらない人ね!お黙りなさい! あなたは、あの人の妻なんかじゃなかった。 女遊びの相手として惹きつけていただけよ。 あの人の本当の妻は、この私。 ジークフリートは、私に永遠の誓いを立てたのよ・・・ それは、あなたと出会う前。 <グートルーネ> (突然激しい絶望に陥って) 呪われろ!ハーゲン! あなたが私に薬を飲ませることを勧めたのは、 この人から、夫を奪うためだったのね! ああ、悲しい! たったいま初めて分かったわ! ブリュンヒルデこそ愛する妻で、 あの人は、薬でそれを忘れていただけだったのね・・・! (グートルーネは恥ずかしさのあまりジークフリートから顔を背けると、苦痛に身悶えしつつ、グンターの亡骸の上に屈み込み、幕の最後まで、そのまま身動き一つせずにいる。ハーゲンは、舞台の反対側で、陰気に考え事をしながら、反抗的な態度のまま槍と盾にもたれて立っている) BRÜNNHILDE (舞台中央に一人たたずみ、ずっとジークフリートの顔を見つめ続けるブリュンヒルデ。初めは激しいショックを受けていたが、やがて心を押し潰すような物凄い哀しみに満たされる。しかし、ついには、厳粛な中にも気持ちを昂らせつつ、群衆の男女たちに顔を向けると、男達に向けて歌い始める) 太い薪(たきぎ)を積み上げて! ラインのほとりに、うずたかく! 明るく、高く、炎よ、燃えよ! 勇者の気高い体を 燃やし尽くすのよ! さあ、あの人の馬を連れて来て。 私と一緒に、あの戦士の後を追うのだから・・・。 勇者の神聖な名誉を分かち合うことを、 この私の体が望んでいるのよ。 さあ、ブリュンヒルデの願いを叶えてちょうだい! (続く台詞の間、若者たちは、広間の前のライン河畔に、巨大な薪の山を積み上げていく。 女たちは、それに覆いを掛け、その上に野の草花を撒き散らす) <ブリュンヒルデ> (遺体となったジークフリートの顔をまじろぎもせず、新たに見つめ始めると、彼女の顔は、次第に柔らかく浄化されたように変容していく) お日さまのように清らかに、 この人から射し込む光・・・ どこまでも清らかな人・・・私を裏切ったけど! 妻を欺いたくせに、友には誠実で・・・ ただ一人大事な女性・・・自分の妻と 自分との間を、剣で分け隔てた。 この人ほど真剣に誓いを立てた人がいたかしら? この人ほど誠実に契りを守った人がいたかしら? この人ほど純粋に人を愛した人がいたかしら・・・? それなのに、あらゆる誓い、あらゆる契り、 誠実きわまりない愛を、 この人は誰よりもあざむいた・・・! ねえ、みんな、わかる?どうしてこうなったか? (視線を天に向けて) ああ、あなたたち!永遠の誓いの証人たち! 燃え上がる私の苦悩に目を向け、 永遠に消えない自分達の罪を悟りなさい! 私の嘆きを聴いて。お父さん・・・気高き主神よ! あの人の勇敢な行為は、いかにも お父さんの役に立っているように見えたけど、 実はその通り行動する人を、 あなたと同じ呪いに陥らせるだけだったわ。 ・・・限りなく純粋な人は、 私を裏切らねばならなかった。 私が、一人の女として、 悟った存在になるために! 今の私には分かるでしょうか? お父さんに役立つことが何か・・・? 分かったの・・・すべて。すべて。 今の私は、すべて分かったわ! お父さんがよこしたカラス達の 鳴き声も聞こえている。 あなたが心から待ち望んでいたお便りを あの二羽に託して持ち帰らせるわ。 だからもう・・・休んでいいのよ・・・お父さん・・・神よ! (ブリュンヒルデは、ジークフリートの遺体を薪の山に乗せるように男達に指示すると、ジークフリートの指から指輪を抜き去り、物思いに沈みながら指輪を見つめる) 私への遺産を、今手にしたわ。 呪われた宝!おそろしい指輪!あなたの黄金を 私はこの手に納め、すぐに手放すわ。 水底(みなぞこ)の賢い姉妹たち・・・ ラインに泳ぐ娘たちよ。 率直な忠告をありがとうね。 あなた方が欲しがっていたものを、返してあげる。 私の燃えかすの灰の中から受け取って! 私を燃やす炎は、 指輪の呪いを清めてくれるわ! だから、あなた方は、指輪を水の中で溶かして、 混じり気なしの純金にして保管してね。 不幸にも奪われてしまった黄金を。 (指輪をはめると、ジークフリートの遺体が置かれた薪の山に向き直る。 男たちの一人の手から松明を奪うと、それを振りかざし、舞台後方を指し示す) 飛び帰れ!カラスたち! 飼い主に知らせるのよ。 このライン河のほとりで聞いたことを! ブリュンヒルデの岩山をかすめて行きなさい! そうして、あそこでまだ燃えているローゲに ヴァルハラに向かうよう指示するのよ! だって、神々の終末が今たそがれ始めたのだもの。 そうよ・・・私は火をつけるわ。 ヴァルハラのきらめくお城に。 (火を薪の山に投げ入れると、薪はすぐに赤々と燃えだす。二匹のカラスは、すでに岩山から岸辺沿いに飛び立っていたが、今や舞台後方へと向かって姿を消していく。 ブリュンヒルデは、二人の若者に連れられて来た愛馬を目にすると、喜び勇んで迎えに走り、グラーネを抱きしめると、急いで馬具を外す。その上で、親しみを込めて、顔と体を寄せる) グラーネ!あたしの愛馬! お久しぶり! かわいいお友達!もう知っているの? あなたを連れて行く場所を。 火の中で輝きながら、あの人が横たわっているわ。 ジークフリート・・・私の大切な勇者よ。 友の後を追うのがうれしくって、 そんなにいななくの? あの人のもとへ急げって、にこやかな炎が誘うの? ねえ、私の胸の鼓動も感じて! とっても燃えているの・・・ あかい炎が、私の心臓をとらえて離さないの。 抱きたいのよ、あの人を・・・ そして抱きしめられたいの。 強い愛の力で、ひとつに結ばれたいの! ハイアヨーホー!グラーネ! さあ、あの方にごあいさつよ! ジークフリート!ジークフリート!ねえ、見て! こんなにも幸せに、妻が手を振っているのよ・・・あなたに! (ブリュンヒルデは、ひらりと愛馬にまたがり、ジャンプするよう促すと、グラーネは、ひと飛びで燃え盛る薪の山へと駆り立てられて行く。その瞬間、炎は激しくパチパチとはぜながら高く燃え上がり、大広間の前の全空間に広がり、大広間の建物にさえ引火し始めようとするので、驚き慌てた男女たちは舞台のへりにまで押し寄せていく。 舞台空間全体が炎一色で満たされた時、突然、炎の輝きが消えたかと思うと、すぐに水蒸気の塊が後に取り残されるが、それも舞台後方に遠のいて行くと、水平線上の暗い雲の層となってたなびく。 するとその時、ライン河が物凄い勢いで水かさを増し、岸から溢れ出すと、炎の火元に津波となって押し寄せて来る。その波がしらには三人のラインの娘達が乗っていて、泳いで来ると、ついには火元の上に至る。 一方、ブリュンヒルデが指輪を受け取ってからというもの、彼女の行動を不安を募らせながら見つめていたハーゲンは、ラインの娘達の登場を目にすると、有り得ないほど驚愕する。急いで槍、盾、兜を放り出すと、狂ったように洪水の中に飛び込んでいく) <ハーゲン> 近づくな・・・指輪に! (ヴォークリンデとヴェルグンデは手をハーゲンの首に巻き付け、泳ぎ戻りながら、つかまえたハーゲンを奈落へと引きずり込む。フロスヒルデは、二人よりも先に舞台後方に泳いで行き、手に入れた指輪を、歓声を上げながら頭上高くかかげる。 すると水平線にたなびいていた雲の層から、赤い一条の光線がパッと広がり、次第に輝きを強めていく。この明るさに照らされて見えて来るのは、徐々に本来の川床にまで収まってきていたライン河の穏やかな波の上で、3人のラインの娘達が愉快そうに指輪と戯れながら、輪になって舞い泳ぐ姿である。 崩壊した大広間の建物の瓦礫の中から、男女たちは、無上の感銘を受けつつ、天に現れた炎の輝きが次第に強まっていく光景を眺めている。この輝きがついに最高の明るさに達した時、そこにはヴァルハラの大広間が現れ、第1幕の「ヴァルトラウテの語り」そのままに、神々と勇士達が集まって座っている姿が認められる。 赤い炎は、いまや神々の広間にまで燃え移る勢いである。やがて炎に隠れて神々の姿が完全に見えなくなった時、幕が下りる) DRITTER AUFZUG (Wildes Wald- und Felsental am Rheine, welcher im Hintergrunde an einem steilen Abhange vorbeifliesst ) VORSPIEL UND ERSTE SZENE (Die drei Rheintöchter, Siegfried. Die drei Rheintöchter, Woglinde, Wellgunde und Flosshilde, tauchen aus der Flut auf und schwimmen, wie im Reigentanze, im Kreise umher ) DIE DREI RHEINTÖCHTER (im Schwimmen mässig einhaltend ) Frau Sonne sendet lichte Strahlen; Nacht liegt in der Tiefe einst war sie hell, da heil und hehr des Vaters Gold noch in ihr glänzte. Rheingold! Klares Gold! Wie hell du einstens strahltest, hehrer Stern der Tiefe! (Sie schliessen wieder den Schwimmreigen ) Weialala leia, wallala leialala. (Ferner Hornruf. Sie lauschen. Sie schlagen jauchzend das Wasser ) Frau Sonne, sende uns den Helden, der das Gold uns wiedergäbe! Liess er es uns, dein lichtes Auge neideten dann wir nicht länger. Rheingold! Klares Gold! Wie froh du dann strahltest, freier Stern der Tiefe! (Man hört Siegfrieds Horn von der Höhe her ) WOGLINDE Ich höre sein Horn. WELLGUNDE Der Helde naht. FLOSSHILDE Lasst uns beraten! (Sie tauchen alle drei schnell unter. Siegfried erscheint auf dem Abhange in vollen Waffen ) SIEGFRIED Ein Albe führte mich irr, dass ich die Fährte verlor He, Schelm, in welchem Berge bargst du so schnell mir das Wild? DIE DREI RHEINTÖCHTER (tauchen wieder auf und schwimmen im Reigen ) Siegfried! FLOSSHILDE Was schiltst du so in den Grund? WELLGUNDE Welchem Alben bist du gram? WOGLINDE Hat dich ein Nicker geneckt? ALLE DREI Sag es, Siegfried, sag es uns! SIEGFRIED (sie lächelnd betrachtend ) Entzücktet ihr zu euch den zottigen Gesellen, der mir verschwand? Ist s euer Friedel, euch lustigen Frauen lass ich ihn gern. (Die Mädchen lachen laut auf ) WOGLINDE Siegfried, was gibst du uns, wenn wir das Wild dir gönnen? SIEGFRIED Noch bin ich beutelos; so bittet, was ihr begehrt. WELLGUNDE Ein goldner Ring ragt dir am Finger! DIE DREI RHEINTÖCHTER Den gib uns! SIEGFRIED Einen Riesenwurm erschlug ich um den Reif für eines schlechten Bären Tatzen böt ich ihn nun zum Tausch? WOGLINDE Bist du so karg? WELLGUNDE So geizig beim Kauf? FLOSSHILDE Freigebig solltest Frauen du sein. SIEGFRIED Verzehrt ich an euch mein Gut, des zürnte mir wohl mein Weib. FLOSSHILDE Sie ist wohl schlimm? WELLGUNDE Sie schlägt dich wohl? WOGLINDE Ihre Hand fühlt schon der Held! (Sie lachen unmässig ) SIEGFRIED Nun lacht nur lustig zu! In Harm lass ich euch doch denn giert ihr nach dem Ring, euch Nickern geb ich ihn nie! (Die Rheintöchter haben sich wieder zum Reigen gefasst) FLOSSHILDE So schön! WELLGUNDE So stark! WOGLINDE So gehrenswert! ALLE DREI Wie schade, dass er geizig ist! (Sie lachen und tauchen unter ) SIEGFRIED (tiefer in den Grund hinabsteigend ) Was leid ich doch das karge Lob? Lass ich so mich schmähn? Kämen sie wieder zum Wasserrand, den Ring könnten sie haben. (laut rufend ) He! He, he! Ihr muntren Wasserminnen! Kommt rasch! Ich schenk euch den Ring! (Er hat den Ring vom Finger gezogen und hält ihn in die Höhe. Die drei Rheintöchter tauchen wieder auf. Sie zeigen sich ernst und feierlich ) FLOSSHILDE Behalt ihn, Held, und wahr ihn wohl, bis du das Unheil errätst - WOGLINDE UND WELLGUNDE das in dem Ring du hegst. ALLE DREI Froh fühlst du dich dann, befrein wir dich von dem Fluch. SIEGFRIED (steckt gelassen den Ring wieder an seinen Finger ) So singet, was ihr wisst! DIE RHEINTÖCHTER Siegfried! Siegfried! Siegfried! Schlimmes wissen wir dir. WELLGUNDE Zu deinem Unheil wahrst du den Reif! ALLE DREI Aus des Rheines Gold ist der Reif geglüht. WELLGUNDE Der ihn listig geschmiedet und schmählich verlor - ALLE DREI der verfluchte ihn, in fernster Zeit zu zeugen den Tod dem, der ihn trüg . FLOSSHILDE Wie den Wurm du fälltest - WELLGUNDE UND FLOSSHILDE so fällst auch du - ALLE DREI und heute noch So heissen wir s dir, tauschest den Ring du uns nicht - WELLGUNDE UND FLOSSHILDE im tiefen Rhein ihn zu bergen ALLE DREI Nur seine Flut sühnet den Fluch! SIEGFRIED Ihr listigen Frauen, lasst das sein! Traut ich kaum eurem Schmeicheln, euer Drohen schreckt mich noch minder! DIE DREI RHEINTÖCHTER Siegfried! Siegfried! Wir weisen dich wahr. Weiche, weiche dem Fluch! Ihn flochten nächtlich webende Nornen in des Urgesetzes Seil! SIEGFRIED Mein Schwert zerschwang einen Speer des Urgesetzes ewiges Seil, flochten sie wilde Flüche hinein, Notung zerhaut es den Nornen! Wohl warnte mich einst vor dem Fluch ein Wurm, doch das Fürchten lehrt er mich nicht! (Er betrachtet den Ring ) Der Welt Erbe gewänne mir ein Ring für der Minne Gunst miss ich ihn gern; ich geb ihn euch, gönnt ihr mir Lust. Doch bedroht ihr mir Leben und Leib fasste er nicht eines Fingers Wert, den Reif entringt ihr mir nicht! Denn Leben und Leib, seht - so - werf ich sie weit von mir! (Er hebt eine Erdscholle vom Boden auf, hält sie über seinem Haupte und wirft sie mit den letzten Worten hinter sich ) DIE DREI RHEINTÖCHTER Kommt, Schwestern! Schwindet dem Toren! So weise und stark verwähnt sich der Held, als gebunden und blind er doch ist. (Sie schwimmen, wild aufgeregt, in weiten Schwenkungen dicht an das Ufer heran ) Eide schwur er - und achtet sie nicht. (Wieder heftige Bewegung ) Runen weiss er - und rät sie nicht! FLOSSHILDE, DANN WOGLINDE Ein hehrstes Gut ward ihm vergönnt. ALLE DREI Dass er s verworfen, weiss er nicht; FLOSSHILDE nur den Ring, - WELLGUNDE der zum Tod ihm taugt, - ALLE DREI den Reif nur will er sich wahren! Leb wohl, Siegfried! Ein stolzes Weib wird noch heute dich Argen beerben sie beut uns besseres Gehör Zu ihr! Zu ihr! Zu ihr! (Sie wenden sich schnell zum Reigen, mit welchem sie gemächlich dem Hintergrunde zu fortschwimmen. Siegfried sieht ihnen lächelnd nach, stemmt ein Bein auf ein Felsstück am Ufer und verweilt mit auf der Hand gestütztem Kinne ) ALLE DREI Weialala leia, wallala leialala. SIEGFRIED Im Wasser, wie am Lande lernte nun ich Weiberart wer nicht ihrem Schmeicheln traut, den schrecken sie mit Drohen; wer dem kühnlich trotzt, dem kommt dann ihr Keifen dran. (Die Rheintöchter sind hier gänzlich verschwunden ) Und doch, trüg ich nicht Gutrun Treu, - der zieren Frauen eine hätt ich mir frisch gezähmt! (Er blickt ihnen unverwandt nach ) DIE RHEINTÖCHTER (in grösserer Entfernung ) La, la! (Jagdhornrufe kommen von der Höhe näher ) ZWEITE SZENE Siegfried, Hagen, Gunther, Mannen HAGENS STIMME (von fern ) Hoiho! (Siegfried fährt aus seiner träumerischen Entrücktheit auf und antwortet dem vernommenen Rufe auf seinem Horne ) DIE MANNEN (ausserhalb der Szene ) Hoiho! Hoiho! SIEGFRIED (antwortend ) Hoiho! Hoiho! Hoihe! HAGEN (kommt auf der Höhe hervor. Gunther folgt ihm. Siegfried erblickend ) Finden wir endlich, wohin du flogest? SIEGFRIED Kommt herab! Hier ist s frisch und kühl! (Die Mannen kommen alle auf der Höhe an und steigen nun mit Hagen und Gunther herab ) HAGEN Hier rasten wir und rüsten das Mahl. (Jagdbeute wird zuhauf gelegt ) Lasst ruhn die Beute und bietet die Schläuche! (Trinkhörner und Schläuche werden hervorgeholt, dann lagert sich alles ) Der uns das Wild verscheuchte, nun sollt ihr Wunder hören, was Siegfried sich erjagt. SIEGFRIED (lachend ) Schlimm steht es um mein Mahl von eurer Beute bitte ich für mich. HAGEN Du beutelos? SIEGFRIED Auf Waldjagd zog ich aus, doch Wasserwild zeigte sich nur. War ich dazu recht beraten, drei wilde Wasservögel hätt ich euch wohl gefangen, die dort auf dem Rheine mir sangen, erschlagen würd ich noch heut . (Er lagert sich zwischen Gunther und Hagen. Gunther erschrickt und blickt düster auf Hagen ) HAGEN Das wäre üble Jagd, wenn den Beutelosen selbst ein lauernd Wild erlegte! SIEGFRIED Mich dürstet! HAGEN (indem er für Siegfried ein Trinkhorn füllen lässt und es diesem dann darreicht ) Ich hörte sagen, Siegfried, der Vögel Sangessprache verstündest du wohl so wäre das wahr? SIEGFRIED Seit lange acht ich des Lallens nicht mehr. (Er fasst das Trinkhorn und wendet sich damit zu Gunther. Er trinkt und reicht das Horn Gunther hin ) Trink , Gunther, trink ! Dein Bruder bringt es dir! GUNTHER (gedankenvoll und schwermütig in das Horn blickend, dumpf ) Du mischtest matt und bleich (noch gedämpfter ) dein Blut allein darin! SIEGFRIED (lachend ) So misch ich s mit dem deinen! (Er giesst aus Gunthers Horn in das seine, so dass dieses überläuft ) Nun floss gemischt es über der Mutter Erde lass das ein Labsal sein! GUNTHER (mit einem heftigen Seufzer ) Du überfroher Held! SIEGFRIED (leise zu Hagen ) Ihm macht Brünnhilde Müh? HAGEN (leise zu Siegfried ) Verstünd er sie so gut, wie du der Vögel Sang! SIEGFRIED Seit Frauen ich singen hörte, vergass ich der Vöglein ganz. HAGEN Doch einst vernahmst du sie? SIEGFRIED (sich lebhaft zu Gunther wendend ) Hei! Gunther, grämlicher Mann! Dankst du es mir, so sing ich dir Mären aus meinen jungen Tagen. GUNTHER Die hör ich so gern. (Alle lagern sich nah an Siegfried, welcher allein aufrecht sitzt, während die andern tiefer gestreckt liegen.) HAGEN So singe, Held! SIEGFRIED Mime hiess ein mürrischer Zwerg in des Neides Zwang zog er mich auf, dass einst das Kind, wann kühn es erwuchs, einen Wurm ihm fällt im Wald, der faul dort hütet einen Hort. Er lehrte mich schmieden und Erze schmelzen; doch was der Künstler selber nicht konnt , des Lehrlings Mute musst es gelingen eines zerschlagnen Stahles Stücke neu zu schmieden zum Schwert. Des Vaters Wehr fügt ich mir neu nagelfest schuf ich mir Notung. Tüchtig zum Kampf dünkt er dem Zwerg; der führte mich nun zum Wald dort fällt ich Fafner, den Wurm. Jetzt aber merkt wohl auf die Mär Wunder muss ich euch melden. Von des Wurmes Blut mir brannten die Finger; sie führt ich kühlend zum Mund kaum netzt ein wenig die Zunge das Nass, - was da die Vöglein sangen, das konnt ich flugs verstehn. Auf den Ästen sass es und sang "Hei! Siegfried gehört nun der Niblungen Hort! Oh! Fänd in der Höhle den Hort er jetzt! Wollt er den Tarnhelm gewinnen, der taugt ihm zu wonniger Tat! Doch möcht er den Ring sich erraten, der macht ihn zum Walter der Welt!" HAGEN Ring und Tarnhelm trugst du nun fort? DIE MANNEN Das Vöglein hörtest du wieder? SIEGFRIED Ring und Tarnhelm hatt ich gerafft da lauscht ich wieder dem wonnigen Laller; der sass im Wipfel und sang "Hei, Siegfried gehört nun der Helm und der Ring. O traute er Mime, dem Treulosen, nicht! Ihm sollt er den Hort nur erheben; nun lauert er listig am Weg nach dem Leben trachtet er Siegfried. Oh, traute Siegfried nicht Mime!" HAGEN Es mahnte dich gut? VIER MANNEN Vergaltest du Mime? SIEGFRIED Mit tödlichem Tranke trat er zu mir; bang und stotternd gestand er mir Böses Notung streckte den Strolch! HAGEN (grell lachend ) Was er nicht geschmiedet, schmeckte doch Mime! ZWEI MANNEN (nacheinander ) Was wies das Vöglein dich wieder? HAGEN (lässt ein Trinkhorn neu füllen und träufelt den Saft eines Krautes hinein ) Trink erst, Held, aus meinem Horn ich würzte dir holden Trank, die Erinnerung hell dir zu wecken, (er reicht Siegfried das Horn) dass Fernes nicht dir entfalle! SIEGFRIED (blickt gedankenvoll in das Horn und trinkt dann langsam ) In Leid zu dem Wipfel lauscht ich hinauf; da sass es noch und sang "Hei, Siegfried erschlug nun den schlimmen Zwerg! Jetzt wüsst ich ihm noch das herrlichste Weib. Auf hohem Felsen sie schläft, Feuer umbrennt ihren Saal; durchschritt er die Brunst, weckt er die Braut - Brünnhilde wäre dann sein!" HAGEN Und folgtest du des Vögleins Rate? SIEGFRIED Rasch ohne Zögern zog ich nun aus, (Gunther hört mit wachsendem Erstaunen zu ) bis den feurigen Fels ich traf die Lohe durchschritt ich und fand zum Lohn - (in immer grössere Verzückung geratend ) schlafend ein wonniges Weib in lichter Waffen Gewand. Den Helm löst ich der herrlichen Maid; mein Kuss erweckte sie kühn oh, wie mich brünstig da umschlang der schönen Brünnhilde Arm! GUNTHER (in höchstem Schrecken aufspringend ) Was hör ich! (Zwei Raben fliegen aus einem Busche auf, kreisen über Siegfried und fliegen dann, dem Rheine zu, davon ) HAGEN Errätst du auch dieser Raben Geraun ? (Siegfried fährt heftig auf und blickt, Hagen den Rücken zukehrend, den Raben nach,) HAGEN Rache rieten sie mir! (Er stösst seinen Speer in Siegfrieds Rücken Gunther fällt ihm - zu spät - in den Arm. Siegfried schwingt mit beiden Händen seinen Schild hoch empor, um Hagen damit zu zerschmettern die Kraft verlässt ihn, der Schild entsinkt ihm rückwärts; er selbst stürzt krachend über dem Schilde zusammen ) VIER MANNEN (welche vergebens Hagen zurückzuhalten versucht ) Hagen! Was tust du? ZWEI ANDERE Was tatest du? GUNTHER Hagen, was tatest du? HAGEN (auf den zu Boden Gestreckten deutend ) Meineid rächt ich! (Er wendet sich ruhig zur Seite ab und verliert sich dann einsam über die Höhe, wo man ihn langsam durch die bereits mit der Erscheinung der Raben eingebrochenen Dämmerung von dannen schreiten sieht. Gunther beugt sich schmerzergriffen zu Siegfrieds Seite nieder. Die Mannen umstehen teilnahmsvoll den Sterbenden ) SIEGFRIED (von zwei Mannen sitzend erhalten, schlägt die Augen glanzvoll auf ) Brünnhilde! Heilige Braut! Wach auf! Öffne dein Auge! Wer verschloss dich wieder in Schlaf? Wer band dich in Schlummer so bang? Der Wecker kam; er küsst dich wach, und aber - der Braut bricht er die Bande da lacht ihm Brünnhildes Lust! - Ach! Dieses Auge, ewig nun offen! Ach, dieses Atems wonniges Wehen! Süsses Vergehen - seliges Grauen Brünnhild bietet mir - Gruss! (Er sinkt zurück und stirbt. Regungslose Trauer der Umstehenden. Die Nacht ist hereingebrochen. Auf die stumme Ermahnung Gunthers erheben die Mannen Siegfrieds Leiche und geleiten mit dem Folgenden sie in feierlichem Zuge über die Felsenhöhe langsam von dannen. Gunther folgt der Leiche zunächst ) ORCHESTERZWISCHENSPIEL (Trauermusik beim Tode Siegfrieds. Der Mond bricht durch die Wolken hervor und beleuchtet immer heller den die Berghöhe erreichenden Trauerzug. Dann steigen Nebel aus dem Rheine auf und erfüllen allmählich die ganze Bühne, auf welcher der Trauerzug bereits unsichtbar geworden ist, bis nach vorne, so dass diese während des Zwischenspiels gänzlich verhüllt bleibt. Als sich die Nebel wieder verteilen, tritt die Halle der Gibichungen, wie im ersten Aufzuge, immer erkennbarer hervor ) DRITTE SZENE (Die Halle der Gibichungen. Gutrune, Hagen, Gunther, Brünnhilde. ) (Es ist Nacht. Mondschein spiegelt sich auf dem Rheine. Gutrune tritt aus ihrem Gemache in die Halle hinaus ) GUTRUNE War das sein Horn? (Sie lauscht ) Nein! - Noch kehrt er nicht heim. - Schlimme Träume störten mir den Schlaf! Wild wieherte sein Ross; Lachen Brünnhildes weckte mich auf. Wer war das Weib, das ich zum Ufer schreiten sah? Ich fürchte Brünnhild ! Ist sie daheim? (Sie lauscht an der Tür rechts und ruft dann leise ) Brünnhild ! Brünnhild ! Bist du wach? (Sie öffnet schüchtern und blickt in das innere Gemach ) Leer das Gemach. So war es sie, die ich zum Rheine schreiten sah! (Sie erschrickt und lauscht nach der Ferne ) War das sein Horn? Nein! - Öd alles! Säh ich Siegfried nur bald! (Sie will sich wieder ihrem Gemache zuwenden als sie jedoch Hagens Stimme vernimmt, hält sie an und bleibt, von Furcht gefesselt, eine Zeitlang unbeweglich stehen ) HAGENS STIMME (von aussen sich nähernd ) Hoiho! Hoiho! Wacht auf! Wacht auf! Lichte! Lichte! Helle Brände! Jagdbeute bringen wir heim. Hoiho! Hoiho! (Licht und wachsender Feuerschein von aussen ) HAGEN (tritt in die Halle ) Auf, Gutrun ! Begrüsse Siegfried! Der starke Held, er kehret heim! GUTRUNE (im grosser Angst ) Was geschah? Hagen! Nicht hört ich sein Horn! (Männer und Frauen, mit Lichtern und Feuerbränden, geleiten den Zug der mit Siegfrieds Leiche Heimkehrenden, unter denen Gunther ) HAGEN Der bleiche Held, nicht bläst er es mehr; nicht stürmt er zur Jagd, zum Streite nicht mehr, noch wirbt er um wonnige Frauen. GUTRUNE (mit wachsendem Entsetzen ) Was bringen die? (Der Zug gelangt in die Mitte der Halle, und die Mannen setzen dort die Leiche auf einer schnell errichteten Erhöhung nieder ) HAGEN Eines wilden Ebers Beute Siegfried, deinen toten Mann. (Gutrune schreit auf und stürzt über die Leiche hin. Allgemeine Erschütterung und Trauer ) GUNTHER (bemüht sich um die Ohnmächtige ) Gutrun ! Holde Schwester, hebe dein Auge, schweige mir nicht! GUTRUNE (wieder zu sich kommend ) Siegfried - Siegfried erschlagen! (Sie stösst Gunther heftig zurück ) Fort, treuloser Bruder, du Mörder meines Mannes! O Hilfe! Hilfe! Wehe! Wehe! Sie haben Siegfried erschlagen! GUNTHER Nicht klage wider mich! Dort klage wider Hagen. Er ist der verfluchte Eber, der diesen Edlen zerfleischt . HAGEN Bist du mir gram darum? GUNTHER Angst und Unheil greife dich immer! HAGEN (mit furchtbarem Trotze herantretend ) Ja denn! Ich hab ihn erschlagen! Ich - Hagen - schlug ihn zu Tod. Meinem Speer war er gespart, bei dem er Meineid sprach. Heiliges Beuterecht hab ich mir nun errungen drum fordr ich hier diesen Ring. GUNTHER Zurück! Was mir verfiel, sollst nimmer du empfahn. HAGEN Ihr Mannen, richtet mein Recht! GUNTHER Rührst du an Gutrunes Erbe, schamloser Albensohn? HAGEN (sein Schwert ziehend ) Des Alben Erbe fordert so sein Sohn! (Er dringt auf Gunther ein, dieser wehrt sich; sie fechten. Die Mannen werfen sich dazwischen. Gunther fällt von einem Streiche Hagens danieder ) Her den Ring! (Er greift nach Siegfrieds Hand; diese hebt sich drohend empor. Gutrune und die Frauen schreien entsetzt laut auf. Alles bleibt in Schauder regungslos gefesselt. Vom Hintergrunde her schreitet Brünnhilde fest und feierlich dem Vordergrunde zu ) BRÜNNHILDE (noch im Hintergrunde ) Schweigt eures Jammers jauchzenden Schwall! Das ihr alle verrietet, zur Rache schreitet sein Weib. (Sie schreitet ruhig weiter vor ) Kinder hört ich greinen nach der Mutter, da süsse Milch sie verschüttet doch nicht erklang mir würdige Klage, des hehrsten Helden wert. GUTRUNE (vom Boden heftig sich aufrichtend ) Brünnhilde! Neiderboste! Du brachtest uns diese Not die du die Männer ihm verhetztest, weh, dass du dem Haus genaht! BRÜNNHILDE Armselige, schweig ! Sein Eheweib warst du nie, als Buhlerin bandest du ihn. Sein Mannesgemahl bin ich, der ewige Eide er schwur, eh Siegfried je dich ersah. GUTRUNE (in jähe Verzweiflung ausbrechend ) Verfluchter Hagen! Dass du das Gift mir rietest, das ihr den Gatten entrückt! Ach, Jammer! Wie jäh nun weiss ich s, Brünnhilde war die Traute, die durch den Trank er vergass! - (Sie wendet sich voll Scheu von Siegfried ab und beugt sich, im Schmerz aufgelöst, über Gunthers Leiche; so verbleibt sie regungslos bis zum Ende. Hagen steht, trotzig auf Speer und Schild gelehnt, in finsteres Sinnen versunken, auf der entgegengesetzten Seite ) BRÜNNHILDE (allein in der Mitte; nachdem sie lange, zuerst mit tiefer Erschütterung, dann mit fast überwältigender Wehmut das Angesicht Siegfrieds betrachtet, wendet sie sich mit feierlicher Erhebung an die Männer und Frauen. Zu den Mannen ) Starke Scheite schichtet mir dort am Rande des Rheins zuhauf! Hoch und hell lodre die Glut, die den edlen Leib des hehrsten Helden verzehrt. Sein Ross führet daher, dass mit mir dem Recken es folge denn des Helden heiligste Ehre zu teilen, verlangt mein eigener Leib. Vollbringt Brünnhildes Wunsch! (Die jüngeren Männer errichten während des Folgenden vor der Halle nahe am Rheinufer einen mächtigen Scheiterhaufen, Frauen schmücken ihn mit Decken, auf die sie Kräuter und Blumen streuen ) BRÜNNHILDE (versinkt von neuem in die Betrachtung des Antlitzes der Leiche Siegfrieds. Ihre Mienen nehmen eine immer sanftere Verklärung an ) Wie Sonne lauter strahlt mir sein Licht der Reinste war er, der mich verriet! Die Gattin trügend, - treu dem Freunde, - von der eignen Trauten - einzig ihm teuer - schied er sich durch sein Schwert. Echter als er schwur keiner Eide; treuer als er hielt keiner Verträge; lautrer als er liebte kein andrer und doch, alle Eide, alle Verträge, die treueste Liebe trog keiner wie er! - Wisst ihr, wie das ward? (nach oben blickend ) O ihr, der Eide ewige Hüter! Lenkt euren Blick auf mein blühendes Leid erschaut eure ewige Schuld! Meine Klage hör , du hehrster Gott! Durch seine tapferste Tat, dir so tauglich erwünscht, weihtest du den, der sie gewirkt, dem Fluche, dem du verfielest mich musste der Reinste verraten, dass wissend würde ein Weib! Weiss ich nun, was dir frommt? - Alles, alles, alles weiss ich, alles ward mir nun frei! Auch deine Raben hör ich rauschen; mit bang ersehnter Botschaft send ich die beiden nun heim. Ruhe, ruhe, du Gott! - (Sie winkt den Mannen, Siegfrieds Leiche auf den Scheiterhaufen zu tragen; zugleich zieht sie von Siegfrieds Finger den Ring ab und betrachtet ihn sinnend ) Mein Erbe nun nehm ich zu eigen. Verfluchter Reif! Furchtbarer Ring! Dein Gold fass ich und geb es nun fort. Der Wassertiefe weise Schwestern, des Rheines schwimmende Töchter, euch dank ich redlichen Rat. Was ihr begehrt, ich geb es euch aus meiner Asche nehmt es zu eigen! Das Feuer, das mich verbrennt, rein ge vom Fluche den Ring! Ihr in der Flut löset ihn auf, und lauter bewahrt das lichte Gold, das euch zum Unheil geraubt. (Sie hat sich den Ring angesteckt und wendet sich jetzt zu dem Scheiterhaufen, auf welchem Siegfrieds Leiche ausgestreckt liegt. Sie entreisst einem Manne den mächtigen Feuerbrand, schwingt diesen und deutet nach dem Hintergrunde ) Fliegt heim, ihr Raben! Raunt es eurem Herren, was hier am Rhein ihr gehört! An Brünnhildes Felsen fahrt vorbei! - Der dort noch lodert, weiset Loge nach Walhall! Denn der Götter Ende dämmert nun auf. So - werf ich den Brand in Walhalls prangende Burg. (Sie schleudert den Brand in den Holzstoss, der sich schnell hell entzündet. Zwei Raben sind vom Felsen am Ufer aufgeflogen und verschwinden nach den Hintergrunde zu. Brünnhilde gewahrt ihr Ross, welches zwei junge Männer hereinführen. Sie ist ihm entgegengesprungen, fasst es und entzäumt es schnell; dann neigt sie sich traulich zu ihm ) Grane, mein Ross! Sei mir gegrüsst! Weisst du auch, mein Freund, wohin ich dich führe? Im Feuer leuchtend, liegt dort dein Herr, Siegfried, mein seliger Held. Dem Freunde zu folgen, wieherst du freudig? Lockt dich zu ihm die lachende Lohe? Fühl meine Brust auch, wie sie entbrennt; helles Feuer das Herz mir erfasst, ihn zu umschlingen, umschlossen von ihm, in mächtigster Minne vermählt ihm zu sein! Heiajoho! Grane! Grüss deinen Herren! Siegfried! Siegfried! Sieh! Selig grüsst dich dein Weib! (Sie hat sich auf das Ross geschwungen und hebt es jetzt zum Sprunge. Sie sprengt es mit einem Satze in den brennenden Scheiterhaufen. Sogleich steigt prasselnd der Brand hoch auf, so dass das Feuer den ganzen Raum vor der Halle erfüllt und diese selbst schon zu ergreifen scheint. Entsetzt drängen sich Männer und Frauen nach dem äussersten Vordergrunde. Als der ganze Bühnenraum nur noch von Feuer erfüllt erscheint, verlischt plötzlich der Glutschein, so dass bald bloss ein Dampfgewölk zurückbleibt, welches sich dem Hintergrunde zu verzieht und dort am Horizont sich als finstere Wolkenschicht lagert. Zugleich ist vom Ufer her der Rhein mächtig angeschwollen und hat seine Flut über die Brandstätte gewälzt. Auf den Wogen sind die drei Rheintöchter herbeigeschwommen und erscheinen jetzt über der Brandstätte. Hagen, der seit dem Vorgange mit dem Ringe Brünnhildes Benehmen mit wachsender Angst beobachtet hat, gerät beim Anblick der Rheintöchter in höchsten Schreck. Er wirft hastig Speer, Schild und Helm von sich und stürzt wie wahnsinnig sich in die Flut ) HAGEN Zurück vom Ring! (Woglinde und Wellgunde umschlingen mit ihren Armen seinen Nacken und ziehen ihn so, zurückschwimmend, mit sich in die Tiefe. Flosshilde, den anderen voran dem Hintergrunde zuschwimmend, hält jubelnd den gewonnenen Ring in die Höhe. Durch die Wolkenschicht, welche sich am Horizont gelagert, bricht ein rötlicher Glutschein mit wachsender Helligkeit aus. Von dieser Helligkeit beleuchtet, sieht man die drei Rheintöchter auf den ruhigeren Wellen des allmählich wieder in sein Bett zurückgetretenen Rheines, lustig mit dem Ringe spielend, im Reigen schwimmen. Aus den Trümmern der zusammengestürzten Halle sehen die Männer und Frauen in höchster Ergriffenheit dem wachsenden Feuerschein am Himmel zu. Als dieser endlich in lichtester Helligkeit leuchtet, erblickt man darin den Saal Walhalls, in welchem die Götter und Helden, ganz nach der Schilderung Waltrautes im ersten Aufzuge, versammelt sitzen. Helle Flammen scheinen in dem Saal der Götter aufzuschlagen. Als die Götter von den Flammen gänzlich verhüllt sind, fällt der Vorhang ) この日本語テキストは、 クリエイティブ・コモンズ・ライセンス の下でライセンスされています。@wagnerianchan Wagner,Richard/Götterdämmerung
https://w.atwiki.jp/aesthetica/pages/131.html
Bibliothek der schönen Wissenschaften und freien Künste Hrsg. F. Nicolai, M. Mendelssohn; ab Bd. 5 C.F. Weisse, Leipzig, Bd. 1.1757-12.1765. http //www.ub.uni-bielefeld.de/diglib/aufkl/bibschoewiss/index.htm 5.Bd., 1759 Winckelmann, "Erinnerung über die Betrachtung der Werke der Kunst", pp. 1-13. "Réflexions sur les ouvrages de l art", Journal Étranger, 1760(Avril), pp. 48-. 本文では "Bibliothéque des belles-lettres et des beaux-arts". Winckelmann, "Von der Grazie in Werken der Kunst", pp. 13-23. "Réflexions sur la Grace dans les Ouvrages de l Art, d après M. l Abbé Winckelmann (éxtrait)", par François Arnaud, Journal Étranger, Juillet, 1760. ********************************
https://w.atwiki.jp/oper/pages/200.html
第2幕 (岸辺。ギービヒ家の広間の前。舞台右手には、広間への入口が開けっぱなしになっている。舞台左手ははライン河の岸辺。いくつかの山道が走る岩だらけの丘が、そこから舞台を横切り、上り坂となって舞台右手後方に向かっている。その丘には、フリッカに捧げられる生贄用の聖石が見える。更に高い場所に、ヴォータンに捧げられた一回り大きな石があり、その傍にはドンナーを祀った同じ大きさの石が置かれている。夜。) 前奏曲と第1場 ハーゲン、アルベリヒ (ハーゲンは槍を腕にはさみ、盾を体の脇に置き、広間の柱にもたれて座りながら眠っている。突然、月がぎらりとハーゲンとその周囲を照らし出すと、ハーゲンの前にうずくまるアルベリヒが、ハーゲンの膝に両腕をもたせかけているのが見える) <アルベリヒ> (ささやき声で) 寝ているのか?我が息子ハーゲンよ。 寝ていて俺の声が聞こえないというのか? 俺は、とうに休息にも睡眠にも見離されたというのに。 <ハーゲン> (目を開きながら、微動だにもしない。そのため眠ったままのように見える。小声で) 聞こえているぞ・・・悪い小びとめ! 俺が寝ているから、どうしたと言うのだ? <アルベリヒ> 忘れるな! お前の持てる力を。 お前は勇敢な男だ。 お前の母が、お前をそのように産んだのだ! <ハーゲン> (これまで同様、小声で) 俺に勇敢さをくれたからと言って、 母に感謝する気になどなれるものか。 母はお前の悪巧みに屈したのだからな・・・ 若くして老け、蒼白い顔をした俺は、 陽気な奴らを憎んでいる。 俺自身が陽気になることは決してない! <アルベリヒ> (前と同じように、ささやく) ハーゲン!我が息子よ!陽気な奴らを憎むがいい! 歓びに見捨てられ、苦悩を背負ったこの俺を、 お前は、愛するべくして愛しているのだ! お前は強く、勇敢で、頭も良い・・・ 俺達は闇の戦いを戦っているが、 俺達の嫉みの力は、すでに奴らを追いつめている。 俺から指輪を奪い取った奴・・・ あの盗っ人猛々しいヴォータンは、 自分の一族から出た男に打ち倒された。 あのヴェルズングの若造に敗北して、権力と支配権とを手放したのだ。 今や、奴は、神々の一族もろとも、 不安に脅えて、終末の日を予感しているのだ。 こうなれば、あいつなど、もう怖れるに足りん・・・ 一族もろとも死ぬがいいさ! 寝ているのか?ハーゲン、お前は? <ハーゲン> (前と全く変わらぬ様子で) すると誰が、不死の神々の権力を引き継ぐのだ? <アルベリヒ> 俺と…お前だ!俺達が、この世界の支配権を引き継ぐのだ。 お前の忠誠心を見抜く俺の目に狂いがなければ、 お前こそ、俺の怒りと悲しみを分かち持った男だ。 あのヴェルズングの若造は、ヴォータンの槍を砕き、 龍のファフナーを戦って打ち殺し、 小僧のくせに指輪を手に入れやがった。 今や、あらゆる力を手にし、 ヴァルハラもニーベルハイムも、あいつに従っている。 (相変わらず、ひそやかな声で) あの勇者は、恐怖というものを知らないので、 俺がかけた呪いさえも通用しない。 指輪の価値に気が付かないものだから、 人もうらやむ権力を、全く活用していないのだ。 ただ笑って愛に燃えながら、 あいつは、自分の命を燃やし尽くそうとしている。 そんなあいつを破滅させることが、今の俺たちには唯一役立つのだ! 寝ているのか?ハーゲン、お前は? <ハーゲン> (前と同じように) すでにあいつは破滅へと向かっている…俺が仕組んだ通りにな。 <アルベリヒ> 肝心なのは、あの黄金の指輪・・・ あの宝を手に入れることだ! ヴェルズングへの愛一筋に生きる知恵深い女がいる。 もしもあの女に、 昔、水底で俺を誘惑したラインの娘たちが助言を与え、 指輪を返すように頼めば、 もはやあの黄金は失われ、 いかなる謀略をもってしても、二度と手の届かないものとなる。だから、ひと時たりとも気を抜かず、あの宝を狙うのだ! 俺は、お前を豪胆な男として生んだから、 いかなる勇者たちとも互角に渡り合えるはずだ。 もっとも龍を退治できるほど強くはないぞ。 それはヴェルズングにのみ定められた力なのだから。 しかし俺は、飽くことなき憎しみを抱く男として、お前ハーゲンを育てたのだ。その目的とは、お前が俺の仇を討つことだ! お前がいずれ指輪を手に入れ、 ヴェルズングとヴォータンとを嘲り笑うことだ! そうすると誓うな?ハーゲン、我が息子よ? (この時から、濃い影が次第にアルベリヒの姿を覆い隠していく。同時に、夜明けの薄明りが射して来る) <ハーゲン> (相変わらず同じ様子で) 俺のものさ、指輪は・・・ だから安心して待っていろ! <アルベリヒ> 誓うな?ハーゲン・・・我が勇者よ? <ハーゲン> 自分自身に対して、俺は誓うのだ。 心配は無用だ! <アルベリヒ> (アルベリヒは、姿が見えなくなるに連れて、次第に声も聞き取れなくなっていく) 忠実にやるのだ・・・ハーゲン、我が息子よ! 愛する勇者よ!・・・忠実にな! 忠実に!・・・忠実に! (アルベリヒの姿は完全に消えてしまう。ハーゲンは全く姿勢を変えないまま、身動き一つしないで、曙光の広がり始めたライン河にじっと目をこらしている) 第2場 ジークフリート、ハーゲン、グートルーネ (ライン河は、燃えるような暁の光を受けて、次第に明るく色づいていく。ハーゲンがピクッと動くと、突然ジークフリートが岸辺のすぐ近くの藪の後ろに姿を見せる。彼は、変身していない元のままの姿で、頭に隠れ頭巾だけをかぶっている。藪の中から進み出てくると、頭巾を取り、ベルトにかける) <ジークフリート> おーい、ハーゲン!お疲れのようだな! ぼくの来るのが見えたかい? <ハーゲン> (ゆっくりと立ち上がりながら) おお、ジークフリートか? なんと素早い勇者だ? どこから飛び出してきたんだ? <ジークフリート> ブリュンヒルデの岩山からさ! そこでぐっと息を吸い込み、 その息で、今あなたに呼びかけたんだ・・・ それほど、ぼくの旅は速かった! あの夫婦は、もっとゆっくり来るはずさ。 ぼくの後から、船に乗って来る! <ハーゲン> ならば、ブリュンヒルデをものにしたのだな? <ジークフリート> グートルーネは起きているのか? <ハーゲン> (大広間に向かって呼びかけながら) おおい、グートルーネ!出て来い! ジークフリートが来たぞ。 中で何をしてるんだ? <ジークフリート> (大広間に向き直って) あなた達二人に教えてあげよう。 ぼくがどうやってブリュンヒルデを連れて来たかを。 (グートルーネが大広間からこちらにやって来る) <ジークフリート> お帰りなさいと言っておくれ・・・ ギービヒの娘さん! 君に良い報せをもたらす使者のぼくに。 <グートルーネ> 全ての女性の名において、フライアの祝福をあなたに! <ジークフリート> 幸せなぼくに、心を開き、優しくしておくれ・・・ ぼくは今日、君を妻として手に入れたのだから。 <グートルーネ> ということは、ブリュンヒルデは、お兄さんに従っているわけね? <ジークフリート> あの女性は、やすやすと君の兄上と結婚したよ。 <グートルーネ> お兄さんは、炎に焼かれたりしなかった? <ジークフリート> 兄上だって焼かれはしなかったろうが、 ぼくが代わりに、炎を掻き分けた。 君を手に入れたい一心でね。 <グートルーネ> でも、あなたは大丈夫だったんでしょう? <ジークフリート> あんな焔のくすぶり、ぼくには楽しいぐらいさ。 <グートルーネ> ブリュンヒルデは、あなたのことをグンターだと思ったかしら? <ジークフリート> 髪の毛一本までそっくりだったよ。 これも隠れ頭巾のおかげだ。 ハーゲンが教えてくれた通りだった。 <ハーゲン> それは良い助言をしたものだ。 <グートルーネ> ならば、あの強い女性を、あなたは無理やり従わせたの? <ジークフリート> あの女性は・・・グンターの力に屈したんだ。 <グートルーネ> でも、結ばれたのは、あなたとでしょう? <ジークフリート> ブリュンヒルデは、夫に従っていたんだよ。 新婚の夜じゅう、ずっと。 <グートルーネ> でも、その夫とは、あなたでしょう? <ジークフリート> ジークフリートは、グートルーネの傍にいたんだ。 <グートルーネ> 横にいたのは、ブリュンヒルデだったはずよ? <ジークフリート> (自らの剣を指差しながら) 東と西の間に、北があるように・・・ どんなに近くても・・・ブリュンヒルデは離れていた。 <グートルーネ> じゃあ、グンターは、 どうやってあなたから彼女を手に入れたの? <ジークフリート> あの女性は、消え行く炎を通り抜け、ぼくに連れられて、 朝もやの中、谷へと降りて来た。 岸に近付いたところで、ぼくは素早く グンターと入れ替わった・・・。 ぼくは、隠れ頭巾に念じて、 急いで、こちらへとやって来た。 今頃、強い風にあおられて、あの夫婦も、 ライン河をこちらへ向かっているはずさ。 さあ、歓迎の準備を整えよう! <グートルーネ> ジークフリート!何て強い人なの! あなたのせいで、あたし、何だか怖いわ! <ハーゲン> (後方の丘の上から川を見下ろしながら) 遠くに帆が見えてきたぞ。 <ジークフリート> 使者として来たぼくに、礼を言ってくれ! <グートルーネ> さあ、あの女性を優しくお迎えして、 快適に、楽しく、 ここで暮らしてもらいましょう! ねえ、ハーゲン、 穏やかに男達を呼び集めてちょうだい・・・ ギービヒ家の屋敷に集まるようにと! ご婦人方を祝宴に招くのは、このあたし・・・ 幸せそうなあたし達に、みな喜んでついて来るわよ。 (大広間へと歩いて行くが、もう一度振り返る) 一休みするおつもり?わるい勇者さん? <ジークフリート> 君の手伝いをすることが、一番の骨休めさ。 (グートルーネに手を差しのべ、二人で大広間へと行ってしまう) 第3場 (ハーゲンと男たち) <ハーゲン> (舞台後方の丘にある大きな岩の天辺に登り、雄牛の角で作った「シュティーアホルン」を口に当てて、領地に向けて吹く) ホイホー!ホイホホホー! ギービヒの者どもよ。武装せよ! 変事だぞ!変事だ!武器をもて!武器を! 国じゅうから武器を!良い武器を! 強力な武器を!鋭利な武器を! 危機だぞ!危機だ!大変だ!大変だ! ホイホー!ホイホホホー! (ハーゲンはずっと同じ丘の上に居続け、再びホルンを吹くと、領地の所々から軍隊用ホルンがその呼びかけに答える。武装した男達が、坂道という坂道を、大急ぎであわてて、やって来る。初めはばらばらとだが、どんどん寄り集まって来て、しまいに大広間の前の岸辺は人でごった返す) <男たち> (はじめは少しずつだが、続々と新手が出て来て) なぜホルンを鳴らす? なぜ兵を集める? 武装してきたぞ。 武器を持って来たぞ! ハーゲン!ハーゲン! ホイホー!ホイホー! どんな危機なんだ? どんな敵が来るんだ? 戦をふっかける奴は誰だ? グンターの危機か? 武装してきたぞ。 鋭利な武器を持っているぞ。 ホイホー!ホー!ハーゲン! <ハーゲン> (ずっと丘の上から見下ろしながら) 戦備を整え、休息してはならん。 グンターを迎えるのだ。 妻をめとったグンターを。 <男たち> グンターに危機が迫っているのか? 迫っているのか・・・敵が? <ハーゲン> グンターは、最高の妻を連れ帰るぞ。 <男たち> それで敵の一族に追いかけられているのか? <ハーゲン> 一人きりの船旅だ・・・追っ手は来ていない。 <男たち> ならば危機に打ち勝ったのか? 戦いに勝ったのか? 教えてくれ! <ハーゲン> 危機から守ったのは、龍殺しの勇者ジークフリート。 おかげでグンターは傷一つない! <一人の男> ならば、この軍勢は何のためだ? <別の十人の男たち> 一体、何のためだ? <ハーゲン> 雄牛どもをほふるがいい。 生贄用の聖石の上で、ヴォータンにその血を捧げるのだ! <一人の男> なにっ?ハーゲンよ!それからどうすりゃいいんだ? <八人の男たち> それからどうすれば? <別の四人の男たち> どうすれば? <男たち全員> それからどうすれば? <ハーゲン> イノシシを一匹殺せ!フローのためにな! 太ったヤギも刺し殺せ!ドンナーのために! 羊どももほふるのだ!もちろんフリッカのためだ! この結婚をフリッカが寿(ことほ)ぐためにだ! <男たち> (わきあがる陽気さを少しずつ放出しながら) 獣どもを殺したら、 そしたらどうすりゃいいんだ? <ハーゲン> 盃を取れ! 優しい女たちが 祝いの食前酒とワインを注いでくれるから! <男たち> 盃を手にしたら、 俺たちゃ、どうすりゃいいんだ? <ハーゲン> したたかに飲むんだ!酔っ払ってぐったりするまで! それもこれも、素晴らしい結婚となることを 神々に祈るためだ! <男たち> (辺りに響き渡るほど大爆笑しながら) 最高の幸せが、このラインの地に微笑むぞ。 あの怖いハーゲンが、こんなに陽気なんだから! もうバラのトゲだって人を刺すものか! トゲより怖いハーゲンが、結婚式の案内人なんだから! <ハーゲン> (ハーゲンは、相変わらず真剣きわまりない様子で丘を下って来ていたが、今ようやく男達の真ん中に立ち) お前ら!もう笑うんじゃない! グンターの花嫁を迎えるのだ! ブリュンヒルデが、もうそこまで来ているぞ。 (ハーゲンがライン河を指さすと、男達の一隊は丘に駆けあがる。もう一隊は岸辺に立ち並び、小舟で近付いて来る二人を眺めやる) (ハーゲンは、数人の男達に近寄る) あの姫君に尽くし、 誠実にお守りせよ・・・ 誰かが、あの方の心を傷つけようものなら、 すぐに報復するのだ! (ゆっくりと顔を舞台後方に向ける。続く合唱の間に、グンターとブリュンヒルデを乗せた小舟はライン河を近付いて来る) <男たち> (丘の上から眺めていた男達は岸辺に下りて行く) ばんざい!ばんざい! ようこそ!ようこそ! (数名の男達が川に飛び込んで小舟を岸に引き揚げる。すると全員が、岸辺をびっしりと取り巻く) おかえり!グンター! ばんざい!ばんざい! 第4場 (グンター、ジークフリート、ブリュンヒルデ、ハーゲン、グートルーネ、男たち、女たち。ブリュンヒルデとグンターは小舟から降りる。男達は出迎えのため、うやうやしく整列し、続く音楽の間、グンターはブリュンヒルデの手を取り、重々しい様子で彼女を導く) <男たち> ばんざい!グンター! ばんざい!花嫁と一緒だ! お帰りなさい!ようこそ!ようこそ! (武器を割れんばかりに打ち鳴らす) <グンター> (顔面蒼白のまま目を落としているブリュンヒルデを男達に披露しながら) この上なく気高き妻、ブリュンヒルデを 私は、皆の待つラインの地に連れて帰った。 これほど高貴な女性を得た者がいるだろうか。 神々は、ギービヒ一族を ことのほかお気に入りのようだ。 さあ、我が家名を世に冠たるものにしよう! <男たち> (重々しく武具を打ち鳴らしながら) ばんざい!ばんざい! 幸運なギービヒ家の王! (グンターは、全く顔を上げようとしないブリュンヒルデを建物内の広間に導こうとするが、ちょうどそこからジークフリートとグートルーネが、女達に付き添われて歩み出て来る) <グンター> (広間の前に立ち止まり) ようこそ。わが勇者よ。 ようこそ。かわいい妹よ。 妹であるあなたの姿を、あなたを妻に迎えた勇者の傍に 見ることができるとは、何とも愉快だ。 幸せな夫婦が二組も、 この場に輝いている・・・ (ブリュンヒルデを近くに引き寄せながら) ブリュンヒルデにはグンター! グートルーネにはジークフリート! (ブリュンヒルデは驚いてパッと目を上げ、ジークフリートの姿を認めると、凍りついたような眼差しをじっと彼に向ける。思わずブリュンヒルデの激しく痙攣させた手を放してしまったグンターは、他の者達と同じように、ブリュンヒルデの様子を当惑しつつ、じっと見つめる) <男たち> お妃は、どうしたんだ?正気なのか? (ブリュンヒルデは、わななき始める) <ジークフリート> (落ち着いて二三歩ブリュンヒルデの方へ進むと) ブリュンヒルデよ・・・どこを見ているのです? <ブリュンヒルデ> (自分を抑えられなくなりながら) ジークフリートが・・・ここに!グートルーネ・・・? <ジークフリート> グンターのやさしい妹君です。 ぼくと結婚するのです。グンターとあなたのように。 <ブリュンヒルデ> (凄まじい激しさで) 私が・・・グンターと?ウソよ! (よろめいて倒れそうになるので、一番近い所にいたジークフリートが支える) 目の前が真っ暗になっていく・・・ (彼の腕に抱かれて、弱々しく見上げながら) ジークフリートが・・・私をわからないとは! <ジークフリート> グンター!奥方は気分がすぐれぬようだ! (グンターが駆け寄って来る) 妃よ!目を覚ますのです! 夫君がここにいますよ。 <ブリュンヒルデ> (ジークフリートがグンターに向けて伸ばした手に指輪を認め、驚きのあまり、狂わんばかりの激しさで立ち上がる) あっ!・・・指輪が・・・ この人の手に! ならば、あの時の男は・・・?ジークフリート? <男たち> どういうことだ? <ハーゲン> (後方から男達の真ん中に割り込みながら) よく耳を澄ませ! この婦人の言うことを聞き逃すな! <ブリュンヒルデ> (気力を奮い起こす一方、物凄い興奮を辛うじて抑えながら) あなたの手に見えている指輪・・・ それは、あなたのものではない。 それを私から奪ったのは、 (グンターを指差しながら) この男のはず! どうやってあなたは、 この指輪を手に入れたの? <ジークフリート> (手にはめた指輪をしげしげと見つめて) この指輪はグンターからもらったものではない。 <ブリュンヒルデ> (グンターに向かって) 指輪を奪ったのが、あなただったから、 私は、あなたの妻になったのよ。 さあ、あの男に、あなたの正当性を主張し、 結婚の証を返すよう命じなさい! <グンター> (ひどく頭が混乱してしまって) 指輪だと?私は、あの男には何もやっていない・・・ あなたは本当に・・・その指輪に見覚えがあるのか? <ブリュンヒルデ> では、あなたが奪い取った指輪は、 一体どこにあるのよ? (グンターは困り切って、黙り込む) <ブリュンヒルデ> (憤怒を爆発させながら) おお!私から指輪を奪ったのは、 この男だったのね。 偽りだらけの盗人、ジークフリートめ! (誰もがジークフリートを見つめ、固唾をのんで返答を待つが、ジークフリートは遠い記憶を手繰り寄せるように呆然と指輪を見つめている) <ジークフリート> この指輪は、いかなる女からも、もらったことはない・・・ ましてや、女から奪い取るなど・・・ そうだ・・・はっきり覚えている。これは戦利品だ。 嫉妬の洞窟の前で、強い龍と戦い、 その龍を退治した時の戦利品だ。 <ハーゲン> (間に分け入りながら) ブリュンヒルデ!なんと勇敢な女性だ! この指輪を、良く覚えているのですな? あなたがこれをグンターに差し上げたなら、 これはグンターのもの・・・ ジークフリートが騙して奪ったのだとしたら、 不実な男として、罪を償わねばならない! <ブリュンヒルデ> (おそろしいまでの苦痛の叫び声を上げながら) 詐欺だわ!詐欺だ!卑劣な詐欺だ! 裏切りだ!裏切りだ!償いようのない裏切りだ! <グートルーネ> 裏切った?誰を? <男たちと女たち> 裏切りだと?裏切ったのか? <ブリュンヒルデ> 聖なる神々よ!天を司る者たちよ! あなた方は、こんなことを密談していたの? 誰も味わったことの無い苦悩を、私に教えようと言うの? 誰も苦しんだことの無い辱めを、私に与えようと言うの? それならば、かつて荒れ狂ったことのない復讐を巻き起こして! 決して鎮められそうもない怒りの火をつけて! ブリュンヒルデの心を滅茶苦茶に壊して、 騙した男を八つ裂きにするよう命じて! <グンター> ブリュンヒルデ!妃よ! 落ち着くのだ! <ブリュンヒルデ> さがっていなさい!裏切り者め! あなた自身も裏切られたのよ・・・! さあ…みなさん、聞くがいいわ!私は、この人とではなく、 あちらの男と結ばれたのよ。 <女たち> ジークフリートと?グートルーネの夫なのに? <男たち> グートルーネの夫だぞ? <ブリュンヒルデ> 私から愛と喜びを奪い取ったのよ・・・あの男は。 <ジークフリート> どうして、ご自分の名誉を貶めようとするのです? その口汚さが舌のせいなら、 その舌を罰せねばならぬのですか? みなさん、聞いて下さい!ぼくが信義に背いたかどうかを! ぼくはグンターと 義兄弟の血の契りを結んだのです。 この名剣ノートゥングが 誠実な誓いの隠れもない証しです。 この鋭い剣が、 この姫君とぼくとを隔てていたのです。 <ブリュンヒルデ> なんとずるい勇者!真っ赤な嘘よ! あなたの剣が証拠?説明になっていないわ! 剣の鋭さも、よく知っているけど、 むしろ鞘のほうを、よく知っているわ。 大事なあなたのノートゥングは、壁にかかって 鞘の中で、のんびり休んでいた・・・ 剣の持ち主が、愛する女と結ばれたその時には。 <男たち> (憤激して集まって来る) なんだと?信義に背いたのか? グンターの名誉を汚したのか? <女たち> 信義に背いたの? <グンター> (ジークフリートに) すでに私は屈辱にまみれ、大恥をかいている! あなたが反論できないばかりに! <グートルーネ> 不実な・・・ジークフリート!あなたは本当に騙したの? あの女性の告発が嘘だと証明して! <男たち> 身に覚えが無ければ、潔白を明かすのだ! 訴える声を退けよ! 誓いを立てよ! <ジークフリート> 訴える声を退けよう! 誓いを立てよう! ぼくが誓いを立てるための武器を貸す者はいないか? <ハーゲン> 私の槍の穂先を貸そう。 あなたが誓いを立てる証(あかし)として。 (男達は、ジークフリートとハーゲンの周りに円陣を組む。ハーゲンが槍を差し出すと、ジークフリートはその穂先に二本の右指を置く) <ジークフリート> 晴れやかな武具よ!聖なる武器よ! ぼくの永遠の誓いを証してくれ! 槍の穂先に、ぼくは誓いの言葉を立てる・・・ 槍の穂先よ!今から言う言葉を忘れるな! いつかぼくが斬られることがあれば、 その時、斬りかかるのは、お前だ! いつか死がぼくに襲いかかるとしたら、 その時、ぼくを殺すのは、お前だ・・・! 万が一、あの女性の訴えることが真実で、 ぼくが義兄弟の誓いを破っているのだとしたら! <ブリュンヒルデ> (怒り狂って輪の中に踊り込む。ジークフリートの手を槍から払いのけ、代わりに自らの手で槍の穂先をつかみながら) 晴れやかな武具よ!聖なる武器よ! 私の永遠の誓いを証してちょうだい! 槍の穂先に、私は誓いの言葉を立てる・・・ 槍の穂先よ!これから言う言葉を忘れないで! 私がお前を清めるのは、 あの男を倒すためだわ! 鋭い切っ先を讃えるのは、 お前があの男を切り刻むためだわ! なぜなら、あの男は、皆の面前で誓いを破った! すでに今、偽りを誓ったのよ。あの男は! <男たち> (これ以上ないほどの大混乱状態となり) おお!ドンナー!嵐を巻き起こせ! この荒れ狂う恥辱を、どうか終わらせてくれ! <ジークフリート> グンター!何とかするのだ・・・あなたの妻ではないか。 恥知らずな嘘をついて、あなたを辱めている! この気の荒い岩山育ちの女性は、 ゆっくり休ませてあげたほうが良い。 そうすれば、この見当違いな怒りも治まるだろう! きっとこの怒りは、どこかの妖怪の悪巧みのせいで、 ぼくたちに向けられたものだろう! さあ、男たちよ、もうやめよう! 女のお小言など、ほうっておこう! 卑怯者と言われても、逃げればいいのさ。 こんな口先だけの争いなど。 (ぴたりとグンターに体を寄せて) 本当は、あなたよりも、ぼくのほうが頭に来ている。 どうも、彼女をうまく騙せなかったみたいだ。 思うに、隠れ頭巾は、 ぼくを半分しか隠していなかったようだ。 でも、女の恨み言なんて、すぐに収まるさ・・・ そのうち、あの女性も、ぼくに連れられて来たことを きっとあなたに感謝するようになるって。 (また男たちの方へ向き直って) さあ!みんな! ぼくに続け!宴会に行こう! (女たちに) 結婚式は陽気でなくっちゃ!手を貸して!ご婦人方! 楽しく元気に、笑って行こう! 森の中でも、屋敷でも、 誰より元気な今日のぼくの姿を見てごらん。 恋の歓びを知りたい人は、 このぼくの愉快な気分を 真似ればいいんじゃないかな! (羽目を外して大はしゃぎしながらグートルーネに腕を巻き付け、彼女を大広間に向けて引っ張って行く。男達と女達は、その勢いに引きずられるように、ジークフリートの後に従う。舞台上はがらんとしてしまい、ブリュンヒルデ、グンター、ハーゲンだけがとり残される。グンターは、とても恥ずかしそうに、かつひどく不機嫌そうに、手で顔を覆いながら、脇を向いてへたりこんでいる。ブリュンヒルデは前景に立ちつくし、なおしばらくジークフリートとグートルーネを悲痛な顔で見送ったあと、首をうなだれる) 第5場 ブリュンヒルデ、ハーゲン、グンター <ブリュンヒルデ> (凍りついたように物思いに暮れながら) ここには、どんな妖怪の悪巧みが潜んでいるの? いかなる魔法の悪知恵が、こんな事態を引き起こしたの? この混乱に直面して、私の知識はどこに行ったの? この謎を前に、私の知恵はどこに行ったの? ああ、悲しい!悲しい!ひどいわ・・・ひどい! 私はあらゆる知識を、あの男に授けたのよ! なのに、あいつは、女を力ずくで捕え、 まるで狩の獲物のように縄で縛り、 辱められて泣き叫ぶその獲物を、獲物に恵まれた狩人のように、笑いながら人にくれてやったのよ! 誰かいないの?この私に剣を差し出す者は・・・ この縛めを断ち切るための剣を。 <ハーゲン> (ブリュンヒルデのほうに進み出て、ぴたりと体を寄せながら) 私にお任せを・・・騙されしお方! あなたを裏切りし男に報復するのは、この私。 <ブリュンヒルデ> (無気力に振り返りながら) 報復する・・・誰に? <ハーゲン> あなたを騙したジークフリートに。 <ブリュンヒルデ> ジークフリートに?・・・あなたが・・・? (苦笑いを浮かべながら) あの男の目がぎらりと光っただけで・・・ 変装していた時ですら、 あの目はあれほど光っていた・・・ どれほどの勇気を振り絞ろうとも、 あなたなど、すぐに怖気ずくに違いないわ! <ハーゲン> だが、だとすれば、私の槍に、 偽誓を黙ったまま捨て置けとでも? <ブリュンヒルデ> 誠の誓いとか、偽りの誓いとか、言うだけ無駄だわ! もっと強い男を探しなさい。 その男に、あなたの槍を持たせるのよ・・・ 最強の男を打ち倒そうと言うのなら! <ハーゲン> あの男の勝利をつかむ怪力なら、よく心得ている。 また戦で斃すことが至難であることも。 だからこそ、良い助言を授けていただきたいのだ。 どうすれば、あの戦士は私に屈するだろうか? <ブリュンヒルデ> ああ!何という忘恩!恥辱に満ちた返礼! あの男の体を護るために、 私はありとあらゆる技を使った! 知らないうちに、私の魔力はあの男の体に浸透し、 今では傷一つ付かない体になってしまった。 <ハーゲン> つまり、武器では傷つけられないと? <ブリュンヒルデ> 戦っている時は無理よ・・・。でも・・・ 背中から襲ったら・・・? 一度として、あの男は・・・そうだわ・・・ 敵から逃げたことはない。 一度たりとも、敵に背中を見せて逃げたことはない。 だから私は、背中に秘術を与えたことはなかった。 <ハーゲン> ならば、私はそこに槍を突き立てよう! (勢い込んで、ブリュンヒルデからグンターの方へ向き直って) さあ、グンター、気高きギービヒ家の当主! ここに、あなたの気丈な妻がいる。 なのに、いつまで悲しんで頭を抱えているのだ? <グンター> (苦悩に満ちて激しく体を起こす) ああ、恥ずかしい!面目丸潰れだ! かわいそうな私!一番哀れなのは、この私だ! <ハーゲン> たしかに大いに面目が潰れたな・・・ それを否定できようか? <ブリュンヒルデ> (グンターに) ああ、何と卑怯な男!性根の腐った男! 勇者の陰に身を隠して、 名声を勝ち取ろうとするなんて! 高貴な一族も、地に落ちたものね。 こんな臆病者が生まれて来るなんて! <グンター> (我を忘れるほど逆上して) 私は騙したぞ・・・そして騙された! 私は裏切った・・・そして裏切られた! 私の背骨を潰してくれ! 胸をばらばらに引き裂いてくれ! 救ってくれ!ハーゲン!私の名誉を救ってくれ! 母上を救ってくれ! お前の母は・・・私をも産んだのだから! <ハーゲン> 頭で考えても、救われはしない。 小手先で何かしても、救いにはならない・・・ 救いになるのはただ一つ。ジークフリートの死だ! <グンター> (戦慄のあまり、ぞっとして) ジークフリートの死・・・! <ハーゲン> あなたの恥をそそぐには、それしかない! <グンター> (茫然と一点を見つめながら) あの男と私とは義兄弟の誓いを立てたのだぞ! <ハーゲン> その盟約を破ったのだから、血で償わせるのだ! <グンター> あの男は、盟約を破ったか? <ハーゲン> あなたを裏切ったではないか! <グンター> あの男は、裏切ったのか? <ブリュンヒルデ> あなたを裏切ったわ・・・あの男は。 そして、お前達みんなが、寄ってたかって私を裏切った! この私に正義があるなら、世界中の生き物の血を集めても、 お前達の罪は償えない! しかし、ただ一人の男の死が、私には全ての血を補って余りある。死ぬのだ、ジークフリート!お前自身とお前達との罪を償うために! <ハーゲン> (声をひそめながら、グンターにささやく) あの男の死は・・・あなたにも良きことをもたらす! あなたのもとに、途方もない権力が転がり込む・・・ もしも、あなたが、指輪を手に入れれば。 その指輪を奪うためには、あの男が死ぬほかないのだ。 <グンター> (小声で) ブリュンヒルデの指輪だな? <ハーゲン> ニーベルングの指輪だ。 <グンター> (重苦しいため息をついて) ならば、ジークフリートの終末を! <ハーゲン> あの男の死は、我々全員に好都合だ。 <グンター> しかし、グートルーネはどうなる?ああ・・・ あの男を娶わせたのは、この私だ! 我々が夫を罰すれば、どうやって、彼女に顔向けできようか? <ブリュンヒルデ> (荒々しく体を起こして) もし知識を失っていなかったら、どう思ったのだろう? 知恵を失っていなかったら、何かに気付いていただろうか? でも、この救いがたい惨めな状況で私は今はっきりと気付いた。 私の夫の心を狂わせた魔法の名は、 グートルーネ! あの女!恐怖に脅えるがいい! <ハーゲン> (グンターに) あの男が死ねば悲しむだろうから、 グートルーネには黙ったまま、事を進めよう。 明日、私達は愉快な狩に行くのだ・・・ 我々の先陣を切って突き進むあの男を、 イノシシが殺すという段取りにしよう。 <グンターとブリュンヒルデ> そうあるべきだ!ジークフリートは斃れよ! 私に与えた恥辱を償え! あの男は誠実な誓いを裏切った。 だから、自分の血で、罪を償うのだ! 全知の復讐の神よ! 誓いを束ねる誓約の証人よ! ヴォータン!目を向けよ! 恐るべき聖なる軍勢に命じよ! 我らの報復の誓いを叶えよと! <ハーゲン> くたばるがいい!かがやける勇者よ! あの宝は俺のもの。俺が持たねばならん。 あの男から、俺が奪い取らねばならん。 小びとの父よ!引きずり下ろされた王よ! 夜の支配者よ!ニーベルング族の主よ! アルベリヒ!俺の声を聞け! 改めてニーベルングの軍勢に命じよ! 指輪の主アルベリヒに従えと! (激昂したグンターとブリュンヒルデが大広間の方に向くと、そこから出て来た婚礼の行列と鉢合わせになる。少年少女たちが、花をあしらった杖を振りながら、陽気に前のほうに飛び出してくる。盾の上に乗ったジークフリートと、椅子に腰掛けているグートルーネは、それぞれ男達に担がれている。舞台後方の丘にある聖石の上には、召使いや侍女達が、生贄用の動物達と道具を手に、別々の山道からやって来て、これらを花々で飾る。ジークフリートと男達はホルンを手に、結婚式の招待ラッパを吹き鳴らす。女達は、グートルーネに同伴することをブリュンヒルデに求める。ブリュンヒルデが目を上げて、凍りついたような目線をグートルーネに向けると、グートルーネは親しげな笑顔で彼女に手を振る。激しく拒否して退こうとしたブリュンヒルデを、割って入ったハーゲンは急いでグンターの方へと押しやる。改めてブリュンヒルデの手を取るグンターだったが、すぐに彼自身が、男達によって盾の上に乗せられてしまう。婚礼の行列が、ほぼ途切れもせず、丘に向けて素早く進み始めた時、幕が下りる) ZWEITER AUFZUG Uferraum. Vor der Halle der Gibichungen rechts der offene Eingang zur Halle; links das Rheinufer; von diesem aus erhebt sich eine durch verschiedene Bergpfade gespaltene, felsige Anhöhe quer über die Bühne, nach rechts dem Hintergrunde zu aufsteigend. Dort sieht man einen der Fricka errichteten Weihstein, welchem höher hinauf ein grösserer für Wotan, sowie seitwärts ein gleicher dem Donner geweihter entspricht. Es ist Nacht VORSPIEL UND ERSTE SZENE Hagen, Alberich Hagen, den Speer im Arm, den Schild zur Seite, sitzt schlafend an einen Pfosten der Halle gelehnt. Der Mond wirft plötzlich ein grelles Licht auf ihn und seine nächste Umgebung; man gewahrt Alberich vor Hagen kauernd, die Arme auf dessen Knie gelehnt ALBERICH leise Schläfst du, Hagen, mein Sohn? Du schläfst und hörst mich nicht, den Ruh und Schlaf verriet? HAGEN leise, ohne sich zu rühren, so dass er immerfort zu schlafen scheint, obwohl er die Augen offen hat Ich höre dich, schlimmer Albe was hast du meinem Schlaf zu sagen? ALBERICH Gemahnt sei der Macht, der du gebietest, bist du so mutig, wie die Mutter dich mir gebar! HAGEN immer wie zuvor Gab mir die Mutter Mut, nicht mag ich ihr doch danken, dass deiner List sie erlag frühalt, fahl und bleich, hass ich die Frohen, freue mich nie! ALBERICH wie zuvor Hagen, mein Sohn! Hasse die Frohen! Mich Lustfreien, Leidbelasteten liebst du so, wie du sollst! Bist du kräftig, kühn und klug die wir bekämpfen mit nächtigem Krieg, schon gibt ihnen Not unser Neid. Der einst den Ring mir entriss, Wotan, der wütende Räuber, vom eignen Geschlechte ward er geschlagen an den Wälsung verlor er Macht und Gewalt; mit der Götter ganzer Sippe in Angst ersieht er sein Ende. Nicht ihn fürcht ich mehr fallen muss er mit allen! - Schläfst du, Hagen, mein Sohn? HAGEN bleibt unverändert wie zuvor Der Ewigen Macht, wer erbte sie? ALBERICH Ich - und du! Wir erben die Welt. Trüg ich mich nicht in deiner Treu , teilst du meinen Gram und Grimm. Wotans Speer zerspellte der Wälsung, der Fafner, den Wurm, im Kampfe gefällt und kindisch den Reif sich errang. Jede Gewalt hat er gewonnen; Walhall und Nibelheim neigen sich ihm. immer heimlich An dem furchtlosen Helden erlahmt selbst mein Fluch denn nicht kennt er des Ringes Wert, zu nichts nützt er die neidlichste Macht. Lachend in liebender Brunst, brennt er lebend dahin. Ihn zu verderben, taugt uns nun einzig! Schläfst du, Hagen, mein Sohn? HAGEN wie zuvor Zu seinem Verderben dient er mir schon. ALBERICH Den goldnen Ring, den Reif gilt s zu erringen! Ein weises Weib lebt dem Wälsung zulieb riet es ihm je des Rheines Töchtern, die in Wassers Tiefen einst mich betört, zurückzugeben den Ring, verloren ging mir das Gold, keine List erlangte es je. Drum, ohne Zögern ziel auf den Reif! Dich Zaglosen zeugt ich mir ja, dass wider Helden hart du mir hieltest. Zwar stark nicht genug, den Wurm zu bestehn, - was allein dem Wälsung bestimmt - zu zähem Hass doch erzog ich Hagen, der soll mich nun rächen, den Ring gewinnen dem Wälsung und Wotan zum Hohn! Schwörst du mir s, Hagen, mein Sohn? Von hier an bedeckt ein immer finsterer werdender Schatten wieder Alberich. Zugleich beginnt das erste Tagesgrauen HAGEN immer wie zuvor Den Ring soll ich haben harre in Ruh ! ALBERICH Schwörst du mir s, Hagen, mein Held? HAGEN Mir selbst schwör ich s; schweige die Sorge! ALBERICH wie er allmählich immer mehr dem Blicke entschwindet, wird auch seine Stimme immer unvernehmbarer Sei treu, Hagen, mein Sohn! Trauter Helde! - Sei treu! Sei treu! - Treu! Alberich ist gänzlich verschwunden. Hagen, der unverändert in seiner Stellung verblieben, blickt regungslos und starren Auges nach dem Rheine hin, auf welchem sich die Morgendämmerung ausbreitet ZWEITE SZENE Siegfried, Hagen, Gutrune Der Rhein färbt sich immer stärker vom erglühenden Morgenrot. Hagen macht eine zuckende Bewegung. Siegfried tritt plötzlich, dicht am Ufer, hinter einem Busche hervor. Er ist in seiner eignen Gestalt; nur den Tarnhelm hat er noch auf dem Haupte er zieht ihn jetzt ab und hängt ihn, während er hervorschreitet, in den Gürtel SIEGFRIED Hoiho, Hagen! Müder Mann! Siehst du mich kommen? HAGEN gemächlich sich erhebend Hei, Siegfried? Geschwinder Helde? Wo brausest du her? SIEGFRIED Vom Brünnhildenstein! Dort sog ich den Atem ein, mit dem ich dich rief so schnell war meine Fahrt! Langsamer folgt mir ein Paar zu Schiff gelangt das her! HAGEN So zwangst du Brünnhild ? SIEGFRIED Wacht Gutrune? HAGEN in die Halle rufend Hoiho, Gutrune! Komm heraus! Siegfried ist da was säumst du drin? SIEGFRIED zur Halle sich wendend Euch beiden meld ich, wie ich Brünnhild band. Gutrune tritt ihm aus der Halle entgegen SIEGFRIED Heiss mich willkommen, Gibichskind! Ein guter Bote bin ich dir. GUTRUNE Freia grüsse dich zu aller Frauen Ehre! SIEGFRIED Frei und hold sei nun mir Frohem zum Weib gewann ich dich heut . GUTRUNE So folgt Brünnhild meinem Bruder? SIEGFRIED Leicht ward die Frau ihm gefreit. GUTRUNE Sengte das Feuer ihn nicht? SIEGFRIED Ihn hätt es auch nicht versehrt, doch ich durchschritt es für ihn, da dich ich wollt erwerben. GUTRUNE Und dich hat es verschont? SIEGFRIED Mich freute die schwelende Brunst. GUTRUNE Hielt Brünnhild dich für Gunther? SIEGFRIED Ihm glich ich auf ein Haar der Tarnhelm wirkte das, wie Hagen tüchtig es wies. HAGEN Dir gab ich guten Rat. GUTRUNE So zwangst du das kühne Weib? SIEGFRIED Sie wich - Gunthers Kraft. GUTRUNE Und vermählte sie sich dir? SIEGFRIED Ihrem Mann gehorchte Brünnhild eine volle bräutliche Nacht. GUTRUNE Als ihr Mann doch galtest du? SIEGFRIED Bei Gutrune weilte Siegfried. GUTRUNE Doch zur Seite war ihm Brünnhild ? SIEGFRIED auf sein Schwert deutend Zwischen Ost und West der Nord so nah - war Brünnhild ihm fern. GUTRUNE Wie empfing Gunther sie nun von dir? SIEGFRIED Durch des Feuers verlöschende Lohe, im Frühnebel vom Felsen folgte sie mir zu Tal; dem Strande nah, flugs die Stelle tauschte Gunther mit mir durch des Geschmeides Tugend wünscht ich mich schnell hieher. Ein starker Wind nun treibt die Trauten den Rhein herauf drum rüstet jetzt den Empfang! GUTRUNE Siegfried, mächtigster Mann! Wie fasst mich Furcht vor dir! HAGEN von der Höhe im Hintergrunde den Fluss hinabspähend In der Ferne seh ich ein Segel. SIEGFRIED So sagt dem Boten Dank! GUTRUNE Lasset uns sie hold empfangen, dass heiter sie und gern hier weile! Du, Hagen, minnig rufe die Mannen nach Gibichs Hof zur Hochzeit! Frohe Frauen ruf ich zum Fest der Freudigen folgen sie gern. nach der Halle schreitend, wendet sie sich wieder um Rastest du, schlimmer Held? SIEGFRIED Dir zu helfen, ruh ich aus. Er reicht ihr die Hand und geht mit ihr in die Halle DRITTE SZENE Hagen und die Mannen HAGEN hat einen Felsstein in der Höhe des Hintergrundes erstiegen; dort setzt er, der Landseite zugewendet, sein Stierhorn zum Blasen an Hoiho! Hoihohoho! Ihr Gibichsmannen, machet euch auf! Wehe! Wehe! Waffen! Waffen! Waffen durchs Land! Gute Waffen! Starke Waffen! Scharf zum Streit. Not ist da! Not! Wehe! Wehe! Hoiho! Hoihohoho! Hagen bleibt immer in seiner Stellung auf der Anhöhe. Er bläst abermals. Aus verschiedenen Gegenden vom Lande her antworten Heerhörner. Auf den verschiedenen Höhenpfaden stürmen in Hast und Eile gewaffnete Mannen herbei, erst einzelne, dann immer mehrere zusammen, welche sich dann auf dem Uferraum vor der Halle anhäufen DIE MANNEN erst einzelne, dann immer neu hinzukommende Was tost das Horn? Was ruft es zu Heer? Wir kommen mit Wehr, Wir kommen mit Waffen! Hagen! Hagen! Hoiho! Hoiho! Welche Not ist da? Welcher Feind ist nah? Wer gibt uns Streit? Ist Gunther in Not? Wir kommen mit Waffen, mit scharfer Wehr. Hoiho! Ho! Hagen! HAGEN immer von der Anhöhe herab Rüstet euch wohl und rastet nicht; Gunther sollt ihr empfahn ein Weib hat der gefreit. DIE MANNEN Drohet ihm Not? Drängt ihn der Feind? HAGEN Ein freisliches Weib führet er heim. DIE MANNEN Ihm folgen der Magen feindliche Mannen? HAGEN Einsam fährt er keiner folgt. DIE MANNEN So bestand er die Not? So bestand er den Kampf? Sag es an! HAGEN Der Wurmtöter wehrte der Not Siegfried, der Held, der schuf ihm Heil! EIN MANN Was soll ihm das Heer nun noch helfen? ZEHN WEITERE Was hilft ihm nun das Heer? HAGEN Starke Stiere sollt ihr schlachten; am Weihstein fliesse Wotan ihr Blut! EIN MANN Was, Hagen, was heissest du uns dann? ACHT MANNEN Was heissest du uns dann? VIER WEITERE Was soll es dann? ALLE Was heissest du uns dann? HAGEN Einen Eber fällen sollt ihr für Froh! Einen stämmigen Bock stechen für Donner! Schafe aber schlachtet für Fricka, dass gute Ehe sie gebe! DIE MANNEN mit immer mehr ausbrechender Heiterkeit Schlugen wir Tiere, was schaffen wir dann? HAGEN Das Trinkhorn nehmt, von trauten Frau n mit Met und Wein wonnig gefüllt! DIE MANNEN Das Trinkhorn zur Hand, wie halten wir es dann? HAGEN Rüstig gezecht, bis der Rausch euch zähmt! Alles den Göttern zu Ehren, dass gute Ehe sie geben! DIE MANNEN brechen in ein schallendes Gelächter aus Gross Glück und Heil lacht nun dem Rhein, da Hagen, der Grimme, so lustig mag sein! Der Hagedorn sticht nun nicht mehr; zum Hochzeitsrufer ward er bestellt. HAGEN der immer sehr ernst geblieben, ist zu den Mannen herabgestiegen und steht jetzt unter ihnen Nun lasst das Lachen, mut ge Mannen! Empfangt Gunthers Braut! Brünnhilde naht dort mit ihm. Er deutet die Mannen nach dem Rhein hin diese eilen zum Teil nach der Anhöhe, während andere sich am Ufer aufstellen, um die Ankommenden zu erblicken näher zu einigen Mannen tretend Hold seid der Herrin, helfet ihr treu traf sie ein Leid, rasch seid zur Rache! Er wendet sich langsam zur Seite, in den Hintergrund. Während des Folgenden kommt der Nachen mit Gunther und Brünnhilde auf dem Rheine an. DIE MANNEN diejenigen, welche von der Höhe ausgeblickt hatten, kommen zum Ufer herab Heil! Heil! Willkommen! Willkommen! Einige der Mannen springen in den Fluss und ziehen den Kahn an das Land. Alles drängt sich immer dichter an das Ufer Willkommen, Gunther! Heil! Heil! VIERTE SZENE Gunther, Siegfried, Brünnhilde, Hagen, Gutrune, Mannen, Frauen. Gunther steigt mit Brünnhilde aus dem Kahne; die Mannen reihen sich ehrerbietig zu ihren Empfange. Während des Folgenden geleitet Gunther Brünnhilde feierlich an der Hand DIE MANNEN Heil dir, Gunther! Heil dir und deiner Braut! Willkommen! Sie schlagen die Waffen tosend zusammen GUNTHER Brünnhilde, welche bleich und gesenkten Blickes ihm folgt, den Mannen vorstellend Brünnhild , die hehrste Frau, bring ich euch her zum Rhein. Ein edleres Weib ward nie gewonnen. Der Gibichungen Geschlecht, gaben die Götter ihm Gunst, zum höchsten Ruhm rag es nun auf! DIE MANNEN feierlich an ihre Waffen schlagend Heil! Heil dir, glücklicher Gibichung! Gunther geleitet Brünnhilde, die nie aufblickt, zur Halle, aus welcher jetzt Siegfried und Gutrune, von Frauen begleitet, heraustreten GUNTHER hält vor der Halle an Gegrüsst sei, teurer Held; gegrüsst, holde Schwester! Dich seh ich froh ihm zur Seite, der dich zum Weib gewann. Zwei sel ge Paare seh ich hier prangen er führt Brünnhilde näher heran Brünnhild und Gunther, Gutrun und Siegfried! Brünnhilde schlägt erschreckt die Augen auf und erblickt Siegfried; wie in Erstaunen bleibt ihr Blick auf ihn gerichtet. Gunther, welcher Brünnhildes heftig zuckende Hand losgelassen hat, sowie alle übrigen zeigen starre Betroffenheit über Brünnhildes Benehmen MANNEN UND FRAUEN Was ist ihr? Ist sie entrückt? Brünnhilde beginnt zu zittern SIEGFRIED geht ruhig einige Schritte auf Brünnhilde zu Was müht Brünnhildes Blick? BRÜNNHILDE kaum ihrer mächtig Siegfried... hier...! Gutrune...? SIEGFRIED Gunthers milde Schwester mir vermählt wie Gunther du. BRÜNNHILDE furchtbar heftig Ich.... Gunther... ? Du lügst! Sie schwankt und droht umzusinken Siegfried, ihr zunächst, stützt sie Mir schwindet das Licht .... Sie blickt in seinen Armen matt zu Siegfried auf Siegfried - kennt mich nicht! SIEGFRIED Gunther, deinem Weib ist übel! Gunther tritt hinzu Erwache, Frau! Hier steht dein Gatte. BRÜNNHILDE erblickt am ausgestreckten Finger Siegfrieds den Ring und schrickt mit furchtbarer Heftigkeit auf Ha! - Der Ring - an seiner Hand! Er - ? Siegfried? MANNEN UND FRAUEN Was ist? HAGEN aus dem Hintergrunde unter die Mannen tretend Jetzt merket klug, was die Frau euch klagt! BRÜNNHILDE sucht sich zu ermannen, indem sie die schrecklichste Aufregung gewaltsam zurückhält Einen Ring sah ich an deiner Hand, - nicht dir gehört er, ihn entriss mir auf Gunther deutend dieser Mann! Wie mochtest von ihm den Ring du empfahn? SIEGFRIED aufmerksam den Ring an seiner Hand betrachtend Den Ring empfing ich nicht von ihm. BRÜNNHILDE zu Gunther Nahmst du von mir den Ring, durch den ich dir vermählt; so melde ihm dein Recht, fordre zurück das Pfand! GUNTHER in grosser Verwirrung Den Ring? Ich gab ihm keinen doch - kennst du ihn auch gut? BRÜNNHILDE Wo bärgest du den Ring, den du von mir erbeutet? Gunther schweigt in höchster Betroffenheit BRÜNNHILDE wütend auffahrend Ha! - Dieser war es, der mir den Ring entriss Siegfried, der trugvolle Dieb! Alles blickt erwartungsvoll auf Siegfried, welcher über der Betrachtung des Ringes in fernes Sinnen entrückt ist SIEGFRIED Von keinem Weib kam mir der Reif; noch war s ein Weib, dem ich ihn abgewann genau erkenn ich des Kampfes Lohn, den vor Neidhöhl einst ich bestand, als den starken Wurm ich erschlug. HAGEN wischen sie tretend Brünnhild , kühne Frau, kennst du genau den Ring? Ist s der, den du Gunthern gabst, so ist er sein, - und Siegfried gewann ihn durch Trug, den der Treulose büssen sollt ! BRÜNNHILDE in furchtbarstem Schmerze aufschreiend Betrug! Betrug! Schändlichster Betrug! Verrat! Verrat! - Wie noch nie er gerächt! GUTRUNE Verrat? An wem? MANNEN UND FRAUEN Verrat? Verrat? BRÜNNHILDE Heil ge Götter, himmlische Lenker! Rauntet ihr dies in eurem Rat? Lehrt ihr mich Leiden, wie keiner sie litt? Schuft ihr mir Schmach, wie nie sie geschmerzt? Ratet nun Rache, wie nie sie gerast! Zündet mir Zorn, wie noch nie er gezähmt! Heisset Brünnhild ihr Herz zu zerbrechen, den zu zertrümmern, der sie betrog! GUNTHER Brünnhild , Gemahlin! Mäss ge dich! BRÜNNHILDE Weich fern, Verräter! Selbst Verrat ner - Wisset denn alle nicht ihm, dem Manne dort bin ich vermählt. FRAUEN Siegfried? Gutruns Gemahl? MANNEN Gutruns Gemahl? BRÜNNHILDE Er zwang mir Lust und Liebe ab. SIEGFRIED Achtest du so der eignen Ehre? Die Zunge, die sie lästert, muss ich der Lüge sie zeihen? Hört, ob ich Treue brach! Blutbrüderschaft hab ich Gunther geschworen Notung, das werte Schwert, wahrte der Treue Eid; mich trennte seine Schärfe von diesem traur gen Weib. BRÜNNHILDE Du listiger Held, sieh , wie du lügst! Wie auf dein Schwert du schlecht dich berufst! Wohl kenn ich seine Schärfe, doch kenn auch die Scheide, darin so wonnig ruht an der Wand Notung, der treue Freund, als die Traute sein Herr sich gefreit. DIE MANNEN in lebhafter Entrüstung zusammentretend Wie? Brach er die Treue? Trübte er Gunthers Ehre? DIE FRAUEN Brach er die Treue? GUNTHER zu Siegfried Geschändet wär ich, schmählich bewahrt, gäbst du die Rede nicht ihr zurück! GUTRUNE Treulos, Siegfried, sannest du Trug? Bezeuge, dass jene falsch dich zeiht! DIE MANNEN Reinige dich, bist du im Recht! Schweige die Klage! Schwöre den Eid! SIEGFRIED Schweig ich die Klage, schwör ich den Eid wer von euch wagt seine Waffe daran? HAGEN Meines Speeres Spitze wag ich daran sie wahr in Ehren den Eid. Die Mannen schliessen einen Ring um Siegfried und Hagen. Hagen hält den Speer hin; Siegfried legt zwei Finger seiner rechten Hand auf die Speerspitze SIEGFRIED Helle Wehr! Heilige Waffe! Hilf meinem ewigen Eide! Bei des Speeres Spitze sprech ich den Eid Spitze, achte des Spruchs! Wo Scharfes mich schneidet, schneide du mich; wo der Tod mich soll treffen, treffe du mich klagte das Weib dort wahr, brach ich dem Bruder den Eid! BRÜNNHILDE tritt wütend in den Ring, reisst Siegfrieds Hand vom Speere hinweg und fasst dafür mit der ihrigen die Spitze Helle Wehr! Heilige Waffe! Hilf meinem ewigen Eide! Bei des Speeres Spitze sprech ich den Eid Spitze, achte des Spruchs! Ich weihe deine Wucht, dass sie ihn werfe! Deine Schärfe segne ich, dass sie ihn schneide denn, brach seine Eide er all , schwur Meineid jetzt dieser Mann! DIE MANNEN im höchsten Aufruhr Hilf, Donner, tose dein Wetter, zu schweigen die wütende Schmach! SIEGFRIED Gunther! Wehr deinem Weibe, das schamlos Schande dir lügt! Gönnt ihr Weil und Ruh , der wilden Felsenfrau, dass ihre freche Wut sich lege, die eines Unholds arge List wider uns alle erregt! Ihr Mannen, kehret euch ab! Lasst das Weibergekeif ! Als Zage weichen wir gern, gilt es mit Zungen den Streit. er tritt dicht zu Gunther Glaub , mehr zürnt es mich als dich, dass schlecht ich sie getäuscht der Tarnhelm, dünkt mich fast, hat halb mich nur gehehlt. Doch Frauengroll friedet sich bald dass ich dir es gewann, dankt dir gewiss noch das Weib. er wendet sich wieder zu den Mannen Munter, ihr Mannen! Folgt mir zum Mahl! zu den Frauen Froh zur Hochzeit, helfet, ihr Frauen! Wonnige Lust lache nun auf! In Hof und Hain, heiter vor allen sollt ihr heute mich sehn. Wen die Minne freut, meinem frohen Mute tu es der Glückliche gleich! Er schlingt in ausgelassenem Übermute seinen Arm um Gutrune und zieht sie mit sich in die Halle fort. Die Mannen und Frauen, von seinem Beispiele hingerissen, folgen ihm nach. Die Bühne ist leer geworden. Nur Brünnhilde, Gunther und Hagen bleiben zurück. Gunther hat sich in tiefer Scham und furchtbarer Verstimmung mit verhülltem Gesichte abseits niedergesetzt. Brünnhilde, im Vordergrunde stehend, blickt Siegfried und Gutrune noch eine Zeitlang schmerzlich nach und senkt dann das Haupt FÜNFTE SZENE Brünnhilde, Hagen, Gunther BRÜNNHILDE in starrem Nachsinnen befangen Welches Unholds List liegt hier verhohlen? Welches Zaubers Rat regte dies auf? Wo ist nun mein Wissen gegen dies Wirrsal? Wo sind meine Runen gegen dies Rätsel? Ach Jammer! Jammer! Weh , ach Wehe! All mein Wissen wies ich ihm zu! In seiner Macht hält er die Magd; in seinen Banden fasst er die Beute, die, jammernd ob ihrer Schmach, jauchzend der Reiche verschenkt! Wer bietet mir nun das Schwert, mit dem ich die Bande zerschnitt ? HAGEN dicht an sie herantretend Vertraue mir, betrog ne Frau! Wer dich verriet, das räche ich. BRÜNNHILDE matt sich umblickend An wem? HAGEN An Siegfried, der dich betrog. BRÜNNHILDE An Siegfried?... Du? bitter lächelnd Ein einz ger Blick seines blitzenden Auges, - das selbst durch die Lügengestalt leuchtend strahlte zu mir, - deinen besten Mut machte er bangen! HAGEN Doch meinem Speere spart ihn sein Meineid? BRÜNNHILDE Eid und Meineid, müssige Acht! Nach Stärkrem späh , deinen Speer zu waffnen, willst du den Stärksten bestehn! HAGEN Wohl kenn ich Siegfrieds siegende Kraft, wie schwer im Kampf er zu fällen; drum raune nun du mir klugen Rat, wie doch der Recke mir wich ? BRÜNNHILDE O Undank, schändlichster Lohn! Nicht eine Kunst war mir bekannt, die zum Heil nicht half seinem Leib ! Unwissend zähmt ihn mein Zauberspiel, das ihn vor Wunden nun gewahrt. HAGEN So kann keine Wehr ihm schaden? BRÜNNHILDE Im Kampfe nicht - ; doch träfst du im Rücken ihn.... Niemals - das wusst ich - wich er dem Feind, nie reicht er fliehend ihm den Rücken an ihm drum spart ich den Segen. HAGEN Und dort trifft ihn mein Speer! er wendet sich rasch von Brünnhilde ab zu Gunther Auf, Gunther, edler Gibichung! Hier steht dein starkes Weib was hängst du dort in Harm? GUNTHER leidenschaftlich auffahrend O Schmach! O Schande! Wehe mir, dem jammervollsten Manne! HAGEN In Schande liegst du; leugn ich das? BRÜNNHILDE zu Gunther O feiger Mann! Falscher Genoss ! Hinter dem Helden hehltest du dich, dass Preise des Ruhmes er dir erränge! Tief wohl sank das teure Geschlecht, das solche Zagen gezeugt! GUNTHER ausser sich Betrüger ich - und betrogen! Verräter ich - und verraten! Zermalmt mir das Mark! Zerbrecht mir die Brust! Hilf, Hagen! Hilf meiner Ehre! Hilf deiner Mutter, die mich - auch ja gebar! HAGEN Dir hilft kein Hirn, dir hilft keine Hand dir hilft nur - Siegfrieds Tod! GUNTHER von Grausen erfasst Siegfrieds Tod! HAGEN Nur der sühnt deine Schmach! GUNTHER vor sich hinstarrend Blutbrüderschaft schwuren wir uns! HAGEN Des Bundes Bruch sühne nun Blut! GUNTHER Brach er den Bund? HAGEN Da er dich verriet! GUNTHER Verriet er mich? BRÜNNHILDE Dich verriet er, und mich verrietet ihr alle! Wär ich gerecht, alles Blut der Welt büsste mir nicht eure Schuld! Doch des einen Tod taugt mir für alle Siegfried falle - zur Sühne für sich und euch! HAGEN heimlich zu Gunther Er falle - dir zum Heil! Ungeheure Macht wird dir, gewinnst von ihm du den Ring, den der Tod ihm wohl nur entreisst. GUNTHER leise Brünnhildes Ring? HAGEN Des Nibelungen Reif. GUNTHER schwer seufzend So wär es Siegfrieds Ende! HAGEN Uns allen frommt sein Tod. GUNTHER Doch Gutrune, ach, der ich ihn gönnte! Straften den Gatten wir so, wie bestünden wir vor ihr? BRÜNNHILDE wild auffahrend Was riet mir mein Wissen? Was wiesen mich Runen? Im hilflosen Elend achtet mir s hell Gutrune heisst der Zauber, der den Gatten mir entrückt! Angst treffe sie! HAGEN zu Gunther Muss sein Tod sie betrüben, verhehlt sei ihr die Tat. Auf muntres Jagen ziehen wir morgen der Edle braust uns voran, ein Eber bracht ihn da um. GUNTHER UND BRÜNNHILDE So soll es sein! Siegfried falle! Sühn er die Schmach, die er mir schuf! Des Eides Treue hat er getrogen mit seinem Blut büss er die Schuld! Allrauner, rächender Gott! Schwurwissender Eideshort! Wotan! Wende dich her! Weise die schrecklich heilige Schar, hieher zu horchen dem Racheschwur! HAGEN Sterb er dahin, der strahlende Held! Mein ist der Hort, mir muss er gehören. Drum sei der Reif ihm entrissen. Alben-Vater, gefallner Fürst! Nachthüter! Niblungenherr! Alberich! Achte auf mich! Weise von neuem der Niblungen Schar, dir zu gehorchen, des Ringes Herrn! Als Gunther mit Brünnhilde heftig der Halle sich zuwendet, tritt ihnen der von dort heraustretende Brautzug entgegen. Knaben und Mädchen, Blumenstäbe schwingend, springen lustig voraus. Siegfried wird auf einem Schilde, Gutrune auf einem Sessel von den Männern getragen. Auf der Anhöhe des Hintergrundes führen Knechte und Mägde auf verschiedenen Bergpfaden Opfergeräte und Opfertiere zu den Weihsteinen herbei und schmücken diese mit Blumen. Siegfried und die Mannen blasen auf ihren Hörnern den Hochzeitsruf. Die Frauen fordern Brünnhilde auf, an Gutrunes Seite sie zu geleiten. Brünnhilde blickt starr zu Gutrune auf, welche ihr mit freundlichem Lächeln zuwinkt. Als Brünnhilde heftig zurücktreten will, tritt Hagen rasch dazwischen und drängt sie an Gunther, der jetzt von neuem ihre Hand erfasst, worauf er selbst von den Männern sich auf den Schild heben lässt. Während der Zug, kaum unterbrochen, schnell der Höhe zu sich wieder in Bewegung setzt, fällt der Vorhang この日本語テキストは、 クリエイティブ・コモンズ・ライセンス の下でライセンスされています。@wagnerianchan Wagner,Richard/Götterdämmerung/III
https://w.atwiki.jp/oper/pages/193.html
第2幕 (森の奥深く。舞台後方は、洞窟への入口が一面に広がっている。舞台中央に向かって地面は登り坂になり、中央の小高い平らな丘にまでつながっている。その丘を越えると、坂は下りになり、洞窟にまでつながっている。したがって、観客からは、洞窟の上の方しか見ることはできない。左手には、木々の合い間を通して、裂け目だらけの岩壁が見分けられる。暗い闇夜だが、その闇は舞台後方で最も濃いため、最初のうち観客には洞窟の存在すら見分けることができない) 前奏曲と第1場 (アルベリヒ、ファフナー、さすらい人) <アルベリヒ> (岩壁に脇をもたれ、陰鬱に考え事をしている) 夜の森で、俺は、嫉妬の洞窟を見張っている。 耳をそば立てながら、目を皿のようにして見張っている。 不安な一日よ・・・もう始まろうというのか? 早くも闇を追いのけ、明けるというのか? (その時、舞台右手で、つむじ風が巻き上がり、青みがかった輝きがそこから放たれる) なんだ?あのきらきらした光は? 明るい光がどんどん近づいてくる。 輝く馬のように、ごうごうとうなりながら、 森を走り抜けて来る。 さては早くも龍退治する者が来たのか? ファフナーを打ち殺す者が来たのか? (つむじ風は収まり、輝きも消える) 光が消え、 明かりも消えた。 またも夜だ。 (さすらい人が森から出てきて、アルベリヒに向かい合う) 影の中に光るお前は、何者だ? <さすらい人> わしは、夜を突いて、ナイトヘーレに来たのだ。 暗闇の中にいるお前こそ何者だ? (突然、雲が裂けて月光が射し込み、さすらい人の姿が照らし出される) <アルベリヒ> (さすらい人の姿を認めると、驚いて後じさりするが、瞬く間に凄まじい怒りを爆発させる) この場所に、お前自身が姿を見せるとは! 何を始める気だ? 消えちまえ! 失せろ!恥知らずな泥棒め! <さすらい人> (落ち着き払って) 黒いアルベリヒよ。こんな所をうろついていたのか? ファフナーの住みかを見張っていたのか? <アルベリヒ> どうせまた新たな嫉妬に駆られて来たのだろう? こんな所で休まずに、とっとと失せろ! この場所は、もう危険なほど、欺瞞に満ちている。 厚かましいお前だとて、もうこの場所は放っておけ! <さすらい人> わしは見るために来たのであって、 行為するために来たのではない。 誰が、さすらい人の行く手を遮ると言うのだ? <アルベリヒ> (悪意を込めてカラカラと笑う) お前は、あくどい陰謀の親玉じゃないか! もし、間抜けな俺が、あの時みたいにバカで、 お前にあっさりと縛り上げられたなら、 そのほうが、きっと好都合だろう。 それならば、今度もまたあっさりと、 俺の指輪を奪い取れるだろうよ! だがな、気をつけろよ!お前の手口はよく知っている。 それに、お前の弱みだって、 もうこの俺は、お見通しなのだ。 俺の財宝を使って、お前は借金を帳消しにした。 城を建てた巨人達の働きへの報酬として、 俺の指輪を渡したのだから。 あの時、あの強情な巨人族とお前が交わした契約は、 今もなお、ルーネ文字として、 お前の槍の柄に刻まれている。 だからこそ、お前は、かつて対価として支払ったものを、 巨人達から奪い取ることはできないのだ。 そんなことをすれば、お前自らが槍の柄を真っ二つに割り、 手に持っている強力な支配の杖を、 粉々にしてしまうわけだからな! <さすらい人> お前のような邪悪な者を捕らえるためには、 槍に刻まれた契約の信義のルーネ文字を使う必要もない。 お前を従わせるには、槍が本来持つ力を使えば十分だ。 だから、わしは戦いに備えて、槍を大事にしているのだ! <アルベリヒ> いきがって強そうなふりをしているが、 内心は不安でたまらないんだろう! 俺のかけた呪いのせいで、 宝の持ち主は、死の運命を背負ってしまう。 「次に、この宝を受け継ぐのは、誰なんだ? 誰もがうらやむ宝は、 再びニーベルングの手に入るのではないか?」 そんな考えが、お前を永遠の不安に突き落としているのだ! ひとたび宝が俺の手中に戻ったら、 俺は、あのバカな巨人達とは違うやり方で、 指輪の力を使ってやるぞ。 震えあがるがいい!神聖な勇者の守護者よ! ヴァルハラの天上世界を、俺は地獄の軍隊で急襲するぞ。 そうして世界を支配するのだ! <さすらい人> (落ち着き払って) 言いたいことは良く分かったが、 だからと言って、わしが心配するようなことは何もない。 指輪を手に入れる者が、指輪を持てばいいだけのことだ。 <アルベリヒ> お前がそんなに曖昧な返事をする理由を、 俺はよく分かっているぞ! お前は、運命への叛逆心を、勇者たる息子達に預けたのだ。 (嘲るように) お前の血を引く勇者達にな。 お前は、ある若者の面倒を見ているが、 そいつがうまく果実を摘み取れば、 (ますます激しい口調で) お前自身は禁を破らずとも済むわけだものな? <さすらい人> 口論なら、わしとではなく、ミーメとするがいい。 お前の弟ミーメこそ、お前を危険に陥れるぞ。 ミーメが連れてくる若者は、 必ずやファフナーを倒すだろう。 わしのことは何も知らないこの若者を、 あのニーベルングは、自分のために利用しているのだ。 それゆえ、お前には、こう言おう。 お前の好きなようにするのだ! (アルベリヒは、激しい好奇心を示すような仕草を見せる) わしの言うことをよく聞け!注意して聞け! 若者のほうは指輪のことなど知らない・・・ しかし、ミーメが指輪を見つけてしまうぞ。 <アルベリヒ> (激しく) お前は、財宝からは手を引いたのか? <さすらい人> わしの愛する者を、わしは自分のままにしておいてやりたい。 生きようが死のうが、その者が自分で決めるのだ・・・ わしにとって必要なのは、そのような勇者のみなのだ。 <アルベリヒ> 俺は、ミーメとだけ、指輪を争えばいいのか? <さすらい人> お前以外に黄金を欲しがっているのは、あの男だけだ。 <アルベリヒ> だが、もし、俺の手に入らなかったら? <さすらい人> (さすらい人は悠然と近づいてくる) 一人の勇者が、宝を得ようと、近づいてくる。 二人のニーベルング族が、黄金を欲している。 指輪を見張っているファフナーが斃される時、 うまく指輪をかすめ取れば、指輪はその者の手に入るだろう。 他に何か知りたいことがあるか? あそこに龍が寝ているぞ・・・ (さすらい人は洞窟の方へ振り向く) お前が、あの龍に、死について警告すれば、 あるいは、つまらぬ宝など、自発的に手放すかも知れん。 わしが、お前に代わって、あの龍を起こしてやろうか。 (さすらい人は、洞窟の前の小高い丘に陣取って、洞窟の中に向かって呼びかける) ファフナー!ファフナー! 起きるのだ!龍よ! <アルベリヒ> (緊張と驚きの中で、独り言を言う) こいつ、何を始める気だ? 本当に俺に指輪をくれるってのか? (真っ暗な舞台の奥深くから、大きなメガホンを通したファフナーの声が聞こえてくる) <ファフナー> 誰だ?俺の眠りを邪魔するのは? <さすらい人> (洞窟に向かいながら) お前に、危険を知らせに やって来た者がいるぞ。 お前の命を救いに来た者がいるぞ。 命を救いたくはないか? その者に、お前の持つ宝を渡すのと引き換えに。 (さすらい人は、洞窟に向けて耳を澄ます) <ファフナー> その男は、何が欲しいんだ? <アルベリヒ> (さすらい人の傍に進んで来ていたアルベリヒも、洞窟の中に呼びかける) 起きろ、ファフナー!起きろ、龍よ! 強い勇者がやって来て、 お前の大事な体を打ち倒すぞ。 <ファフナーの声> そいつを、すきっ腹に詰め込んでやるよ。 <さすらい人> その若者の力は強く、 剣の切れ味は鋭いぞ。 <アルベリヒ> その若者が欲しいのは、黄金の指輪だけだ。 だから、その指輪を俺にくれれば、 俺がその見返りに、戦いを回避してやろう。 お前はこのまま宝を持ち、 安らかに生き永らえれば良い! <ファフナーの声> 俺は、寝たまま、持ち続ける。 (大あくびをする) 眠らせてくれ! <さすらい人> (さすらい人は大笑いして、アルベリヒのほうに振り返る) ふむ。アルベリヒ。失敗だったな。 だが、わしを嘘つきと罵るのはやめてくれ! お前にもう一つ大事なことを教えてやろう・・・ (親しげにアルベリヒのもとに歩み寄りながら) 全ての物事は、それぞれの性質に従っていて、 その性質は寸分たりとも、お前には変えられないのだ。 この場を、わしはお前に譲ろう・・・しっかり陣取れよ! まず、お前の弟ミーメで、試してみるがいい。 あの男の性質なら、お前のほうが良く予測できるだろう。 (下り坂に向かいながら) 他の事物の性質についても、よく勉強してみることだな! (さすらい人は森の中に消える。つむじ風が巻き起こり、明るい光がぴかっと光るが、どちらもすぐに消えていく) <アルベリヒ> (飛び去って行くさすらい人を見やりながら) あいつ、光る馬に乗って、飛んで行きやがった。 俺を不安と嘲りとに包み込んだまま。 だがな・・・笑っていられるのも今のうちだぞ。 軽薄で、遊び好きの、ならず者の神々め! お前たちが滅びる姿を、この目で見てやるからな! あの黄金が、光を浴びて輝く限り、 知恵ある俺は、見張り続ける。 反逆の意地が、いずれはお前らを出し抜くのさ! (アルベリヒは、するりと岩壁の隙間に入り込む。舞台は空っぽになっている。曙光が広がり始める) 第2場 (ミーメ、ジークフリート、ファフナー、森の小鳥) (曙光が射し込む中、ミーメとジークフリートが登場する。ジークフリートは靭皮で作った剣帯に剣を差しこんでいる。ミーメは、じっくりと辺りを見渡す。ついには探るように舞台後方まで行くが、やがて舞台前景の中央にある小高い丘が陽射しに照らされて明るくなると、ミーメの姿は真っ黒な影に隠れてしまう。やがてミーメはジークフリートに合図する) <ミーメ> 着いたぞ!ここでゆっくりしよう! <ジークフリート> (大きな菩提樹の下に腰掛け、周りを見渡す) こんな所で「恐怖」が学べるのかい? ずいぶん遠くにまで連れてきたなあ。 森の中を一晩中、 二人で歩いてきたのだから。 さあ、ミーメ、もうぼくとは離れてくれ! ぼくがここで、 学ぶべきものを学べなかったら、 ぼくは一人で、先に行くよ。 そしたらやっと、お前とはおさらばだ! <ミーメ> (ミーメはジークフリートに向かい合って座り、その目は相変わらず洞窟へと向けられている) お前や・・・わしの言うことを聞くのじゃ! 今日ここで「恐怖」を学べなかったら、 別の場所、別の時に、 それを学ぶことは難しかろう。 あの真っ暗な洞窟の裂け目を見たかい? あの中には、背筋も凍る凶暴な龍が潜んでいるのだ。 その龍は物凄く怒りっぽく、しかも巨大だ。 恐ろしい口をがばっと開けて、 あの邪悪な龍は、お前を一飲みにして、 髪の毛や皮ごと食べてしまうのだ。 <ジークフリート> (相変わらず菩提樹の下に腰掛けながら) その龍の口をふさいでしまえばいいじゃないか。 そしたら噛まれることもないだろう。 <ミーメ> あの龍は、毒の泡を口から吐くのじゃ。 獲物に唾液の汁をペッと吐きかけると、 たちまち肉も骨も消え失せてしまうのじゃ。 <ジークフリート> よだれの毒に溶かされないように、 ぼくは龍の横腹に回り込む。 <ミーメ> 蛇のように細くて長い尻尾が、巻き上がるぞ。 龍はその尻尾を獲物に巻きつけて、固く締め上げ、 獲物の体をガラスのように粉々にしてしまうのじゃ! <ジークフリート> 尻尾の動きにつかまらないよう、 そいつの動きに注意するさ。 だが、一つ教えてくれ・・・ その龍には、心臓がついているのかい? <ミーメ> 怒りっぽくて硬い心臓がついている! <ジークフリート> やっぱり心臓はあるのか。 その心臓は、人にせよ、獣にせよ、 誰もが持っている所についているのか? <ミーメ> そうとも・・・お前・・・龍も心臓を持っている。 さあ、恐怖を感じてこないかい? <ジークフリート> (これまで体を伸ばして寝そべっていたジークフリートは、急いで体を起こして座る) ノートゥングを、そいつの心臓に突き刺してやるよ! こんなものが「恐怖」だって言うのかい? おい!この老いぼれ! これがお前の知恵で教えられる限界なのか? だったら、もうお前の道を行くがいい。 こんな所で「恐怖」など学べるものか。 <ミーメ> まあ、待て!待て! わしがお前に言うことは、今は空疎に響くじゃろうが、 百聞は一見にしかず・・・まずはやってみなければ。 間もなく、お前の意識はぶっ飛ぶぞ! 目がかすみ、 大地が揺らぎ、 心臓が不安げにバクバクと打ち鳴らす時・・・ (きわめて親しげに) その時お前は、ここまで連れて来たわしに感謝するじゃろう。 ミーメがお前をどんなに愛していたか分かるじゃろう。 <ジークフリート> お前がぼくを愛するはずがあるかい! 前に言わなかったか? 目の届かない所に行けと言うんだ! 一人にしておいてくれ・・・ さもなけりゃ、もうこれ以上耐えられないんだ。 愛なんて言われちゃ余計にな! お前が気色悪く、うなずいたり、目を瞬かせる様子を、 一体いつになれば、ぼくは見なくて済むんだ? こんな阿呆と、いつになれば、おさらばできるんだ? <ミーメ> もう一人にしてやるよ。 わしは泉のほとりで一休みする。 お前はここに残っていろ。 そして太陽が高く昇ったら、 龍の動きに気をつけろ。 きっと龍は洞窟を転がり出て、 この場所の脇を通り過ぎて、 泉の水を飲みに行くじゃろうから。 <ジークフリート> (大笑いして) ミーメ。お前が泉のほとりにいるなら、 ぼくは龍を、お前の所に行かせようか。 ノートゥングを龍の臓器に突き刺すのは、 まずお前が龍に飲み込まれてからにしてやろう。 だから、ぼくの言う通りにしろ。 泉のほとりでなんか休むな。 できるだけ遠くに消え失せて、 もう二度とぼくの所には来ないでくれ! <ミーメ> 戦勝の暁の気晴らしとして、 わしが来るのは拒まんじゃろう? (ジークフリートは、ミーメをしっしと追い払う) わしを呼ぶんじゃよ・・・ 何か助言が欲しくなったらな。 (ジークフリートは、ミーメを追い払う仕草を、物凄い勢いで繰り返す) または、「恐怖」がお気に召した場合もな。 (ジークフリートは立ち上がり、怒りに満ちた身振りでミーメを追い払う) <ミーメ> (退場しながら、独り言で) ファフナーとジークフリート・・・ジークフリートとファフナーか・・・ ああ・・・あいつらが共倒れになってくれりゃいいのになあ! (ミーメは舞台右手に広がる森の中へと姿を消す) <ジークフリート> (ジークフリートは、菩提樹の下で、気持ち良さそうに体を軽く伸ばし、去って行くミーメの姿を見ている) あいつがぼくの父さんでなくて、 ほんとうに良かった! ようやく今、爽やかな森が心地よく思え、 太陽が楽しく微笑みかけてくるようになった! やっと、あのイヤな奴がいなくなり、 もう二度と会わずに済むんだもの! (ジークフリートは黙ったまま物思いに沈む) どんな姿だったんだろう?ぼくの父さんは・・・。 決まってるさ!ぼくにそっくりだったんだ! もしもミーメに息子がいたなら、 そいつはミーメに瓜二つなはずじゃないか? まさにあんな感じの、暗い顔した陰気な奴で、 背は低く、猫背で、こぶだらけで、足を引きずり、 耳はぶらんと垂れ、ただれた目をして・・・ いいや・・・もう小びとの話なんかよそう! あんな奴には、もう二度と会いたくないんだから。 (ジークフリートはさらに深く体をもたせ、木のこずえ越しに空を見上げる。深い静寂) (森のささやき) だけど・・・ぼくの母さんこそ、どんな姿だったんだろう? ぼくには、想像することさえできない! きっと、お母さんの両眼は、 雌鹿のように、明るくきらきらと輝いて・・・ いや、それよりも、もっと美しかったはず! 心に不安を抱えながら、ぼくを産み落とした時、 なぜ、お母さんは死んだのだろう? 人間の母親は、子供を産むと みんな死んでしまうという決まりでもあるんだろうか? だとすれば・・・悲しすぎる!あんまりだよ! ああ・・・一目でいいから、お母さんに会いたい! ぼくの母さん・・・人間の女性! (ジークフリートは静かにため息をつくと、さらに深く体をもたせて伸びをする。大いなる静寂。森の生き物たちが奏でるささやきが、次第に高まっていく。ジークフリートの関心は、しまいには森の小鳥達の歌声に捉えられる。ますます関心を募らせて、ジークフリートは、頭上の枝に止まっている一羽の小鳥の声に耳を澄ます) 可愛い小鳥さん!君の声を初めて聴いたよ。 君はこの森に棲んでいるのかい? 君の甘いさえずりが、どんな意味なのか分かればなあ! もしや、ぼくの愛する母さんのことでも、話しているのかな? あのやかまし屋の小びとが言ってたっけ。 鳥たちの歌う声は、 その気になれば理解ができるんだと。 でも、どうやったらできるんだろう? (ジークフリートは考え込む。その時、菩提樹から遠くない場所に生えている葦の茂みが目に入る) よし!いっちょやってみよう。あの鳥の真似をしてみよう。 葦の笛で、あの歌声を真似してみよう! 言葉が無くても、 節まわしさえ分かれば、 ぼくは鳥の言葉を歌い、 どんな意味なのかも理解できるはずだ。 (ジークフリートは泉に向って行き、一本の葦を剣で切り取り、それを刻んで急いで葦笛に作り直そうとする。そうしながら、ジークフリートはまた耳を澄ます) 向こうも黙りこくって、耳を澄ましているようだ・・・ 今度はぼくがおしゃべりしてやろう! (ジークフリートは葦笛を吹く。一旦中断すると、また刻み直して手を加える。もう一度吹いてみるが、首を振り、また手を加える。そのうちジークフリートは怒りだし、葦を強く握り締めて、再度試してみる。しかし最後は微笑みながら、きっぱりと諦める)いい音にならない・・・ 楽しい曲を吹くためには、 葦では不向きなのかもなあ。 小鳥さん・・・どうやらぼくは相変わらずバカなままだ。 君から何か学ぶのも、一筋縄ではいかないようだ。 (ジークフリートは小鳥の歌をもう一度聞き、小鳥のほうを見上げる) あのいたずらな小鳥に対して、 ぼくは恥ずかしくてしょうがない。 ぼくの姿を見ているだけで、何にも聞かせてやれないなんて。 そうだ!それなら、ぼくの角笛を聞かせてやろう。 (ジークフリートは葦を振ってから、それを遠くに放り投げる) こんなダメな葦笛には、用はない。 ぼくが得意にしている森の調べ・・・ 陽気な森の調べを、ぜひ聞いておくれよ。 ぼくはこの歌で、愉快な仲間を呼び集めたものさ・・・ まあ、せいぜい狼や熊しか来なかったけどね。 さあ、やってみよう・・・ 今度はどんなのが集まるかな? 楽しい仲間がやって来るかな? (ジークフリートが銀色の角笛を取り出して吹き鳴らすと、舞台後方で何かが動く。恐ろしいとかげのような姿をした巨龍ファフナーが、洞窟の中のねぐらから身を起こしたばかりである。ファフナーは、木の茂みをなぎ倒しながら、底のほうから、さらに高い場所にのたくって行き、その上半身はすでに高い場所に届いている。今やファフナーは、あくびをするような野太い息を吐き出す) <ジークフリート> (振り返り、不思議そうにファフナーを見る) ハハハ!ぼくの歌は、 また愉快なのを呼び出してきたもんだ! お前だったら、ぼくのいい仲間になれそうだ! <ファフナー> (ジークフリートの姿を見て、丘の上で動きを止め、そのままそこから動かない) 何だ?いったい? <ジークフリート> おい!お前は獣のくせに、 話はできると言うのだったら、 何かぼくに学ばせてくれるんだろうな? ここにいるのは、恐怖を知らない男。 お前、恐怖ぐらいは教えられるんだろうな? <ファフナー> カラ元気で言っているのか? <ジークフリート> 元気も、カラ元気も、知るものかい! だけど、ぼくはお前の体に斬りかかるぞ。 お前が恐怖を教えてくれないのなら! <ファフナー> (笑い声のような息を吐き出す) 何か飲もうと思っていたところだが、 エサにまでありつけるとはな! (龍は口を開き、歯をむき出しにする) <ジークフリート> 何ともきれいな口の中を見せてくれるもんだ。 いかにも食いしん坊じみた豊かな歯並びだな! だが、もう閉じた方がいいぞ。 あんまり大口を開けすぎたようだからな! <ファフナー> この口は、無駄口を叩くためにあるんじゃない。 お前を飲み込むためにあるんだ。 (ファフナーは尻尾でジークフリートを威嚇する) <ジークフリート> こらこら!残忍で怒りっぽい奴だな! ぼくだって、お前の胃に溶かされては具合が悪い。 やっぱり一番いいのは、 ここですぐにお前を、くたばらせてやることだな。 <ファフナー> (大きな声で吠える) こいつめ!かかって来い!大ぼら吹きの若造めが! <ジークフリート> 気をつけろ!吠える龍め!その大ぼら吹きとやらが相手になってやる! (ジークフリートは剣を抜き、ファフナーに切りかかったが、まるで挑発するようにその場を動かないでいる。ファフナーは、丘に向けて巨体をのた打たせ、鼻の穴からジークフリートに鼻水を振りかける。ジークフリートは鼻水をかわし、ファフナーの近くに駆け寄り、脇腹の近くに陣取る。ファフナーは尻尾でジークフリートを捉えようとするが、もうすぐ捉えようという時、ジークフリートは一飛びでファフナーの体を飛び越え、尻尾に傷をつける。ファフナーは、大声で吠え、尻尾を勢いよく後ろに引っ込めると、上半身を木のように直立させて、ジークフリートを体ごと押し潰そうとする。だが、そのためにファフナーが胸を見せた瞬間、ジークフリートは即座にファフナーの心臓の在りかを見抜き、剣を柄まで突き立てる。ファフナーは苦痛のあまり、ますます高く棒立ちになり、ジークフリートが剣を離して脇に離脱した直後、傷を下にして崩れ落ちる) <ジークフリート> そこに寝転んでいるがいい!欲深い奴め! お前の心臓には、ノートゥングが突き立てられている。 <ファフナー> (次第に弱まっていく声で) 勇敢な少年よ・・・ わしの心臓を貫いたお前は何者だ? 誰がお前をそそのかし、 子供のお前に、殺しの所業などさせたのだ? お前が今やったことが、 お前のような子供の頭に浮かぶはずがない・・・ <ジークフリート> ぼくも、まだ多くのことは知らない。 このぼくは、ぼく自身が何者かさえ分からないんだ。 だが、今ぼくをそそのかし、 お前と命のやり取りをさせたのは、お前自身じゃないか。 <ファフナー> 澄んだ目をした少年よ・・・お前自身のことも分からんのだと。では、せめて、お前が殺した相手が誰か教えてやろう。 巨体を誇る巨人族、 ファゾルトとファフナーの兄弟・・・ その兄弟が・・・今、二人とも斃れたのだ。 神々から与えられた呪いの黄金のために争って、 わしはファゾルトを殺した。 だが、龍となって宝を見張っていた 最後の巨人族ファフナーも、 バラ色の肌をした勇者に斃されたのだ。 目を見開いて、ようく見ろ・・・若さに輝く少年よ・・・ 何も分からないお前に、わしの殺害をそそのかした男は、 今は、若いお前の死を企んでいるぞ!(息も絶え絶えになりながら) 覚えておけ・・・最後はどうなるか!このわしのことを忘れるな! <ジークフリート> ぼくは何者なのかを、教えてくれないか? お前は凶暴だったけど、死ぬ間際に賢くなったようだ・・・ ぼくの名前を伝えれば、分かるかい? ぼくの名前は、ジークフリート。 <ファフナー> ジークフリート・・・だと! (ファフナーはため息を吐き、やや体をもたげると、死んでしまう) <ジークフリート> 死んだら、もう何も教えられないものな。 ならば、生きている剣の導きに、頼るとしよう! (ファフナーは、死ぬ時にごろんと転がり、脇腹を見せていた。ジークフリートは龍の胸から剣を引き抜く。 すると、その時、返り血がジークフリートの手を濡らし、 彼は激しくその手を振り上げる) 火のように熱い血だ! (ジークフリートは我知らず指を口に持って行き、指についた血を吸い取ろうとする。そのまま物思いしながら、目の前をじっと見つめると、彼の注意力は徐々に小鳥の歌へと引き寄せられていく) どうやら、あの鳥たちは、 このぼくに何かを語りかけているようだ! 血をなめたおかげで、そうなったのかな? ねえ・・・きれいな小鳥さんたち、 いったい何を歌っているんだい? <森の小鳥の声> (ジークフリートの頭上の菩提樹のこずえから) わあい!ニーベルングの宝は、ジークフリートのものだ! ああ!洞穴(ほらあな)にある宝を見つけちゃえばいいのになあ! 隠れ頭巾を手に入れれば、 きっと楽しい冒険に役立つよ! でも、指輪まで探り当てちゃったら、 きっと世界を支配できちゃうなあ! <ジークフリート> (穏やかに息を吐いて、うっとりしたような顔で、小鳥の歌声を聴いている) 小鳥さん・・・いい助言をありがとう! 言う通りにしてみるよ! (ジークフリートは後ろを振り返り、洞窟に向かって降りて行くので、すぐに全身が見えなくなる) 第3場 (アルベリヒ、ミーメ、ジークフリート、森の小鳥) (ミーメが臆病そうにきょろきょろ辺りを見回し、ファフナーが死んだかどうか確かめながら、やって来る。それと同時に、アルベリヒが反対側の岩の裂け目から現れる。アルベリヒは、ミーメの姿をじっと目で追っている。視界にジークフリートが見えなくなったミーメが、恐る恐る背後の洞窟の方に向かって歩き始めた時、アルベリヒはミーメに向かって突進し、ミーメの行く道をふさぐ) <アルベリヒ> そんなに慌てて、どこへ行こうってんだ? この悪知恵野郎め。 <ミーメ> くそいまいましい兄貴め!なぜお前が来る! どうして来たんだ? <アルベリヒ> 俺の黄金が欲しいってのか?悪党め。 俺の持ち物を狙おうってのか? <ミーメ> 出てけ!ここはわしのシマだ。 何を探そうってんだ? <アルベリヒ> お前が盗みを働く現場を、 俺が黙って見ていられるものか? <ミーメ> このわしが、さんざん苦労して手に入れたのだ。 誰がみすみす手放すものか。 <アルベリヒ> 指輪に使う黄金をライン河から奪ったのは、お前か? よく効く魔力を指輪に封じ込めたのは、お前か? <ミーメ> それを言うなら、 姿を変える隠れ兜を作ったのは誰だ? 隠れ兜を欲しがった奴は、 それを自分で発明できたか? <アルベリヒ> お前は頭が鈍いから、 そんな鈍い話しか出来ないのか? 魔法の指輪があるからこそ、 お前も、隠れ兜を作れたんじゃないか。 <ミーメ> だったら、その指輪はどこにある? 臆病者のお前が、巨人族に奪われたんじゃないか! お前が失くしてしまったものを、 わしは策略で取り戻すのだ。 <アルベリヒ> あの若造の行為のおこぼれに、 お前のようなしみったれが、あずかるわけか? でもな。指輪はお前のものにはならん。 あの陽気な若造が指輪を持っている限りはな! <ミーメ> あいつを育てたのは、このわしだぞ。 今こそ養育料を払ってもらうのだ・・・ 数々の苦労と重荷が報われる日を、 わしは首を長くして待っていたんだ! <アルベリヒ> けちで卑怯な奴隷のお前が、 子どもを育てた養育料代わりに、 思い上がりも甚だしく、王になろうというわけか? 指輪がお前の手に入るぐらいなら、 病気の犬にくれたほうがまだマシだ。 お前みたいな無礼な奴に、支配者の指輪が手に入るものか! <ミーメ> (頭を掻きながら) そうか、そこまで言うなら、兄貴にやるよ・・・ あのきらめく指輪はな! 王となるのはあくまで兄貴だ。だが、代わりに、わしを王弟にしてくれ! そして、わしの作った愉快なおもちゃ、 あの隠れ兜を、指輪の代わりに、わしにくれ。 二人にとっておいしい話だ。獲物を二人に山分けしよう。 (ミーメは、信頼してくれと言わんばかりに、両手をもみしだく) <アルベリヒ> (ミーメを嘲笑って) 山分けだと? 隠れ兜だと? 何てずるい奴だ! それじゃいつお前の罠にかかるか怖くて、 一睡たりともできねえよ! <ミーメ> (我を失って) 交換すらもしないのか? 山分けもしないのか? 手ぶらで帰れと言うのか? 何一つ見返りなしか? (金切り声で) このわしには、何もよこさないってのか? <アルベリヒ> 何一つやらん! これっぽっちもやるものか! <ミーメ> (怒髪天をつく勢いで) 指輪もやらないぞ!隠れ兜もやらないぞ! 兄貴にゃやらないぞ! 何一つ分け合わないぞ! ジークフリートを呼んできて、 あいつの剣を兄貴に食らわせてやる。 気の短いあの勇者に、 兄貴よ!お前を殺させてやるからな! (舞台後方にジークフリートが現れる) <アルベリヒ> さあ、引き返せ! あいつが洞窟から出てきた! <ミーメ> (後ろを振り返る) 子どものガラクタを選んできたに違いない。 <アルベリヒ> 隠れ兜を持っている! <ミーメ> 指輪もだ! <アルベリヒ> こんちくしょう!・・・指輪もか! <ミーメ> (意地悪く笑いながら) その指輪をくださいと、あいつに頼んでみろよ! わしのものになるのだ・・・もうすぐな。 (ミーメは、最後のセリフを残して、そろそろと森の中へと戻っていく) <アルベリヒ> だが、それでも、あの指輪は、 元の持ち主であるこの俺の手に返るはずだ! (アルベリヒは、岩壁のすき間に姿を消す) (先のセリフの間に、隠れ兜と指輪を持つジークフリートは、ゆっくりと物思いしながら、洞窟を出て前方に進み出る。彼は、思案をめぐらしながら戦利品を眺めまわし、舞台中央の丘の上の樹の傍で、また立ち止まる) <ジークフリート> こんなものが何の役に立つのか、まるで分からないなあ・・・ でも、積み重なった黄金の山の中から、 この2つを選んで来たのは、 さっきの忠告に従ったからさ。 差し当たっては、今日の記念の品と言うところかな。 このおもちゃを持っていれば、 ぼくはファフナーと戦って倒したことを思い出すだろう。 もっとも、今だって「恐怖」が何かは分からずじまいだけど! (ジークフリートは隠れ兜をベルトの間に差し、指輪を指にはめる。静寂。森の生き物のささやき声が大きくなる。ジークフリートは我知らず小鳥の声に耳を傾け、息をひそめて、その歌声を聴いている) <森の小鳥の声> わあい!頭巾も指輪も ジークフリートのものだ。 でもね!ウソつきのミーメを信じちゃダメだよ! あのウソつきの甘い言葉を、ジークフリートが、 しっかり聞き分けられればいいけどなあ! 彼は、ミーメが心に思った通りに、 ミーメの言葉を聴き取れるはず。 龍の血をなめたおかげだよ。 (ジークフリートの表情と態度は、彼が小鳥の歌の意味するところを十分理解したことを物語る。彼は、ミーメが近づいてくるのを見ながら、剣に体をもたせて身じろぎもせず立ち止まり、続く場面が終わる時まで、丘の上で同じ姿勢のままでいる) <ミーメ> (ミーメは、するすると忍ぶようにやって来て、舞台前方からジークフリートを見つめる) あいつ、戦利品の品定めをしているんだな。 きっと、この辺には、あの知恵者のさすらい人もいるはずだ。 あいつが、ここらをうろつき回り、ずる賢いルーネの知恵で、 ジークフリートに何か吹き込んだんじゃないのか? 小びとのわしよ・・・両面に注意をめぐらし、利口に立ち回れ。今こそ、陰謀の罠を張りめぐらし、 優しい素振りで嘘をついて、 あの小癪な若造を騙す時だ。 (ミーメはジークフリートのほうに歩いて行き、媚びるような仕草でジークフリートを歓待する) よくぞ帰ってきた、ジークフリート! 勇者よ!どうだった?恐怖を学ぶことはできたかい? <ジークフリート> 恐怖を教えてくれる者を、ぼくはまだ見つけていない! <ミーメ> だが、龍がいただろう? お前が打ち殺した龍が・・・。 相当すごい奴だったんじゃないのか? <ジークフリート> 怒りっぽい陰険な奴だったけど、 あいつの死を思うと、少し泣けてくるぐらいだ。 あいつより、もっとたちの悪い人殺しが、 殺されもせず、のうのうと生きているんだからな! ぼくがあの龍よりも何倍も嫌いなのは、 龍を殺せとそそのかした奴のほうなんだ! <ミーメ> (きわめて親しげな様子で) まあ、落ち着くんじゃ!もう長くはないぞ・・・ お前がわしの姿を見るのもな。 じきに永遠の眠りへと、 お前の眼を閉じてやるからな! わしにとって必要だった仕事を、 (猫なで声で) お前はもうすっかり成し遂げてしまった。 今となっては、残る仕事は、 お前から獲物を奪い取ることだけ。 きっと、まんまとうまく行くはずじゃ・・・ お前ごときを騙すのは、いとも簡単なのだから! <ジークフリート> つまり、ぼくを殺そうというわけだな? <ミーメ> (いぶかしんで) わしは今何と言った・・・? ジークフリート!せがれや・・・よく聞くのじゃ! お前と、お前の種族を、 わしはずうっと、心から憎んできたのだ・・・ (猫なで声で) わしが厄介者のお前を育てたのは、愛情のゆえではない。 ファフナーが守っている財宝こそ、 あの黄金こそ、わしが苦心して求めてきたものなのだ。 (まるで、素敵なことでも約束するかのように) だから、お前がわしに自ら黄金を差し出さないのなら・・・ (まるでジークフリートのために今にも命を投げ出す決心があるかのように) ジークフリート・・・せがれや・・・ 分かっとるじゃろう・・・ (親しみを込めて楽しげに) お前はわしに命を差し出さねばならんのじゃ! <ジークフリート> お前がぼくのことを嫌いと聞いて、ぼくの方も嬉しいよ・・・ だが、それに加えて、命までも差し出せと言うのか? <ミーメ> (怒って) そんなことを、わしが言ったか? お前は、わしの言うことを、すぐに誤解して取る! (ミーメは瓶を取り出してくる。誰にも分かるほどわざとらしく声音を変えながら) さあ、激しい戦いで疲れているだろう・・・ まだ体がカッカと火照っているだろう。 そんなお前の喉を、冷たい水で癒すのを、 気の利くわしは、忘れていなかったぞ。 お前が剣を熱くたぎらせていた時、 わしはこの汁を温めていた。 お前が、この汁を飲み込めば、 お前の大切な剣が、わしのものになる。 剣だけではない。兜と財宝もじゃ。 (ミーメは、クククッと笑う) <ジークフリート> つまりお前は、ぼくの剣が目当てなんだな? ぼくが手に入れた指輪や財宝を、 お前は奪い取るつもりなんだな? <ミーメ> (激しく) どうして間違った受け止め方をするんだ! 舌がもつれてるのかな?しゃべりすぎてしまうんだろうか? わしは、物凄い苦労をしてるんだぞ・・・ 内心の思いを、偽善の嘘でごまかすためにな。 なのに、バカな小僧のお前と来たら、万事間違った受け止め方をする! 耳の穴をかっぽじって、正確に聞き取れ・・・ ミーメの言葉を、よく聴くのじゃ! (またもきわめて親しげに、見え透いたわざとらしさで) さあ、この飲み物を手に取って、お飲み! これまでも、よく飲ませてあげただろう・・・ お前は無愛想な時も、悪態をついていても、腹を立てていても、わしがあげた物は、いつも受け取っていたじゃないか。 <ジークフリート> (顔色を変えることなく) いい飲み物なら、喜んで飲むよ・・・ でもこの飲み物は、何を煮込んで作ったんだ? <ミーメ> (ミーメは愉快そうにはしゃぐ。まるで、この飲み物には、人を心地よく酔わせる効き目でもあるかのように) さあ!飲んでくれ!わしの腕を信じて! 飲めばたちまちお前の心は、夜と霧とに包まれる・・・ 正気も意識も失って、 手足がまっすぐ硬直する。 そうして、お前が寝てしまえば、 わしはたやすく、 宝を手に入れ、隠してしまう。 とはいえ、お前が目を覚ませば、 いかに指輪を手に入れても、 お前の追及から身を守れる場所はない。 だから、わしは、 お前が作った切れ味鋭い剣で、 (きわめて楽しそうな身振り手振りで) まずは子供の首をちょん切ってしまおうというわけさ。 そしたら、わしは安心できるし、指輪も手に入るからなあ! (ミーメはまたクククッと笑う) <ジークフリート> 寝込みを襲って、ぼくを殺してしまおうというわけだな? <ミーメ> (怒り狂って、苛立たしげに) 何を言う?わしがそんなことを言ったか? (きわめて優しい猫なで声を作ろうと努めながら) わしはただ、その子供の・・・ (きわめて念入りに、はっきりと) 首をちょん切りたいだけなんだ! (心からジークフリートの健康を案ずるかのような身振りで) なぜなら、これほどわしがお前を憎んでおらず、 これまで受けた嘲りや 恥辱にあふれた心労に、 復讐する必要がなかったとしても・・・ (やさしい声で) わしはお前を始末するのを、 待ってはおれん。 わしがお前を殺さねば、アルベリヒも狙っている財宝を、 どうやって、わしのものにすることができようか? (ミーメは、飲み物を杯に注ぎ、押し売りするような身振りでジークフリートに手渡す) さあ、ヴェルズングよ!狼の子よ! 飲め!飲んで死んでしまえ・・・ もう二度と飲むこともなかろうからな!ヒヒヒヒ! (ジークフリートは剣を振り上げる。彼は、激しい嫌悪感に見舞われたかのように、ミーメに閃光のような一撃を加える。ミーメはすぐさま地面にばったりと倒れる。岩壁の隙間から、アルベリヒの嘲笑が聞こえてくる) <ジークフリート> 剣の切れ味を知るがいい!気味の悪いおしゃべりめ! (地に横たわるミーメの姿を見ながら、ジークフリートはゆったりと剣を鞘に収める) ノートゥングは、嫉みに対して仕返しをする。 だからこそ、ぼくはこの剣を鍛えることができたのだ。 (ジークフリートはミーメの遺体を持ち上げて、洞窟の入口近くの小高い丘まで持って行き、そこから遺体を洞窟へと投げ込む)洞窟の宝の上で眠るがいい! お前は、しつこく策略をめぐらして、あの宝を狙っていたんだろ。これからは好きなだけ、素敵な宝を支配していろ! 立派な番人もつけてやろう。 お前を泥棒から守るために。 (ジークフリートは全力で龍の死体を洞窟の入口へと転がしていき、入口は完全に龍の死体でふさがれる) 陰気な龍よ!お前もここに眠るのだ! 獲物を求めて走り回った仇敵と、 きらめく財宝を一緒に守り、 ともに安らかに眠るがいい! (ジークフリートは、しばし物思いにふけりながら洞窟を見下ろしていたが、やがて疲れ切ったようにゆっくりと舞台前方へと振り向く。正午。ジークフリートは額に片手を当てる) きつい仕事をしたら、体が火照ってしまったな! 血が、炎のようにはじけながら、体を駆け巡っている。 頭に当てた手が、まるで燃えているようだ。 お日さまが、もうずいぶん高く昇ったようだ。 明るい青空から、ぼくの頭のてっぺんまで、 お日さまの眼差しが、まっすぐ照りつけてくる。 あの菩提樹の木陰で、ゆったり涼むとするか! (ジークフリートは菩提樹の木陰で体を伸ばすと、再び梢を見上げる) ねえ、可愛い小鳥さん・・・ ずいぶん長い邪魔が入ったけれど、 もう一度、君の歌声を聴いてみたいなあ・・・ 枝に乗って、楽しそうに体を揺する 君の姿が見えるよ。 君の兄弟姉妹が、 楽しく愉快にさえずりながら、 君の周りをぱたぱた飛び回る様子も! だけどぼくは・・・ぼくはこんなに一人ぼっちだ。 兄弟もいなけりゃ、姉妹もいない。 母親は露と消え、父親は斃れた・・・ もう決して、息子のぼくは、親に会うことはない! ぼくの唯一の連れは、けちくさい小びとだったが、 いくらあいつが親切にしてくれても、 (温かい声で) ぼくは愛を感じることはできなかった。 あのずるい奴は、ぼくに罠を仕掛けたので、 ぼくはあいつを殺すほかはなかった! (苦悩に心を揺さぶられるままに、再び梢を見上げる) 親切な小鳥さん・・・君に聞きたいことがあるんだ。 いい仲間を、ぼくに紹介してくれないか? ぼくにふさわしい仲間を、教えてくれないか? ぼくも何度も試してみたけど、うまく行かなかったんだ。 でも、小鳥さん・・・君ならば、うまくできるんじゃないか。 さっきも、いい助言をしてくれた君ならば。 さあ、歌って!耳を澄ましているからね。 <森の小鳥の声> わあい!ジークフリートは悪い小びとを打ち倒しちゃったぞ! ぼくは、彼にもってこいのきれいな女の子を知っているよ。 その子は岩山の上に眠っていて、 その周りを炎が取り巻いている。 だけど、はじける炎をかいくぐり、 花嫁の目を覚ましたら、 ブリュンヒルデは、彼のものになるよ! <ジークフリート> (やにわにその場から勢いよく立ち上がって) ああ、なんて素敵な歌だ!甘い吐息のようだ! 今の言葉は、まるでぼくの胸を焼き焦がすようだ! まるで、ぼくの心に激しい火をともすかのようだ! なんだか急に、胸や心が、ざわざわしてきたぞ? 続きを教えておくれ、かわいい友よ! (ジークフリートは耳を澄ます) <森の小鳥の声> つらい時でも朗らかに、ぼくが歌うは愛の歌・・・ 心をふさぐ嘆きから、ぼくが紡ぐは歓びの歌・・・ ただ憧れる者だけが、歌の心を知るはずさ! <ジークフリート> ならば、ぼくは喜んで、そこへ行こう! この森を出て、その岩山へ! もう一度だけ教えておくれ、優しい小鳥さん。 ぼくに、その炎が越えられるだろうか? 花嫁の目を覚ますことができるだろうか? (ジークフリートはもう一度耳を澄ます) <森の小鳥の声> 花嫁を手に入れる者・・・ ブリュンヒルデを目覚ます者・・・それは臆病者ではあり得ない。それができるのは、恐怖を知らない者だけさ! <ジークフリート> (喜びのあまり大笑いする) 恐怖を知らない、 愚かな若者だって? 小鳥さん・・・まさにぼくだよ、それは! 今日も、ファフナーから恐怖を教わろうとして、 一日を無駄に過ごしてしまったばかり・・・ そして今、ブリュンヒルデのことを知りたいという 熱い思いに燃えている! どうしたら、その岩山への道が分かるんだい? (小鳥は羽ばたいて飛び上がり、ジークフリートの頭上で旋回すると、ややためらった後、ジークフリートを先導するように飛んで行く) <ジークフリート> (喜びの声を上げながら) そうやって道を教えてくれるんだね? どこへでも行くよ!君が飛んで行く所なら! (小鳥は、しばしジークフリートをからかうように、あちらこちらの方向へ連れ回し、その都度ジークフリートはついて行く。しかし、最後には、小鳥は舞台後方に針路を定めて飛び去っていくので、ジークフリートは小鳥の後を追って行く。幕が下りる) ZWEITER AUFZUG Tiefer Wald. Ganz im Hintergrunde die Öffnung einer Höhle. Der Boden hebt sich bis zur Mitte der Bühne, wo er eine kleine Hochebene bildet; von da senkt er sich nach hinten, der Höhle zu, wieder abwärts, so dass von dieser nur der obere Teil der Öffnung dem Zuschauer sichtbar ist. Links gewahrt man durch Waldbäume eine zerklüftete Felsenwand. Finstere Nacht, am dichtesten über dem Hintergrunde, wo anfänglich der Blick des Zuschauers gar nichts zu unterscheiden vermag VORSPIEL UND ERSTE SZENE Alberich, Fafner, Wanderer ALBERICH an der Felsenwand zur Seite gelagert, düster brütend In Wald und Nacht vor Neidhöhl halt ich Wacht es lauscht mein Ohr, mühvoll lugt mein Aug . Banger Tag, bebst du schon auf? Dämmerst du dort durch das Dunkel her? Aus dem Walde von rechts her erhebt sich ein Sturmwind; ein bläulicher Glanz leuchtet von ebendaher Welcher Glanz glitzert dort auf? Näher schimmert ein heller Schein; es rennt wie ein leuchtendes Ross, bricht durch den Wald brausend daher. Naht schon des Wurmes Würger? Ist s schon, der Fafner fällt? Der Sturmwind legt sich wieder; der Glanz verlischt Das Licht erlischt, der Glanz barg sich dem Blick Nacht ist s wieder. Der Wanderer tritt aus dem Wald und hält Alberich gegenüber an Wer naht dort schimmernd im Schatten? DER WANDERER Zur Neidhöhle fuhr ich bei Nacht wen gewahr ich im Dunkel dort? Wie aus einem plötzlich zerreissenden Gewölk bricht Mondschein herein und beleuchtet des Wanderers Gestalt ALBERICH erkennt den Wanderer, fährt erschrocken zurück, bricht aber sogleich in höchste Wut aus Du selbst lässt dich hier sehn? Was willst du hier? Fort, aus dem Weg! Von dannen, schamloser Dieb! WANDERER ruhig Schwarz-Alberich, schweifst du hier? Hütest du Fafners Haus? ALBERICH Jagst du auf neue Neidtat umher? Weile nicht hier, weiche von hinnen! Genug des Truges tränkte die Stätte mit Not. Drum, du Frecher, lass sie jetzt frei! WANDERER Zu schauen kam ich, nicht zu schaffen wer wehrte mir Wand rers Fahrt? ALBERICH lacht tückisch auf Du Rat wütender Ränke! Wär ich dir zulieb doch noch dumm wie damals, als du mich Blöden bandest, wie leicht geriet es, den Ring mir nochmals zu rauben! Hab acht! Deine Kunst kenne ich wohl; doch wo du schwach bist, blieb mir auch nicht verschwiegen. Mit meinen Schätzen zahltest du Schulden; mein Ring lohnte der Riesen Müh , die deine Burg dir gebaut. Was mit den Trotzigen einst du vertragen, des Runen wahrt noch heut deines Speeres herrischer Schaft. Nicht du darfst, was als Zoll du gezahlt, den Riesen wieder entreissen du selbst zerspelltest deines Speeres Schaft; in deiner Hand der herrische Stab, der starke, zerstiebte wie Spreu! WANDERER Durch Vertrages Treuerunen band er dich Bösen mir nicht dich beugt er mir durch seine Kraft; zum Krieg drum wahr ich ihn wohl! ALBERICH Wie stolz du dräust in trotziger Stärke, und wie dir s im Busen doch bangt! Verfallen dem Tod durch meinen Fluch ist des Hortes Hüter wer wird ihn beerben? Wird der neidliche Hort dem Niblungen wieder gehören? Das sehrt dich mit ew ger Sorge! Denn fass ich ihn wieder einst in der Faust, anders als dumme Riesen üb ich des Ringes Kraft dann zittre der Helden heiliger Hüter! Walhalls Höhen stürm ich mit Hellas Heer der Welt walte dann ich! WANDERER ruhig Deinen Sinn kenn ich wohl; doch sorgt er mich nicht. Des Ringes waltet, wer ihn gewinnt. ALBERICH Wie dunkel sprichst du, was ich deutlich doch weiss! An Heldensöhne hält sich dein Trotz, höhnisch die traut deinem Blute entblüht. Pflegtest du wohl eines Knaben, der klug die Frucht dir pflücke, immer heftiger die du nicht brechen darfst? WANDERER Mit mir nicht, hadre mit Mime dein Bruder bringt dir Gefahr; einen Knaben führt er daher, der Fafner ihm fällen soll. Nichts weiss der von mir; der Niblung nützt ihn für sich. Drum sag ich dir, Gesell tue frei, wie dir s frommt! Alberich macht eine Gebärde heftiger Neugierde Höre mich wohl, sei auf der Hut! Nicht kennt der Knabe den Ring; doch Mime kundet ihn aus. ALBERICH heftig Deine Hand hieltest du vom Hort? WANDERER Wen ich liebe, lass ich für sich gewähren; er steh oder fall , sein Herr ist er Helden nur können mir frommen. ALBERICH Mit Mime räng ich allein um den Ring? WANDERER Ausser dir begehrt er einzig das Gold. ALBERICH Und dennoch gewänn ich ihn nicht? WANDERER ruhig nähertretend Ein Helde naht, den Hort zu befrei n; zwei Niblungen geizen das Gold; Fafner fällt, der den Ring bewacht wer ihn rafft, hat ihn gewonnen. Willst du noch mehr? Dort liegt der Wurm er wendet sich nach der Höhle warnst du ihn vor dem Tod, willig wohl liess er den Tand. Ich selber weck ihn dir auf. Er stellt sich auf die Anhöhe vor der Höhle und ruft hinein Fafner! Fafner! Erwache, Wurm! ALBERICH in gespanntem Erstaunen, für sich Was beginnt der Wilde? Gönnt er mir s wirklich? Aus der finstern Tiefe des Hintergrundes hört man Fafners Stimme durch ein starkes Sprachrohr FAFNER Wer stört mir den Schlaf? WANDERER der Höhle zugewandt Gekommen ist einer, Not dir zu künden er lohnt dir s mit dem Leben, lohnst du das Leben ihm mit dem Horte, den du hütest? Er beugt sein Ohr lauschend der Höhle zu FAFNERS STIMME Was will er? ALBERICH ist dem Wanderer zur Seite getreten und ruft in die Höhle Wache, Fafner! Wache, du Wurm! Ein starker Helde naht, dich heil gen will er bestehn. FAFNERS STIMME Mich hungert sein. WANDERER Kühn ist des Kindes Kraft, scharf schneidet sein Schwert. ALBERICH Den goldnen Reif geizt er allein lass mir den Ring zum Lohn, so wend ich den Streit; du wahrest den Hort, und ruhig lebst du lang ! FAFNERS STIMME Ich lieg und besitz , gähnend lasst mich schlafen! WANDERER lacht auf und wendet sich dann wieder zu Alberich Nun, Alberich, das schlug fehl. Doch schilt mich nicht mehr Schelm! Dies eine, rat ich, achte noch wohl vertraulich zum ihm tretend Alles ist nach seiner Art, an ihr wirst du nichts ändern. Ich lass dir die Stätte, stelle dich fest! Versuch s mit Mime, dem Bruder, der Art ja versiehst du dich besser. zum Abgange gewendet Was anders ist, das lerne nun auch! Er verschwindet im Walde. Sturmwind erhebt sich, heller Glanz bricht aus; dann vergeht beides schnell ALBERICH blickt dem davonjagenden Wanderer nach Da reitet er hin, auf lichtem Ross; mich lässt er in Sorg und Spott. Doch lacht nur zu, ihr leichtsinniges, lustgieriges Göttergelichter! Euch seh ich noch alle vergehn! Solang das Gold am Lichte glänzt, hält ein Wissender Wacht. Trügen wird euch sein Trotz! Er schlüpft zur Seite in das Geklüft. Die Bühne bleibt leer. Morgendämmerung ZWEITE SZENE Mime, Siegfried, Fafner, Waldvogel Bei anbrechendem Tage treten Mime und Siegfried auf. Siegfried trägt das Schwert in einem Gehenke von Bastseil. Mime erspäht genau die Stätte; er forscht endlich dem Hintergrunde zu, welcher - während die Anhöhe im mittleren Vordergrunde später immer heller von der Sonne beleuchtet wird - in finstrem Schatten bleibt; dann bedeutet er Siegfried MIME Wir sind zur Stelle! Bleib hier stehn! SIEGFRIED setzt sich unter einer grossen Linde nieder und schaut sich um Hier soll ich das Fürchten lernen? Fern hast du mich geleitet eine volle Nacht im Walde selbander wanderten wir. Nun sollst du, Mime, mich meiden! Lern ich hier nicht, was ich lernen soll, allein zieh ich dann weiter dich endlich werd ich da los! MIME setzt sich ihm gegenüber, so dass er die Höhle immer noch im Auge behält Glaube, Liebster! Lernst du heut und hier das Fürchten nicht, an andrem Ort, zu andrer Zeit schwerlich erfährst du s je. Siehst du dort den dunklen Höhlenschlund? Darin wohnt ein greulich wilder Wurm unmassen grimmig ist er und gross; ein schrecklicher Rachen reisst sich ihm auf; mit Haut und Haar auf einen Happ verschlingt der Schlimme dich wohl. SIEGFRIED immer unter der Linde sitzend Gut ist s, den Schlund ihm zu schliessen drum biet ich mich nicht dem Gebiss. MIME Giftig giesst sich ein Geifer ihm aus wen mit des Speichels Schweiss er bespeit, dem schwinden wohl Fleisch und Gebein. SIEGFRIED Dass des Geifers Gift mich nicht sehre, weich ich zur Seite dem Wurm. MIME Ein Schlangenschweif schlägt sich ihm auf wen er damit umschlingt und fest umschliesst, dem brechen die Glieder wie Glas! SIEGFRIED Vor des Schweifes Schwang mich zu wahren, halt ich den Argen im Aug . Doch heisse mich das hat der Wurm ein Herz? MIME Ein grimmiges, hartes Herz! SIEGFRIED Das sitzt ihm doch, wo es jedem schlägt, trag es Mann oder Tier? MIME Gewiss, Knabe, da führt s auch der Wurm. Jetzt kommt dir das Fürchten wohl an? SIEGFRIED bisher nachlässig ausgestreckt, erhebt sich rasch zum Sitz Notung stoss ich dem Stolzen ins Herz! Soll das etwa Fürchten heissen? He, du Alter! Ist das alles, was deine List mich lehren kann? Fahr deines Wegs dann weiter; das Fürchten lern ich hier nicht. MIME Wart es nur ab! Was ich dir sage, dünke dich tauber Schall ihn selber musst du hören und sehn, die Sinne vergehn dir dann schon! Wenn dein Blick verschwimmt, der Boden dir schwankt, im Busen bang dein Herz erbebt sehr freundlich dann dankst du mir, der dich führte, gedenkst, wie Mime dich liebt. SIEGFRIED Du sollst mich nicht lieben! Sagt ich dir s nicht? Fort aus den Augen mir! Lass mich allein sonst halt ich s hier länger nicht aus, fängst du von Liebe gar an! Das eklige Nicken und Augenzwicken, wann endlich soll ich s nicht mehr sehn, wann werd ich den Albernen los? MIME Ich lass dich schon. Am Quell dort lagr ich mich; steh du nur hier; steigt dann die Sonne zur Höh , merk auf den Wurm aus der Höhle wälzt er sich her, hier vorbei biegt er dann, am Brunnen sich zu tränken. SIEGFRIED lachend Mime, weilst du am Quell, dahin lass ich den Wurm wohl gehn Notung stoss ich ihm erst in die Nieren, wenn er dich selbst dort mit weggesoffen. Darum, hör meinen Rat, raste nicht dort am Quell; kehre dich weg, so weit du kannst, und komm nie mehr zu mir! MIME Nach freislichem Streit dich zu erfrischen, wirst du mir wohl nicht wehren? Siegfried wehrt ihn hastig ab Rufe mich auch, darbst du des Rates, Siegfried wiederholt die Gebärde mit Ungestüm oder wenn dir das Fürchten gefällt. Siegfried erhebt sich und treibt Mime mit wütender Gebärde zum Fortgehen MIME im Abgehen für sich Fafner und Siegfried - Siegfried und Fafner - O brächten beide sich um! Er verschwindet rechts im Wald SIEGFRIED streckt sich behaglich unter der Linde aus und blickt dem davongehenden Mime nach Dass der mein Vater nicht ist, wie fühl ich mich drob so froh! Nun erst gefällt mir der frische Wald; nun erst lacht mir der lustige Tag, da der Garstige von mir schied und ich gar nicht ihn wiederseh ! Er verfällt in schweigendes Sinnen Wie sah mein Vater wohl aus? - Ha, gewiss wie ich selbst! Denn wär wo von Mime ein Sohn, müsst er nicht ganz Mime gleichen? Grade so garstig, griesig und grau, klein und krumm, höckrig und hinkend, mit hängenden Ohren, triefigen Augen - fort mit dem Alp! Ich mag ihn nicht mehr seh n. Er lehnt sich tiefer zurück und blickt durch die Baumwipfel auf. Tiefe Stille Waldweben Aber - wie sah meine Mutter wohl aus? Das kann ich nun gar nicht mir denken! Der Rehhindin gleich glänzten gewiss ihr hell schimmernde Augen, nur noch viel schöner! Da bang sie mich geboren, warum aber starb sie da? Sterben die Menschenmütter an ihren Söhnen alle dahin? Traurig wäre das, traun! Ach, möcht ich Sohn meine Mutter sehen! Meine Mutter - ein Menschenweib! Er seufzt leise und streckt sich tiefer zurück. Grosse Stille. Wachsendes Waldweben. Siegfrieds Aufmerksamkeit wird endlich durch den Gesang der Waldvögel gefesselt. Er lauscht mit wachsender Teilnahme einem Waldvogel in den Zweigen über ihm Du holdes Vöglein! Dich hört ich noch nie bist du im Wald hier daheim? Verstünd ich sein süsses Stammeln! Gewiss sagt es mir was, vielleicht von der lieben Mutter? Ein zankender Zwerg hat mir erzählt, der Vöglein Stammeln gut zu verstehn, dazu könnte man kommen. Wie das wohl möglich wär ? Er sinnt nach. Sein Blick fällt auf ein Rohrgebüsch unweit der Linde Hei! Ich versuch s; sing ihm nach auf dem Rohr tön ich ihm ähnlich! Entrat ich der Worte, achte der Weise, sing ich so seine Sprache, versteh ich wohl auch, was es spricht. Er eilt an den nahen Quell, schneidet mit dem Schwerte ein Rohr ab und schnitzt sich hastig eine Pfeife daraus. Währenddem lauscht er wieder Es schweigt und lauscht so schwatz ich denn los! Er bläst auf dem Rohr. Er setzt ab, schnitzt wieder und bessert. Er bläst wieder. Er schüttelt mit dem Kopfe und bessert wieder. Er wird ärgerlich, drückt das Rohr mit der Hand und versucht wieder. Er setzt lächelnd ganz ab Das tönt nicht recht; auf dem Rohre taugt die wonnige Weise mir nicht. Vöglein, mich dünkt, ich bleibe dumm von dir lernt sich s nicht leicht! Er hört den Vogel wieder und blickt zu ihm auf Nun schäm ich mich gar vor dem schelmischen Lauscher er lugt und kann nichts erlauschen. Heida! So höre nun auf mein Horn. Er schwingt das Rohr und wirft es weit fort Auf dem dummen Rohre gerät mir nichts. Einer Waldweise, wie ich sie kann, der lustigen sollst du nun lauschen. Nach liebem Gesellen lockt ich mit ihr nichts Bessres kam noch als Wolf und Bär. Nun lass mich sehn, wen jetzt sie mir lockt ob das mir ein lieber Gesell? Er nimmt das silberne Hifthorn und bläst darauf. Im Hintergrunde regt es sich. Fafner, in der Gestalt eines ungeheuren eidechsenartigen Schlangenwurmes, hat sich in der Höhle von seinem Lager erhoben; er bricht durch das Gesträuch und wälzt sich aus der Tiefe nach der höheren Stelle vor, so dass er mit dem Vorderleibe bereits auf ihr angelangt ist, als er jetzt einen starken, gähnenden Laut ausstösst SIEGFRIED sieht sich um und heftet den Blick verwundert auf Fafner Haha! Da hätte mein Lied mir was Liebes erblasen! Du wärst mir ein saub rer Gesell! FAFNER hat beim Anblick Siegfrieds auf der Höhe angehalten und verweilt nun daselbst Was ist da? SIEGFRIED Ei, bist du ein Tier, das zum Sprechen taugt, wohl liess sich von dir was lernen? Hier kennt einer das Fürchten nicht kann er s von dir erfahren? FAFNER Hast du Übermut? SIEGFRIED Mut oder Übermut, was weiss ich! Doch dir fahr ich zu Leibe, lehrst du das Fürchten mich nicht! FAFNER stösst einen lachenden Laut aus Trinken wollt ich nun treff ich auch Frass! Er öffnet seinen Rachen und zeigt die Zähne SIEGFRIED Eine zierliche Fresse zeigst du mir da, lachende Zähne im Leckermaul! Gut wär es, den Schlund dir zu schliessen; dein Rachen reckt sich zu weit! FAFNER Zu tauben Reden taugt er schlecht dich zu verschlingen, frommt der Schlund. Er droht mit dem Schweife SIEGFRIED Hoho! Du grausam grimmiger Kerl! Von dir verdaut sein, dünkt mich übel rätlich und fromm doch scheint s, du verrecktest hier ohne Frist. FAFNER brüllend Pruh! Komm, prahlendes Kind! SIEGFRIED Hab acht, Brüller! Der Prahler naht! Er zieht sein Schwert, springt Fafner an und bleibt herausfordernd stehen. Fafner wälzt sich weiter auf die Höhe herauf und sprüht aus den Nüstern auf Siegfried. Dieser weicht dem Geifer aus, springt näher zu und stellt sich zur Seite. Fafner sucht ihn mit dem Schweife zu erreichen. Siegfried, welchen Fafner fast erreicht hat, springt mit einem Satze über diesen hinweg und verwundet ihn an dem Schweife. Fafner brüllt, zieht den Schweif heftig zurück und bäumt den Vorderleib, um mit dessen voller Wucht sich auf Siegfried zu werfen; so bietet er diesem die Brust dar; Siegfried erspäht schnell die Stelle des Herzens und stösst sein Schwert bis an das Heft hinein. Fafner bäumt sich vor Schmerz noch höher und sinkt, als Siegfried das Schwert losgelassen und zur Seite gesprungen ist, auf die Wunde zusammen SIEGFRIED Da lieg , neidischer Kerl! Notung trägst du im Herzen. FAFNER mit schwächerer Stimme Wer bist du, kühner Knabe, der das Herz mir traf? Wer reizte des Kindes Mut zu der mordlichen Tat? Dein Hirn brütete nicht, was du vollbracht. SIEGFRIED Viel weiss ich noch nicht, noch nicht auch, wer ich bin. Mit dir mordlich zu ringen, reiztest du selbst meinen Mut. FAFNER Du helläugiger Knabe, unkund deiner selbst, wen du gemordet meld ich dir. Der Riesen ragend Geschlecht, Fasolt und Fafner, die Brüder - fielen nun beide. Um verfluchtes Gold, von Göttern vergabt, traf ich Fasolt zu Tod. Der nun als Wurm den Hort bewachte, Fafner, den letzten Riesen, fällte ein rosiger Held. Blicke nun hell, blühender Knabe der dich Blinden reizte zur Tat, berät jetzt des Blühenden Tod! ersterbend Merk , wie s endet! Acht auf mich! SIEGFRIED Woher ich stamme, rate mir noch; weise ja scheinst du, Wilder, im Sterben rat es nach meinem Namen Siegfried bin ich genannt. FAFNER Siegfried...! Er seufzt, hebt sich und stirbt SIEGFRIED Zur Kunde taugt kein Toter. So leite mich denn mein lebendes Schwert! Fafner hat sich im Sterben zur Seite gewälzt. Siegfried zieht ihm jetzt das Schwert aus der Brust dabei wird seine Hand vom Blute benetzt er fährt heftig mit der Hand auf Wie Feuer brennt das Blut! Er führt unwillkürlich die Finger zum Munde, um das Blut von ihnen abzusaugen. Wie er sinnend vor sich hinblickt, wird seine Aufmerksamkeit immer mehr von dem Gesange der Waldvögel angezogen Ist mir doch fast, als sprächen die Vöglein zu mir! Nützte mir das des Blutes Genuss? Das seltne Vöglein hier, horch, was singt es nur? STIMME EINES WALDVOGELS aus den Zweigen der Linde über Siegfried Hei! Siegfried gehört nun der Niblungen Hort! O, fänd in der Höhle den Hort er jetzt! Wollt er den Tarnhelm gewinnen, der taugt ihm zu wonniger Tat doch möcht er den Ring sich erraten, der macht ihn zum Walter der Welt! SIEGFRIED hat mit verhaltenem Atem und verzückter Miene gelauscht Dank, liebes Vöglein, für deinen Rat! Gern folg ich dem Ruf! Er wendet sich nach hinten und steigt in die Höhle hinab, wo er alsbald gänzlich verschwindet DRITTE SZENE Alberich, Mime, Siegfried, Waldvogel Mime schleicht heran, scheu umherblickend, um sich von Fafners Tod zu überzeugen. Gleichzeitig kommt von der anderen Seite Alberich aus dem Geklüft; er beobachtet Mime genau. Als dieser Siegfried nicht mehr gewahrt und vorsichtig sich nach hinten der Höhle zuwendet, stürzt Alberich auf ihn zu und vertritt ihm den Weg ALBERICH Wohin schleichst du eilig und schlau, schlimmer Gesell? MIME Verfluchter Bruder, dich braucht ich hier! Was bringt dich her? ALBERICH Geizt es dich, Schelm, nach meinem Gold? Verlangst du mein Gut? MIME Fort von der Stelle! Die Stätte ist mein was stöberst du hier? ALBERICH Stör ich dich wohl im stillen Geschäft, wenn du hier stiehlst? MIME Was ich erschwang mit schwerer Müh , soll mir nicht schwinden. ALBERICH Hast du dem Rhein das Gold zum Ringe geraubt? Erzeugtest du gar den zähen Zauber im Reif? MIME Wer schuf den Tarnhelm, der die Gestalten tauscht? Der seiner bedurfte, erdachtest du ihn wohl? ALBERICH Was hättest du Stümper je wohl zu stampfen verstanden? Der Zauberring zwang mir den Zwerg erst zur Kunst. MIME Wo hast du den Ring? Dir Zagem entrissen ihn Riesen! Was du verlorst, meine List erlangt es für mich. ALBERICH Mit des Knaben Tat will der Knicker nun knausern? Dir gehört sie gar nicht, der Helle ist selbst ihr Herr! MIME Ich zog ihn auf; für die Zucht zahlt er mir nun für Müh und Last erlauert ich lang meinen Lohn! ALBERICH Für des Knaben Zucht will der knickrige schäbige Knecht keck und kühn wohl gar König nun sein? Dem räudigsten Hund wäre der Ring geratner als dir nimmer erringst du Rüpel den Herrscherreif! MIME kratzt sich den Kopf Behalt ihn denn, und hüt ihn wohl, den hellen Reif! Sei du Herr doch mich heisse auch Bruder! Um meines Tarnhelms lustigen Tand tausch ich ihn dir uns beiden taugt s, teilen die Beute wir so. Er reibt sich zutraulich die Hände ALBERICH mit Hohnlachen Teilen mit dir? Und den Tarnhelm gar? Wie schlau du bist! Sicher schlief ich niemals vor deinen Schlingen! MIME ausser sich Selbst nicht tauschen? Auch nicht teilen? Leer soll ich gehn? Ganz ohne Lohn? kreischend Gar nichts willst du mir lassen? ALBERICH Nichts von allem! Nicht einen Nagel sollst du dir nehmen! MIME in höchster Wut Weder Ring noch Tarnhelm soll dir denn taugen! Nicht teil ich nun mehr! Gegen dich doch ruf ich Siegfried zu Rat und des Recken Schwert; der rasche Held, der richte, Brüderchen, dich! Siegfried erscheint im Hintergrund ALBERICH Kehre dich um! Aus der Höhle kommt er daher! MIME sich umblickend Kindischen Tand erkor er gewiss. ALBERICH Den Tarnhelm hält er! MIME Doch auch den Ring! ALBERICH Verflucht! - Den Ring! MIME hämisch lachend Lass ihn den Ring dir doch geben! Ich will ihn mir schon gewinnen. Er schlüpft mit den letzten Worten in den Wald zurück ALBERICH Und doch seinem Herrn soll er allein noch gehören! Er verschwindet im Geklüfte Siegfried ist mit Tarnhelm und Ring während des letzteren langsam und sinnend aus der Höhle vorgeschritten er betrachtet gedankenvoll seine Beute und hält, nahe dem Baume, auf der Höhe des Mittelgrundes wieder an SIEGFRIED Was ihr mir nützt, weiss ich nicht; doch nahm ich euch aus des Horts gehäuftem Gold, weil guter Rat mir es riet. So taug eure Zier als des Tages Zeuge, es mahne der Tand, dass ich kämpfend Fafner erlegt, doch das Fürchten noch nicht gelernt! Er steckt den Tarnhelm sich in den Gürtel und den Reif an den Finger. Stillschweigen. Wachsendes Waldweben. Siegfried achtet unwillkürlich wieder des Vogels und lauscht ihm mit verhaltenem Atem STIMME DES WALDVOGELS Hei! Siegfried gehört nun der Helm und der Ring! O, traute er Mime, dem treulosen, nicht! Hörte Siegfried nur scharf auf des Schelmen Heuchlergered ! Wie sein Herz es meint, kann er Mime verstehn so nützt ihm des Blutes Genuss. Siegfrieds Miene und Gebärde drücken aus, dass er den Sinn des Vogelgesanges wohl vernommen. Er sieht Mime sich nähern und bleibt, ohne sich zu rühren, auf sein Schwert gestützt, beobachtend und in sich geschlossen, in seiner Stellung auf der Anhöhe bis zum Schlusse des folgenden Auftrittes MIME schleicht heran und beobachtet vom Vordergrunde aus Siegfried Er sinnt und erwägt der Beute Wert. Weilte wohl hier ein weiser Wand rer, schweifte umher, beschwatzte das Kind mit list ger Runen Rat? Zwiefach schlau sei nun der Zwerg; die listigste Schlinge leg ich jetzt aus, dass ich mit traulichem Truggerede betöre das trotzige Kind. er tritt näher an Siegfried heran und bewillkommt diesen mit schmeichelnden Gebärden Willkommen, Siegfried! Sag , du Kühner, hast du das Fürchten gelernt? SIEGFRIED Den Lehrer fand ich noch nicht! MIME Doch den Schlangenwurm, du hast ihn erschlagen? Das war doch ein schlimmer Gesell? SIEGFRIED So grimm und tückisch er war, sein Tod grämt mich doch schier, da viel üblere Schächer unerschlagen noch leben! Der mich ihn morden hiess, den hass ich mehr als den Wurm! MIME sehr freundlich Nur sachte! Nicht lange siehst du mich mehr zum ew gen Schlaf schliess ich dir die Augen bald! Wozu ich dich brauchte, zärtlich hast du vollbracht; jetzt will ich nur noch die Beute dir abgewinnen. Mich dünkt, das soll mir gelingen; zu betören bist du ja leicht! SIEGFRIED So sinnst du auf meinen Schaden? MIME verwundert Wie sagt ich denn das? - Siegfried! Hör doch, mein Söhnchen! Dich und deine Art hasst ich immer von Herzen; zärtlich aus Liebe erzog ich dich Lästigen nicht dem Horte in Fafners Hut, dem Golde galt meine Müh . als verspräche er ihm hübsche Sachen Gibst du mir das gutwillig nun nicht, als wäre er bereit, sein Leben für ihn zu lassen Siegfried, mein Sohn, das siehst du wohl selbst, mit freundlichem Scherze dein Leben musst du mir lassen! SIEGFRIED Dass du mich hassest, hör ich gern doch auch mein Leben muss ich dir lassen? MIME ärgerlich Das sagt ich doch nicht? Du verstehst mich ja falsch! Er sucht sein Fläschchen hervor. Er gibt sich die ersichtlichste Mühe zur Verstellung Sieh , du bist müde von harter Müh ; brünstig wohl brennt dir der Leib dich zu erquicken mit queckem Trank säumt ich Sorgender nicht. Als dein Schwert du dir branntest, braut ich den Sud; trinkst du nun den, gewinn ich dein trautes Schwert, und mit ihm Helm und Hort. er kichert dazu SIEGFRIED So willst du mein Schwert und was ich erschwungen, Ring und Beute, mir rauben? MIME heftig Was du doch falsch mich verstehst! Stamml ich, fasl ich wohl gar? Die grösste Mühe geb ich mir doch, mein heimliches Sinnen heuchelnd zu bergen, und du dummer Bube deutest alles doch falsch! Öffne die Ohren, und vernimm genau Höre, was Mime meint! wieder sehr freundlich, mit ersichtlicher Mühe Hier nimm und trinke die Labung! Mein Trank labte dich oft tat st du wohl unwirsch, stelltest dich arg was ich dir bot, erbost auch, nahmst du s doch immer. SIEGFRIED ohne eine Miene zu verziehen Einen guten Trank hätt ich gern wie hast du diesen gebraut? MIME lustig scherzend, als schildere er ihm einen angenehm berauschten Zustand, den ihm der Saft bereiten soll Hei! So trink nur, trau meiner Kunst! In Nacht und Nebel sinken die Sinne dir bald ohne Wach und Wissen stracks streckst du die Glieder. Liegst du nun da, leicht könnt ich die Beute nehmen und bergen doch erwachtest du je, nirgends wär ich sicher vor dir, hätt ich selbst auch den Ring. Drum mit dem Schwert, das so scharf du schufst, mit einer Gebärde ausgelassener Lustigkeit hau ich dem Kind den Kopf erst ab dann hab ich mir Ruh und auch den Ring! Er kichert wieder SIEGFRIED Im Schlafe willst du mich morden? MIME wütend ärgerlich Was möcht ich? Sagt ich denn das? Er bemüht sich, den zärtlichsten Ton anzunehmen Ich will dem Kind mit sorglichster Deutlichkeit nur den Kopf abhau n! mit dem Ausdruck herzlicher Besorgtheit für Siegfrieds Gesundheit Denn hasste ich dich auch nicht so sehr, und hätt ich des Schimpfs und der schändlichen Mühe auch nicht so viel zu rächen sanft aus dem Wege dich zu räumen, darf ich doch nicht rasten wie käm ich sonst anders zur Beute, da Alberich auch nach ihr lugt? Er giesst den Saft in das Trinkhorn und führt dieses Siegfried mit aufdringlicher Gebärde zu Nun, mein Wälsung! Wolfssohn du! Sauf , und würg dich zu Tod Nie tust du mehr nen Schluck! Hihihihi! Siegfried holt mit dem Schwert aus. Er führt, wie in einer Anwandlung heftigen Ekels einen jähen Streich nach Mime; dieser stürzt sogleich tot zu Boden. Man hört Alberichs höhnisches Gelächter aus dem Geklüfte SIEGFRIED Schmeck du mein Schwert, ekliger Schwätzer! Er henkt, auf den am Boden Liegenden blickend, ruhig sein Schwert wieder ein Neides Zoll zahlt Notung dazu durft ich ihn schmieden. Er rafft Mimes Leichnam auf, trägt ihn auf die Anhöhe vor den Eingang der Höhle und wirft ihn dort hinein In der Höhle hier lieg auf dem Hort! Mit zäher List erzieltest du ihn jetzt magst du des wonnigen walten! Einen guten Wächter geb ich dir auch, dass er vor Dieben dich deckt. Er wälzt mit grosser Anstrengung den Leichnam des Wurmes vor den Eingang der Höhle, so dass er diesen ganz damit verstopft Da lieg auch du, dunkler Wurm! Den gleissenden Hort hüte zugleich mit dem beuterührigen Feind so fandet beide ihr nun Ruh ! Er blickt eine Weile sinnend in die Höhle hinab und wendet sich dann langsam, wie ermüdet, in den Vordergrund. Es ist Mittag. Er führt sich die Hand über die Stirn Heiss ward mir von der harten Last! Brausend jagt mein brünst ges Blut; die Hand brennt mir am Haupt. Hoch steht schon die Sonne aus lichtem Blau blickt ihr Aug auf den Scheitel steil mir herab. Linde Kühlung erkies ich unter der Linde! Er streckt sich unter der Linde aus und blickt wieder die Zweige hinauf Noch einmal, liebes Vöglein, da wir so lang lästig gestört, - lauscht ich gerne deinem Sange auf dem Zweige seh ich wohlig dich wiegen; zwitschernd umschwirren dich Brüder und Schwestern, umschweben dich lustig und lieb! Doch ich - bin so allein, hab nicht Brüder noch Schwestern meine Mutter schwand, mein Vater fiel nie sah sie der Sohn! Mein einz ger Gesell war ein garstiger Zwerg; Güte zwang warm uns nie zu Liebe; listige Schlingen warf mir der Schlaue; nun musst ich ihn gar erschlagen! Er blickt schmerzlich bewegt wieder nach den Zweigen auf Freundliches Vöglein, dich frage ich nun gönntest du mir wohl ein gut Gesell? Willst du mir das Rechte raten? Ich lockte so oft, und erlost es mir nie Du, mein Trauter, träfst es wohl besser, so recht ja rietest du schon. Nun sing ! Ich lausche dem Gesang. STIMME DES WALDVOGELS Hei! Siegfried erschlug nun den schlimmen Zwerg! Jetzt wüsst ich ihm noch das herrlichste Weib auf hohem Felsen sie schläft, Feuer umbrennt ihren Saal durchschritt er die Brunst, weckt er die Braut, Brünnhilde wäre dann sein! SIEGFRIED fährt mit jäher Heftigkeit vom Sitze auf O holder Sang! Süssester Hauch! Wie brennt sein Sinn mir sehrend die Brust! Wie zückt er heftig zündend mein Herz! Was jagt mir so jach durch Herz und Sinne? Sag es mir, süsser Freund! Er lauscht STIMME DES WALDVOGELS Lustig im Leid sing ich von Liebe; wonnig aus Weh web ich mein Lied nur Sehnende kennen den Sinn! SIEGFRIED Fort jagt s mich jauchzend von hinnen, fort aus dem Wald auf den Fels! Noch einmal sage mir, holder Sänger werd ich das Feuer durchbrechen? Kann ich erwecken die Braut? Siegfried lauscht noch mal STIMME DES WALDVOGELS Die Braut gewinnt, Brünnhilde erweckt ein Feiger nie nur wer das Fürchten nicht kennt! SIEGFRIED lacht auf vor Entzücken Der dumme Knab , der das Fürchten nicht kennt, mein Vöglein, der bin ja ich! Noch heute gab ich vergebens mir Müh, das Fürchten von Fafner zu lernen nun brenn ich vor Lust, es von Brünnhilde zu wissen! Wie find ich zum Felsen den Weg? Der Vogel flattert auf, kreist über Siegfried und fliegt ihm zögernd voran SIEGFRIED jauchzend So wird mir der Weg gewiesen wohin du flatterst folg ich dem Flug! Er läuft dem Vogel, welcher ihn neckend einige Zeitlang unstet nach verschiedenen Richtungen hinleitet, nach und folgt ihm endlich, als dieser mit einer bestimmten Wendung nach dem Hintergrunde davonfliegt. Der Vorhang fällt この日本語テキストは、 クリエイティブ・コモンズ・ライセンス の下でライセンスされています。@wagnerianchan Wagner,Richard/Siegfried/III+
https://w.atwiki.jp/oper/pages/215.html
男爵 [ゾフィーと元帥夫人の間に立って] 一切あきらめませんぞ! 元帥夫人 [いらいらとして、地団駄を踏んで] モン・クザン、説明してあげなさい! [男爵に背を向ける] オクタヴィアン [男爵に背後から近づく、極めて男らしく] 失礼致します! 男爵 [驚いて振り向く] 誰だ、何だ? 元帥夫人 [右手に位置取り、そこから] 閣下、ロフラーノ伯爵様よ、他にありえないでしょう? 男爵 [オクタヴィアンの顔を鋭くかつ近くから観察してから、諦めを含んで] そうだと思った! [独白] この顔はもうたくさんだ。私の目の間違いじゃなかったのだ。やっぱりぼうずだったんだ。 [オクタヴィアンは無遠慮かつ誇り高くそこに立つ。] 元帥夫人 [一歩近づいて] ウィーン風の仮装、それだけのことです。 ゾフィー [半ば悲しげに、半ば嘲笑的に、独白] ウィーン風の仮装、それだけのことです。 男爵 [まったく茫然自失となって] ははあ! [独白] みんなぐるになって私をだましたのだな! 元帥夫人 [上から見下すように] あなたに言いましたでしょう、私のマリアンデルとは実際に遊蕩にふけっていただきたくはないと! 男爵 [変わらず、一人で思索にふけって] 元帥夫人 [同様に、オクタヴィアンの方は見ずに] もはや男性に対しては一つの定まった思いを抱いています…全員みな同じようにね! 男爵 [次第に状況を飲み込んで] なんてこった!驚きが冷めんぞ!元帥…オクタヴィアン…マリアンデル…元帥夫人…オクタヴィアン… [意味深な眼差しで元帥夫人からオクタヴィアンへ、そしてまたオクタヴィアンから元帥夫人へ目を動かして] まったくわかりませんな、この人違い劇をどう考えていいか! 元帥夫人 [じっと見つめて] あなたは、言わせてもらえば、カヴァリエでしょう? [そして極めて危なげなく] このことについては何も考えないでおく。それが、私があなたに望むことです。 [空白] 男爵 [お辞儀をして社交的に] とても多くのトリックで、言葉では言い表せないほど、楽しませていただきました。レルヒェナウのものは興を削ぐような人間では決してございません。 [一歩彼女に近づいて] この人違い劇はすてきでした。しかしその代わり、これからはあなた様の保護を必要といたしましょう。起こったことは全て許して忘れる用意はございます。 [空白] エ・ビアン、ではファニナルに… [左手の扉の方へ行こうとする。] 元帥夫人 あなたは、…あなたはただ黙って退却すべきです。 男爵 [びっくり仰天する] 元帥夫人 お分かりにならないの、物事に終わりが来た時なのが?結婚そのものも情事も、それに伴う様々なことすべてが、 [極めてきっぱりと] この時を以って終わりなのです。 ゾフィー [ひどく狼狽して、独白] それに伴う様々なことすべてが、この時を以って終わりなのです。 男爵 [抑えた声で] この時を以って終わり。この時を以って終わり。 [男爵はこの展開を全く理解できず、当惑して憤激して目をぎょろつかせる。] 元帥夫人 [椅子を探しているような風をみせる。オクタヴィアンが飛び出してきて、彼女に椅子を差し出す。元帥夫人は右手に座る。] [意味を込めて、独白] ともかく終わったの。 ゾフィー [左手に、独白、青ざめて] ともかく終わったの。 [この瞬間、落とし戸から男が出てくる。左手からはヴァルツァッキが入ってきて、怪しげな風体の人々が控えめな態度でその後ろに続く。アンニナが喪服とベールを脱ぎ、化粧をとって普段通りの顔を見せる。全てが男爵の驚きを積み増す。] [宿屋の主人が手に勘定書を持って中央の扉から入ってきて、後ろに給仕、音楽家、下男、御者が続く。] 男爵 [ゲームに負けたことをすっかり認識した様子。急ぎ、決然として叫ぶ。] レオポルト、行くぞ。 [男爵は元帥夫人へ深く、しかし怒りのこもったお辞儀をする。小姓は食卓から燭台を一つ掴み、主人の後を追う。] アンニナ [男爵の行く手を阻む。] 「僕には本当にレルヒェナウ家の運がある!食事の後に来なさい、 [宿屋の勘定書を指しながら] その後で返事を書面で渡そう。」 子供たち [男爵の足の間に入り込む。男爵は彼らを帽子で打つ。] パパ!パパ!パパ! 給仕 [男爵の周りに押し寄せる] 恐れ入りますが閣下!恐れ入りますが閣下!蝋燭のお代を! 宿屋の主人 [勘定書を持ってなんとか前に出ようとしながら] 恐れ入りますが閣下! アンニナ [男爵の前で後ろ向きに踊りながら] 「僕には本当にレルヒェナウ家の運がある!」 ヴァルツァッキ [嘲笑して] 「僕には本当にレルヒェナウ家の運がある!」 音楽家 [男爵の行く手に立って] 2時間以上のターフェルムジークです。 [小姓が人々を押し退けて扉まで進む。男爵は彼の後ろについていこうとする。] 御者 [男爵に襲いかかる] 御者代を、御者代を!馬をこき使いすぎました、やり過ぎです! 宿屋の下男 [男爵にがさつに突き当たり] 旦那、扉を開けたお代を、旦那、男爵様! 宿屋の主人 [依然として勘定書を指し示しながら] 恐れ入りますが閣下! 恐れ入りますが閣下! 給仕 2ショック(120本)の蝋燭です、蝋燭のお代を。 男爵 [雑踏の中で] そこを開けろ、そこを開けろ、なんてこった!そこを開けろ、そこを開けろ! [男爵は力で出口に向かって押し退けて進み、全員が一団となって彼の周りに密集する。] 宿屋の下男 はやくしなせえ、お出しなせえ、旦那、男爵様! 子供たち パパ、パパ、パパ! [ここからは全員が乱雑に入り乱れて叫ぶ] [全員がすでに戸口にいて、小姓は枝形燭台をもぎ取られる。] [男爵が飛び出ていき、全員が大急ぎで彼の後を追い、喧騒がおさまる。二人のファニナルの下僕はこの間に左手に立ち去っている。舞台にはゾフィー、元帥夫人、オクタヴィアンのみが残る。] ゾフィー [左手に立って、青ざめて] 神様!ただの笑劇に過ぎなかったのだわ。神様、神様!彼女の脇に彼が立っている様といったら、そして私は彼にとって空っぽの空気も同然なのだわ! オクタヴィアン [元帥夫人の椅子の後ろで、困惑して] 約束と違うじゃない、マリー・テレーズ、驚いたよ! [これ以上なく困惑して] どうすればいいの、僕は…それともしないほうが…お嬢様が…父君が… 元帥夫人 いいから早くお行きなさい、そしてあなたの心が命じるままになさい。 ゾフィー [絶望して] 空っぽの空気。ああ神様!神様! オクタヴィアン テレーズ、僕には何もわからない… 元帥夫人 行って彼女のご機嫌を取りなさい。 オクタヴィアン 誓って僕は… 元帥夫人 それはもうおよしなさい。 オクタヴィアン あなたの考えていることがわからない。 元帥夫人 [怒って笑う] あなたも立派な男ね、あちらへ行きなさい! オクタヴィアン お命じのとおりに。 [反対側へ行く] ゾフィー [言葉がない] オクタヴィアン [彼女のそばで] エ・ビアン… 私へ友達らしい言葉は何もないのですか?一目もくれず、歓迎の挨拶一つないのですか? ゾフィー [言いよどむ] 閣下のご友情とご援助からは全く違ったお友達となることを期待していました。 オクタヴィアン [生き生きと] なんですって…では嬉しくないのですか? ゾフィー [不機嫌に] 実際、何も理由がありませんもの。 オクタヴィアン あなたの婿を厄介払いしたではありませんか? ゾフィー 違った風にことが運んでいれば、本当によかったですわ。私はすっかり恥じ入っております。とてもよくわかっておりますわ、侯爵夫人閣下がどのような眼差しで私をご覧なのか。 オクタヴィアン 私の魂と幸福にかけて誓います! ゾフィー 放っておいてください! オクタヴィアン 放っておきません! [彼女の手をつかむ] ゾフィー 父があちらで私を必要としております。 オクタヴィアン 僕はあなたをもっと必要としています。 ゾフィー そんなことを軽くおっしゃいますね。 元帥夫人 [急に立ち上がり、しかし考えなおしてまた座る] [独白、ゆったりと] 今日か明日かまたその次の日か。自分で自分にそう言い聞かせたじゃない?このすべてがすべての女性に訪れることなのよ。知らなかったというの?誓いをたてたのではなかった?まったく冷静な心で耐えると… オクタヴィアン 僕はあなたを愛しすぎています。 ゾフィー それは本当ではありません。あなたは、ご自身でおっしゃられるほど私を愛してらっしゃいません。私のことはお忘れください! オクタヴィアン 僕にはあなたしか、あなただけしかない! ゾフィー 私のことはお忘れください! オクタヴィアン [熱烈に] 何もかもひっちゃかめっちゃかになってもかまわない。 ゾフィー [情熱的に] 私のことはお忘れください! オクタヴィアン 他の考えは一切ありません。いつもあなたの愛らしい顔を見ています。 ゾフィー [弱々しく抵抗して] 私のことはお忘れください! オクタヴィアン あまりにも愛しています… あなたの愛らしい顔を。 [両手で彼女の両手をつかむ] 元帥夫人 今日か明日かまたその次の日か! [眼を拭い、立ち上がる] ゾフィー [静かに] 侯爵夫人があちらに!あなたをお呼びです。ですからもう行ってください。 [オクタヴィアンは数歩元帥夫人の方へ行き、いまや二人の間に立って当惑している。空白。] [ゾフィーは戸口で行くべきか留まるべきか決心がつかないでいる。オクタヴィアンは中央で一方から他方へ頭の向きを変えている。元帥夫人は彼の当惑を見る。悲しげな微笑が彼女の顔にさっと浮かぶ。] ゾフィー [扉の前で] あちらに行ってお父様がどうしてらっしゃるか見てこなくては。 オクタヴィアン 何かを話さなくてはならないけれども、言葉が出てこない。 元帥夫人 坊や、なんて様であそこの真ん中に立って困り切ってるのかしら。 オクタヴィアン [ゾフィーへ] 絶対ここにいてくださいね! [元帥夫人へ] なにかおっしゃいましたか? 元帥夫人 [オクタヴィアンには注意を向けずに、ゾフィーの方へ行き、吟味するように、しかし好意的に彼女を見つめる。ゾフィーは困惑しながら跪いてお辞儀をする。] [オクタヴィアンは一歩下がる。] 元帥夫人 そんなにすぐに彼をそんなに好きになられたの? ゾフィー [とても早口で] 閣下のご質問の意味がよくわかりかねます。 元帥夫人 あなたの青ざめた顔がすでに答えを教えてくれているわ。 ゾフィー [ひどくはにかみ、当惑して、常にとても早口で] 私が青ざめていても何も不思議ではありませんわ、閣下。お父様は大きなショックをお受けになってしまいました。言うまでもありませんが、破廉恥な男爵様に対する至極正当な激怒のために。閣下に対しては、そのご支援とご監督に永遠に感謝を負っております… 元帥夫人 [受け流して] いいからたくさん話しすぎないで、充分かわいいのだから!そしてパパ様のご病気には私がちょっと薬を知っています。今からあちらの彼の元へ行って、私とあなたとあちらの伯爵様と一緒に、私の車でお家までお連れしましょう…そうすればご気分も良くなって少しはお元気になると思わない? ゾフィー 閣下はほんとうによいお方です。 元帥夫人 そしてその青ざめたお顔については、おそらくあちらの私の従弟が薬を知っているでしょう。 オクタヴィアン [親密に] マリー・テレーズ、なんてあなたはいい人。マリー・テレーズ、僕はちっともわからない… 元帥夫人 [何とも言えない表情で、静かに] 私もちっともわからないわ。 [すっかり抑揚を失って] ちっとも。 オクタヴィアン [ためらって、彼女の後を追おうとして] マリー・テレーズ! 元帥夫人 [彼にとどまるように合図し、戸口に立っている。] [オクタヴィアンは彼女の隣に立ち、ゾフィーは右手に。] [独白] 私は固く誓った、彼を正しいやり方で愛すると、他の女に対する彼の愛でさえ愛すると!でもそのことがこんなにすぐに私に課されるとは思ってもいなかった。 [ため息をついて] 世の中にいくつかある、人が語っているのを聞いても信じることのできないことの一つなのね。ただそれを経験した者だけがわかること、そしてそれでもどうしたらいいかはわからない… ゾフィー [独白] 私は教会の中にいるように神聖な気持ちで、そしてとても不安で、そしてまたちっとも神聖でなくもある!自分がどうなっているのかわからない。教会の中にいるよう…とても神聖で…とても不安で… [表情豊かに] あそこであのご婦人の前に跪いて彼女に何かを示したい。でもそうしたら、彼女が彼を私にくれ、また同時に私から彼の一部を取り上げたと感じるわ。ちっともわからない、私がどうなっているのか。 オクタヴィアン [独白] これが起きたこと、これがなされたこと。 [表情豊かに] 彼女に聞きたい、こうでよかったの?そしてまさにその問いこそ、彼女が僕に禁じていることだと感じる。彼女に聞きたい、彼女に聞きたい。なぜ、なぜ僕の中で何かが震えるの?なにか大きな間違いが起こったから?そしてまさにそれを、まさにそれを僕は聞いては、聞いてはいけないのだ。 元帥夫人 ここに坊やが立っていて、ここに私が立っていて、そして彼はあそこの見知らぬ娘ととっても幸せになって、結局男たちが幸福であると考えるような形で。 ゾフィー 全てを理解したいし、また何も理解したくない。尋ねたいし、尋ねたくない。熱くなったり寒くなったりするわ。そしてただあなたを感じる [オクタヴィアンと見つめ合って] そしてわかるのはただ一つ、あなたを愛している。 オクタヴィアン そして僕は君を見つめる、ゾフィー、そして君だけを見て、君だけを感じて、ゾフィー、そして君だけを見て、君以外のことは何もわからない、君を愛している。 元帥夫人 神の御名において(あるがままに)。 [静かに左手に入る。二人はこのことに全く気付かない。] [オクタヴィアンはゾフィーのすぐ隣に歩み寄っている。一瞬の後、彼女は彼の腕の中に崩折れる。] オクタヴィアン 君だけを感じる、君一人だけを感じる、そして僕達が一緒にいることだけを!すべてが夢のように僕の感覚から消えさってしまう。 ゾフィー これは夢、本当ではありえないわ、私たち二人が一緒にいるなんて、ずっと、永遠に一緒にいるなんて! オクタヴィアン [より強く] 一軒の家があった、その中で君は待っていた、そして人々が僕をその中に送った、僕をまっすぐ至福へと!彼らこそ賢明であった! ゾフィー 笑うことができるの?私は天国の入口に立ったかのように不安な立場にいます。私と言ったら!私のように弱い人間はあなたの方へ倒れてしまうわ。 [彼に寄りかからずにはいられない] [この瞬間、ファニナルの家僕が扉を開け、それぞれが燭台を持って中に入ってくる。扉を通ってファニナルが、元帥夫人の手を引いてやってくる。二人の若者は一瞬動揺して立ち尽くし、それから深く挨拶をし、ファニナルと元帥夫人もこれを返す。] ファニナル [父親らしい柔和さでゾフィーの頬に軽く触れる。] こういうもんですな、若い人達は! 元帥夫人 ええ、ええ。 [ファニナルは元帥夫人に手を差し出し、彼女を中央の扉に導く。同時に元帥夫人の家僕たち(その中には黒人の子供も含まれている)が、その扉を開ける。外は明るく、中は薄暗く、二人の家僕が燭台をもって元帥夫人の先に立つ。] オクタヴィアン [夢見心地に] 君だけを感じる、君一人だけを感じる、そして僕達が一緒にいることだけを!すべてが夢のように僕の感覚から消えさってしまう。 ゾフィー [夢見心地に] これは夢、本当ではありえないわ、私たち二人が一緒にいるなんて!ずっと、永遠に一緒にいるなんて。 オクタヴィアン 君一人だけを感じる、君一人だけを。 ゾフィー あなた一人だけを感じる。 [彼の腕の中に崩折れる。] [彼は急いで彼女に接吻する。彼女は無意識のうちに、ハンカチを手から取り落とす。それから彼らは手に手を取って走っていく。] [舞台は空っぽのまま。] [するともう一度中央の扉が開く。黒人の子供が蝋燭を手に入ってくる。…ハンカチを探す…見つける…取り上げる…早足で出ていく。] [即座に幕が下りる] [完] BARON zwischen Sophie und der Marschallin stehend Bin gar nicht willens! MARSCHALLIN ungeduldig, stampft auf Mon cousin, bedeut Er ihm! kehrt dem Baron den Rücken OCTAVIAN geht von rückwärts auf den Baron zu, sehr männlich Möcht Ihn sehr bitten! BARON fährt herum Wer, Was? MARSCHALLIN von rechts, wo sie nun steht Sein’ Gnaden, der Herr Graf Rofrano, wer denn sonst? BARON nachdem er Octavians Gesicht scharf und in der Nähe betrachtet, mit Resignation. Is schon a so! vor sich Hab g’nug von dem Gesicht. Sind doch nicht meine Augen schuld. Is schon ein Mandl. Octavian steht frech und hochmütig da. MARSCHALLIN einen Schritt näher tretend Is eine wienerische Maskerad und weiter nichts. SOPHIE halb traurig, halb höhnisch, für sich Is eine wienerische Maskerad’ und weiter nichts. BARON sehr vor den Kopf geschlagen Aha! für sich Spiel’n alle unter einem Leder gegen meiner! MARSCHALLIN von oben herab Ich hätt Ihm nicht gewunschen, daß Er mein Mariandel in der Wirklichkeit mir hätte debauchiert! BARON wie oben, vor sich hin sinnierend MARSCHALLIN wie oben und ohne Octavian anzusehen Hab jetzt einen montierten Kopf gegen die Männer - so ganz im allgemeinen! BARON allmählich der Situation beikommend Kreuzelement! Komm aus dem Staunen nicht heraus! Der Feldmarschall - Octavian - Mariandl - die Marschallin - Octavian - mit einem ausgiebigen Blick, der von der Marschallin zu Octavian, von Octavian wieder zurück zur Marschallin wandert Weiß bereits nicht, was ich von diesem ganzen qui pro quo mir denken soll! MARSCHALLIN mit einem langen Blick, Er ist, mein’ ich, ein Kavalier? dann mit großer Sicherheit Da wird Er sich halt gar nichts denken. Das ist’s, was ich von Ihm erwart’. Pause BARON mit Verneigung und weltmännisch Bin von so viel Finesse charmiert, kann gar nicht sagen wie. Ein Lerchenauer war noch nie kein Spielverderber nicht. einen Schritt an sie herantretend Find’ deliziös das Ganze qui pro quo, bedarf aber dafür nunmehro Ihrer Protektion. Bin willens alles Vorgefallene vergeben und vergessen sein zu lassen. Pause Eh bien, darf ich den Faninal - er macht Miene, an die Tür links zu gehen. MARSCHALLIN Er darf, - Er darf in aller Still’ sich retirieren. BARON aus allen Himmeln gefallen MARSCHALLIN Versteht Er nicht, wenn eine Sach’ ein End hat? Die ganze Brautschaft und Affär und alles sonst, was drum und dran hängt, sehr bestimmt ist mit dieser Stund’ vorbei. SOPHIE sehr betreten, für sich Was drum und dran hängt, ist mit dieser Stund’ vorbei. BARON für sich, empört, halblaut Mit dieser Stund’ vorbei. Mit dieser Stund’ vorbei. Baron findet sich durchaus nicht in diese Wendung, rollt verlegen und aufgebracht die Augen. MARSCHALLIN scheint sich nach einem Stuhl umzusehen. Octavian springt hin, gibt ihr einen Stuhl. Marschallin setzt sich rechts. mit Bedeutung, für sich Ist halt vorbei. SOPHIE links, vor sich, blaß Ist halt vorbei. In diesem Augenblick kommt der Mann aus der Falltür hervor. Von links tritt Valzacchi ein, die Verdächtigen in bescheidener Haltung hinter ihm. Annina nimmt Witwenhaube und Schleier ab, wischt sich die Schminke weg und zeigt ihr gewöhnliches Gesicht. Das alles zu immer gesteigertem Staunen des Barons. Der Wirt, eine lange Rechnung in der Hand, tritt zur Mitteltür herein, hinter ihm Kellner, Musikanten, Hausknechte, Kutscher. BARON wie er sie alle erblickt, gibt er sein Spiel verloren. Ruft schnell entschloßen Leupold, wir gehn. macht der Marschallin ein tiefes, aber zorniges Kompliment. Leiblakai ergreift einen Leuchter vom Tisch und will seinem Herrn voran. ANNINA stellt sich dem Baron in den Weg. „Ich hab halt schon einmal ein Lerchenauisch Glück! Komm Sie nach Tisch, auf die Rechnung des Wirtes deutend geb ihr die Antwort nachher schriftlich.“ DIE KINDER kommen dem Baron unter die Füße. Er schlägt mit dem Hut unter sie. Papa! Papa! Papa! DIE KELLNER sich zuerst an den Baron drängend Entschuld’gen Euer Gnaden! Entschuld’gen Euer Gnaden! uns gehn die Kerzen an! WIRT sich mit der Rechnung vordrängend Entschuld’gen Euer Gnaden! ANNINA vor dem Baron her nach rückwärts tanzend „Ich hab’ halt schon einmal ein Lerchenauisch Glück!“ VALZACCHI höhnisch „Ich hab’ halt schon einmal ein Lerchenauisch Glück!“ MUSIKANTEN sich dem Baron in den Weg stellend Tafelmusik über zwei Stunden. Leiblakai bahnt sich den Weg gegen die Tür hin. Baron will hinter ihm durch. DIE KUTSCHER auf den Baron eindringend Für die Fuhr’, für die Fuhr’! Rösser g’schund’n ham ma gnua! HAUSKNECHT den Baron grob anrempelnd Sö, fürs Aufsperrn, Sö, Herr Baron! WIRT immer die Rechnung präsentierend Entschuld’gen Eu’r Gnaden! Entschuld’gen Eu’r Gnaden! DER KELLNER Zwei Schock Kerzen, uns gehn die Kerzen an. BARON im Gedränge Platz da, Platz da, Kreuzmillion! Platz da, Platz da! Baron drängt sich mit Macht gegen die Ausgangstür, alle dicht um ihn in einem Knäuel. HAUSKNECHT Führa g’fahr’n, außa g’ruckt, Sö, Herr Baron! DIE KINDER Papa, Papa, Papa! von hier ab schreien Alle wild durcheinander Alle sind schon in der Tür, dem Lakai wird der Armleuchter entwunden. Baron stürzt ab, alle stürmen ihm nach, der Lärm verhallt. Die zwei Faninalschen Diener sind indessen links abgetreten. Es bleiben allein zurück Sophie, die Marschallin und Octavian. SOPHIE links stehend, blaß Mein Gott! Es war nicht mehr als eine Farce. Mein Gott, mein Gott! Wie Er bei ihr steht und ich bin die leere Luft für ihn! OCTAVIAN hinter dem Stuhl der Marschallin, verlegen War anders abgemacht, Marie Theres, ich wunder mich! in höchster Verlegenheit Befiehlt Sie, daß ich - soll ich nicht - die Jungfer - der Vater - MARSCHALLIN Geh’ Er doch schnell, und tu Er, was sein Herz Ihm sagt. SOPHIE verzweifelt Die leere Luft. O mein Gott! Mein Gott! OCTAVIAN Theres, ich weiß gar nicht - MARSCHALLIN Geh Er und mach Seinen Hof. OCTAVIAN Ich schwör Ihr - MARSCHALLIN Laß Er’s gut sein. OCTAVIAN Ich begreif’ nicht, was Sie hat. MARSCHALLIN lacht zornig Er ist ein rechtes Mannsbild, geh’ Er hin! OCTAVIAN Wie Sie befiehlt. geht hinüber SOPHIE wortlos OCTAVIAN bei ihr Eh bien, - hat Sie kein freundlich Wort für mich? Nicht einen Blick, nicht einen lieben Gruß? SOPHIE stockend War mir von Euer Gnaden Freundschaft und Behilflichkeit wahrhaftig einer andern Freud’ gewärtig. OCTAVIAN lebhaft Wie - freut Sie sich denn nicht? SOPHIE unmutig Hab’ wirklich keinen Anlaß nicht. OCTAVIAN Hat man Ihr nicht den Bräutigam vom Hals geschafft? SOPHIE Wär all’s recht schön, wenn’s anders abgegangen wär’. Schäm’ mich in Grund und Boden. Versteh’ sehr wohl, mit was für einem Blick Ihre fürstliche Gnaden mich betracht. OCTAVIAN Ich schwör Ihr meiner Seel und Seligkeit! SOPHIE Laß Er mich gehn! OCTAVIAN Ich laß Sie nicht! faßt ihre Hand SOPHIE Der Vater braucht mich drin. OCTAVIAN Ich brauch’ Sie nötiger. SOPHIE Das sagt sich leicht. MARSCHALLIN steht jäh auf, besinnt sich aber und setzt sich wieder vor sich, getragen Heut’ oder morgen oder den übernächten Tag. Hab’ ich mir’s denn nicht vorgesagt? Das alles kommt halt über jede Frau. Hab’ ich’s denn nicht gewußt? Hab’ ich nicht ein Gelübde tan? Daß ich’s mit einem ganz gefaßten Herzen ertragen werd’... OCTAVIAN Ich hab’ Sie übermäßig lieb. SOPHIE Das ist nicht wahr. Er hat mich nicht so lieb, als wie Er spricht. Vergeß Er mich! OCTAVIAN Ist mir um Sie und nur um Sie! SOPHIE Vergeß Er mich! OCTAVIAN heftig Mag Alles drunter und drüber geh’n. SOPHIE leidenschaftlich Vergeß Er mich! OCTAVIAN Hab’ keinen andern Gedanken nicht. Seh’ allweil Ihr lieb Gesicht. SOPHIE schwach abwehrend Vergeß Er mich! OCTAVIAN Hab’ allzu lieb - Ihr lieb Gesicht. Er faßt mit beiden Händen ihre beide Hände. MARSCHALLIN Heut’ oder morgen oder den übernächsten Tag! sie wischt sich die Augen, steht auf SOPHIE leise Die Fürstin da! Sie ruft Ihn hin. So geh’ Er doch! Octavian ist ein paar Schritte gegen die Marschallin hingegangen, steht jetzt zwischen beiden, verlegen. Pause. Sophie in der Tür, unschlüssig, ob sie gehen oder bleiben soll. Octavian in der Mitte, dreht den Kopf von einer zur andern. Marschallin sieht seine Verlegenheit; ein trauriges Lächeln huscht über ihr Gesicht. SOPHIE an der Tür Ich muß hinein und fragen, wie’s dem Vater geht. OCTAVIAN Ich muß jetzt was reden und mir verschlagt’s die Red’. MARSCHALLIN Der Bub, wie er verlegen da in der Mitten steht. OCTAVIAN zu Sophie Bleib’ Sie um Alles hier! zur Marschallin Wie hat Sie was gesagt? MARSCHALLIN sie geht, ohne Octavian zu beachten, zu Sophie hinüber, sieht sie prüfend, aber gütig an. Sophie in Verlegenheit, knixt. Octavian tritt einen Schritt zurück. MARSCHALLIN So schnell hat Sie ihn gar so lieb? SOPHIE sehr schnell Ich weiß nicht, was Euer Gnaden meinen mit der Frag’. MARSCHALLIN Ihr blaß Gesicht gibt schon die rechte Antwort d’rauf. SOPHIE in großer Schüchternheit und Verlegenheit, immer sehr schnell Wär’ gar kein Wunder, wenn ich blaß bin, Euer Gnaden. Hab’ einen großen Schreck erlebt mit dem Herrn Vater. Gar nicht zu reden von gerechtem Emportement gegen den skandalösen Herrn Baron. Bin Euer Gnaden in Ewigkeit verpflichtet, daß mit Dero Hilf’ und Aufsicht - MARSCHALLIN abwehrend Red’ Sie nur nicht zu viel, Sie ist ja hübsch genug! Und gegen dem Herrn Papa sein Übel weiß ich etwa eine Medizin. Ich geh’ jetzt da hinein zu ihm und lad’ ihn ein, mit mir und Ihr und dem Herrn Grafen da in meinem Wagen heimzufahren - meint Sie nicht, daß ihn das rekreieren wird und allbereits ein wenig munter machen? SOPHIE Euer Gnaden sind die Güte selbst. MARSCHALLIN Und für die Blässe weiß vielleicht mein Vetter da die Medizin. OCTAVIAN innig Marie Theres’, wie gut Sie ist. Marie Theres’, ich weiß gar nicht - MARSCHALLIN mit einem undefinierbaren Ausdruck; leise Ich weiß auch nix. ganz tonlos Gar nix. OCTAVIAN unschlüßig, als wollte er ihr nach Marie Theres’! MARSCHALLIN sie winkt ihm, zurückzubleiben und bleibt in der Tür stehen. Octavian steht ihr zunächst, Sophie weiter rechts. vor sich Hab’ mir’s gelobt, ihn lieb zu haben in der richtigen Weis’, daß ich selbst sein Lieb’ zu einer andern noch lieb hab’! Hab’ mir freilich nicht gedacht, daß es so bald mir aufgelegt sollt’ werden. seufzend Es sind die mehreren Dinge auf der Welt, so daß sie ein’s nicht glauben tät’, wenn man sie möcht’ erzählen hör’n. Alleinig, wer’s erlebt der glaubt daran und weiß nicht wie - SOPHIE vor sich Mir ist, wie in der Kirch’n, heilig ist mir und so bang und doch ist mir unheilig auch! Ich weiß nicht, wie mir ist. Wie in der Kirch’n - so heilig - so bang. ausdrucksvoll Ich möcht’ mich niederknie’n dort vor der Frau und möcht’ ihr was antun. Denn ich spür’, sie gibt mir ihn und nimmt mir was von ihm zugleich. Weiß gar nicht, wie mir ist. OCTAVIAN vor sich Es ist was kommen und ist was g’scheh’n, ausdrucksvoll Ich möcht sie fragen Darf’s denn sein? Und grad’ die Frag’ die spür’ ich, daß sie mir verboten ist. Ich möcht’ sie fragen, ich möcht’ sie fragen warum, warum zittert was in mir? Ist denn ein großes Unrecht gescheh’n? Und grad’ an die, an die darf ich die Frag’, die Frag’ nicht tun. MARSCHALLIN Da steht der Bub und da steh’ ich, und mit dem fremden Mädel dort wird er so glücklich sein, als wie halt Männer das Glücklichsein versteh’n. SOPHIE Möcht’ alles versteh’n und möcht’ auch nichts versteh’n. Möcht’ fragen und nicht fragen, wird mir heiß und kalt. Und spür’ nur dich Aug in Aug mit Octavian und weiß nur eins dich hab’ ich lieb. OCTAVIAN Und dann seh’ ich dich an, Sophie und seh’ nur dich, spür’ nur dich, Sophie, und seh’ nur dich und weiß von nichts als nur dich, dich hab’ ich lieb. MARSCHALLIN In Gottes Namen. sie geht leise links hinein, die beiden bemerken es gar nicht. Octavian ist dicht an Sophie herangetreten. Einen Augenblick später liegt sie in seinen Armen. OCTAVIAN Spür’ nur dich, spür’ nur dich allein und daß wir beieinander sein! Geht all’s sonst wie ein Traum dahin vor meinem Sinn. SOPHIE Ist ein Traum, kann nicht wirklich sein, daß wir zwei beieinander sein, beieinand für alle Zeit und Ewigkeit! OCTAVIAN stärker War ein Haus wo, da warst du drein, und die Leute schicken mich hinein, mich gradaus in die Seligkeit! Die waren g’scheidt! SOPHIE Kannst du lachen? Mir ist zur Stell’ bang wie an der himmlischen Schwell’. Halt mich! ein schwach Ding wie ich bin, sink’ dir dahin. Sie muß sich an ihn lehnen. In diesem Augenblick öffnen die Faninalschen Lakaien die Tür und treten herein, jeder mit einem Leuchter. Durch die Tür kommt Faninal, die Marschallin an der Hand führend. Die beiden Jungen stehen einen Augenblick verwirrt, dann machen sie ein tiefes Compliment, das Faninal und die Marschallin erwidern. FANINAL tupft Sophie väterlich gutmütig auf die Wange. Sind halt aso, die jungen Leut’! MARSCHALLIN Ja, ja. Faninal reicht der Marschallin die Hand, führt sie zur Mitteltür, die zugleich durch die Livree der Marschallin, darunter der kleine Neger, geöffnet wurde. Draußen hell, herinnen halbdunhel, da die beiden Diener mit den Leuchtern der Marschallin voraustreten. OCTAVIAN träumerisch Spür’ nur dich, spür’ nur dich allein, und daß wir beieinander sein! Geht all’s sonst wie ein Traum dahin vor meinem Sinn. SOPHIE träumerisch Ist ein Traum kann nicht wirklich sein, daß wir zwei beieinander sein! beieinand für alle Zeit und Ewigkeit. OCTAVIAN Spür’ nur dich allein, dich allein. SOPHIE Spür’ nur dich allein. Sie sinkt an ihn hin. Er küßt sie schnell. Ihr fällt, ohne daß sie es merkt, ihr Taschentuch aus der Hand. Dann laufen sie schnell,- Hand in Hand hinaus. Die Bühne bleibt leer. Dann geht nochmals die Mitteltür auf. Herein kommt der kleine Neger, mit einer Kerze in der Hand.- Sucht das Taschentuch,- findet es,- hebt es auf - trippelt hinaus. Der Vorhang fāllt rasch. Ende. (libretto Hugo von Hofmannsthal) この日本語テキストは、 クリエイティブ・コモンズ・ライセンス の下でライセンスされています。@mmnakai Strauss,Richard/Der Rosenkavalier
https://w.atwiki.jp/oper/pages/1578.html
第1部 オーケストラ前奏 ヴァルデマー 今や黄昏は 海と地の全ての音を弱め、 さまよう雲は地平線に 心地よく横たわった。 無音の平穏が 森の軽やかな門に鍵をかけ、 海の明瞭な波は 休息に向けて揺れていた。 紫の衣装を身につけた 太陽は西に傾き 満潮のベッドで 翌日の絢爛を夢見ている。 今や森の輝ける家では 最小の葉も揺れない、 今や最小の音すらも鳴っていない、 休息せよ、私の意識よ、休息せよ! そして全ての力はそれにふさわしい 夢のふところの中へ沈み、 平穏に不安なく 私を自分自身へと追い戻す。 トーヴェ 月の光がかすかに動く時、 そして平穏と休息が全てを通して広がる時、 海の領域には水がないように思え、 森の方にも茂みや木はないように見える。 天を飾る雲はなく、 大地の背中を飾る谷や山はなく、 形や色彩のたわむれは空虚な泡を飾ってるだけ、 全ては神の夢の名残。 ヴァルデマー 我が馬よ!なぜそんなに緩慢に歩くのか! 違う、きびきび動く蹄の足取りの下で 道が逃げ去るのが見えている。 しかしおまえはもっと速く急がねばならない、 おまえはまだ森の中程にいる、 そして私は留まることなく、 グレ(の城)に間もなく突き入ると思っていた。 今や森を離れ、その城が既にそこに見えている。 その城はトーヴェを私のために包囲して(守って)おり、 一方、我々(私と馬)の背後では森が 暗黒の城壁に合流している (背後を守っている)、 だが、馬よもっと駆けよ! 見よ!森の影が 野に湿地に伸びていく! 影がグレの地に到達する前に、 私はトーヴェの門の前に立たなくてはならない。 今鳴っているその(蹄の)音が止まって、 二度と鳴らなくなる前に、 馬よ、お前の俊敏な蹄の音は グレの橋の上にとどろかなくてはならない、 その - そこに(空中に)まだ漂っている - 落ち葉が、 下の小川に落ちるであろうその前に、 グレの(城の)中庭にお前(馬)のいななきが 快活に再び反響しなくてはならない! (森の)影が伸び、(蹄の)音はきえてゆき、 落ち葉がまさに落ちんとした今、 フォルマー(ヴァルデマー)はトーヴェを見た! トーヴェ 星々は歓呼し、海、それは輝き、 その拍動する心臓を海岸線に押しつける、 葉々、それらはざわざわ音を立て、 それら(葉々)の露の飾りは震動する、 海風は大胆にふざけながら私を抱擁する、 風見鶏は歌い、塔のツィンネ(のこぎり型狭間)は頷く、 若者達は燃え上がる眼差しで誇らしげに歩く、 満ちあふれる生命の波打つ胸は、 いたずらに花盛りの娘達を縛る、 薔薇、それらは遠方を偵察する努力をする、 松明、それらはとても喜んで燃え輝く、 森はその場所にその呪縛を解放する、 聞け、街中に今、猟犬の吠え声を! そして階段をせり上がる波が 港に王者たる英雄を運んでくる、 彼(英雄)が最上段から私の腕の中に落ちてくるまで。 ヴァルデマー 神の王座の前で天使達は踊らない、 今、私の前で世界が踊るようには。 彼ら(天使)のハープの音色は愛らしく響かない、 ヴァルデマーの魂があなたに響くようには。 神の傍らに座る 厳しい救済の戦いを経た誇り高いキリストも トーヴェの傍らでヴァルデマーが今、 誇り高く王者たるほどではない。 霊魂が天国の絆への道を勝ち取りたいと切望するのも 私があなたのキスを切望する程ではない、 (あなたのキスがある)その場所でグレの(城の)ツィンネが 光り輝いているのをエーレスンドから見たのだから。 そして私は交換することもない それら(ツィンネ)の城壁やそれらが忠実に守っている宝と 天国の輝きやうっとりする音響や 全ての聖なる(天使の)群れとを! トーヴェ 今、私はあなたに初めて言います、 「フォルマー王、私はあなたを愛しています!」 今、私はあなたに初めてキスをして あなたを腕で抱きしめます。 そしてあなたは話します、それは以前にも私が言ったことだと そして私のキスがあなたに贈られるごとに 私は話します「王様は道化、 過ぎたつまらないことに思いを馳せていた(道化)」 そしてあなたは言う「そう私はそのような道化だ」 だから私は話す「王様の言っていることは正しい」 しかしあなたは言う「違う、そうではない」 それで私は話す「王様は悪い」 なぜなら、私は私の全ての薔薇をキスで枯らしてしまったから 私があなたに思いを馳せていた間に。 ヴァルデマー 今は真夜中、 そして祝福されない種族達が 忘れられ崩れ落ちた墓々から起き上がる、 彼らは憧憬の眼差しを 城のろうそくと小屋の明かりに向ける。 風はさげすむように 彼ら(不吉な種族)の上低く ハープの音とグラスの音、 そして愛の歌を震わせる。 そして彼らは消滅しつつ喘ぐ、 「我らの時は終わった」 私の頭は生きている波の上で揺れ動き、 私の手は一つの心臓の鼓動を聞く。 灼熱のキスの紫雨が私の上を 命に燃えくすぶりながら流れ下る、 そして私は叫ぶ 「今こそ私の時だ」 しかし時は過ぎ、 私は真夜中の時間に向けて いずれ死んだように 徘徊するだろう、 私はきつく骸布を身にまとい 冷たい風に向かって さらに深夜の月光の中を忍び歩くだろう 重たい十字架の墓標に 苦痛で縛られ 愛するあなたの名前を 地面の中へ刻み、 沈み、喘ぐだろう、 「我らの時は終わった」 トーヴェ あなたは私に愛の眼差しを送り 目を落とす、 その眼差しは私の手の中であなたの手を加圧するが、 圧力は消え去る、 しかし愛を呼び起こすキスとして あなたは私のつないだ手を私の唇にあてがう。 あなたはそれでも死の意志を嘆くことができるだろうか、 もし燃え上がるキスのように 眼差しが燃え上がりうるとしたら? 天上の輝く星々は もちろん夜明けと供に色あせていく、 それでもそれら(星々)は 永遠の絢爛の中で夜ごと新たに燃え上がる。 死は短い、 黄昏から黄昏への 静かなまどろみと同じように。 そしてあなたが目覚めると、 ベッドの上のあなたの隣で 新たな美の中に あなたは 若い花嫁が光り輝いているのを見る。 だから金の杯を 飲み干しましょう 強力に美化された死のために。 なぜなら、私たちは微笑みのように 墓に入るのだから、 祝福されたキスの中で息を引き取りつつ。 ヴァルデマー 汝、妙なるトーヴェよ! あなたのおかげで私はこんなにも満ち足りている、 これ以上私自身の要望は何一つない、 胸はこんなにも軽く、 私の思考はこんなにも明瞭、 魂の上には覚醒している平穏。 私の中はとても静かだ、 とても不思議に静かだ。 唇の上に言葉は橋を架けて留まる、 でも、それ(言葉)は再度休息へと沈んでいく。 なぜなら私にとって、 あなたの心臓の鼓動は 私の胸の中で打っているかのようで、 あなたの胸が 私の呼吸を起こしているかのようであるから。 そして私たちの思いが生じて 一緒に雲のように流れていくのを私は見る、 出会って形を変え一つになり揺れ動く雲のように。 そして私の魂は静かで、 私はあなたの目を見て沈黙する、 汝、妙なるトーヴェよ。 オーケストラ間奏 森鳩の声 グレの鳩々よ!不安が私を苦しめる、 島の上を通ってこちらへくる道での不安が! みなさん来なさい!聞きなさい! トーヴェは死にました!彼女の目の上には夜、 王の昼(の光)だったその目に! 彼女の心臓は止まっている、 しかし王の心臓は激しく打っている、 死んだように、でも激しく! 波の上の小舟と同じくらい奇妙に、 波を受けるのに 甲板が忠実にも折れ曲がって(耐えて)いる時に、 舵手は深い海草に巻き込まれて死んで横たわっている そんな小舟と同じくらい奇妙に。 道がなくて 誰も彼ら(王とトーヴェ)に知らせを届けられない。 彼らの思いは寄り添って滑っていく 二本の流れのようだった。 トーヴェの思いは今どこを流れているのだろう? 王の思いは奇妙に曲がりくねりながら流れ去り、 トーヴェの思いを探すが 見つからない。 私は遠くまで飛び、嘆きを探し、たくさん見つけた! 私は王の肩の上の棺を見た、 ヘニンクがそれ(棺)を支えていた、 暗い夜だった、 ただ一つの松明だけが道を照らしていた、 復讐心に燃えた王妃が、 それ(松明)を高いバルコニーの上で持っていた。 彼女が流したくなかった涙が、 目に光っていた。 私は遠くまで飛び、嘆きを探し、たくさん見つけた! 私は農夫の胴着で 棺を運ぶ王を見た。 頻繁に彼(王)を戦場に運んだ彼の軍馬が、 棺を引いていた。 王の目は荒々しく見つめていた、 一つの視線を求めて、 奇妙に王の心は一つの言葉に 耳を澄ましていた。 ヘニンクは王に話しかけたが、 彼(王)は言葉と視線を求め続けた。 王はトーヴェの棺を開け、 唇を震わせながら見つめ耳を澄ます、 トーヴェは黙っている! 私は遠くまで飛び、嘆きを探し、たくさん見つけた 一人の僧が夕べの鐘を鳴らすために 引き綱を引こうとしていた、 でも彼は(棺を引く)御者を見て そして訃報を聞いた、 日は沈んでいった、 その間、弔いの鐘が鳴った。 私は遠くまで飛び、嘆きを探した、そして死も! ヘルヴィヒの鷹だった 残酷にも グレの鳩を引き裂いたのは! 第2部 ヴァルデマー 神よ、あなたは自分が何をしたかお分かりか、 小さなトーヴェを私から天にお召しになるとは? あなたは私が幸福を感じられる、 最後の砦から私を追い出した。 主よ、あなたは恥じらうべきだ、 しもべの唯一の羊を殺したことを! 神よ、私もまた一人の君主であり、 これは私の君主としての信念だが、 しもべから決して 最後の光まで奪ってはならない。 あなたは間違った道を選んだ、 それは君主ではなく、もはや暴君である! 神よ、あなたの天使達は いつもあなたを讃えて歌う、 でもあなたを非難することができる者が もっと必要ではなかろうか。 そして誰がそんなことをあえてしたがるだろうか? 主よ、あなたの宮廷道化たる帽子を私に被らせ給え! 第3部 ワイルドハント ヴァルデマー 目覚めよ、ヴァルテマー王の親愛なる家臣たちよ! 腰に錆びた剣を帯びよ、 教会の外で埃まみれの盾を取れ、 荒廃した建物に恐怖の色を塗れ。 お前たちの馬のために朽ちた死体を目覚めさせよ、 それら(馬)を黄金で飾り、横腹に拍車をかけよ、 お前たちはグレの街に召集されたのだ、 今日は死者達の遠出の日だ! 農夫 カタカタいってた棺の蓋がバタンと閉まり、 それは夜通し馬で走りながら重々しくやってくる。 芝生は丘から下までめくれ、 納骨堂には金のように澄んだ音が鳴り響く! 武器庫はカチャカチャガチャガチャ響き渡り、 古い道具を投げたり動かしたり、 教会の中庭では石がドタバタ、 ハイタカは塔と神社からザワザワと、 教会の門へ飛んでいく! 男声合唱 ホラー! 農夫 そこを通り過ぎた!急いで耳に覆いを! 私は急いで聖なる十字を3回切る 人と家と馬と牛のために、 私は3回キリストの名を呼ぶ、 そうすれば畑の種は守られて残る。 私は賢く体にも十字を切る、 主が聖創を負った部分に、 そうすれば私は夜の妖怪から守られる、 エルフの襲撃やトロルの危険からも。 最後にドアの前に鉄と石を置く、 そうすれば悪霊がドアから入って来られない。 ヴァルデマーの家臣達 ようこそ、おお王よ、グレの浜辺へ! さあ、島中で狩りをしましょう! ホラ!つるのない弓から矢を放つ、 中空の眼球と骨の手で、 鹿のシルエットを射る、 ホラ!その結果、傷から草の露が流れ出る。 ホラ!戦場の鴉たちが 我々に護衛を与える、 馬は王冠ブナの上をこえて走る、 ホラ!そう、我々は共有の伝説に則って狩りをする 毎夜最後の審判の日まで。 ホラ!ゆけ犬よ!ゆけ馬よ! 狩りの時間は少ししか続かない! ここにあの城がある、昔と同じように! ホラ!カラスムギ(ローケの燕麦)を痩せ馬に与えよ、 我々は過去の名声を糧として存在するつもりだ。 ヴァルデマー トーヴェの声で森はささやき、 トーヴェの目で海は見る、 トーヴェの微笑みで星は輝き、 トーヴェの胸の白雪のように雲は膨らむ。 感覚は彼女を捉えようと狩りをする、 思考は彼女の姿を求めて戦う。 しかし、トーヴェはここに、そしてトーヴェはあそこに、 トーヴェは遠くに、そしてトーヴェは近くに。 トーヴェ、あなたは魔法の力で 湖と森の絢爛にとらわれているのだろうか? 止まった心臓が膨らみ広がる、 トーヴェよ、トーヴェよ、ヴァルデマーはあなたを切望する! 道化のクラウス 「ウナギというのは珍しいトリだ、 ほとんど水中で暮らしていて、 でも時々月の光の所にやってきて 岸辺を旅行する」 これ(この歌)を私は主人の客達によく歌ったが、 今では自分自身に一番ぴったり当てはまる。 私は今、家を持っておらず、赤貧洗うがごとしだ、 だから誰も招待しなかったし、散財も大騒ぎもしなかった、 にもかかわらず、厚かましい野郎がいつも私を消耗させる、 それ(野郎)に関して私は何も提供することができない、 したいしたくないは関係ない、 それでも、私は夜の平穏を与える、 その理由を教えることができる人に、 なぜ私が毎晩、池の岸辺を ぐるぐる回らなければならないのか。 パレ・グロープとエリック・パーもそれをしている それについては以下のように理解している、 彼らは報償にふさわしくないからだと、 彼らは地獄に来て、馬に乗りながらでも サイコロを振っている、 (地獄の)かまどから離れた一番涼しい場所を賭けて。 そして、気が触れた王が、 フクロウ達の嘆き声とともに、 いつも彼女の名前を呼ぶ、 もう死んでからずいぶん経つのに、 それと、この人(王)は 法的規制のもとで狩りをして当然だし、しなくてはならない。 なぜなら、彼は非常に残酷だったから、 用心に値したし 危険に備えて目を開いておくに値した、 月のむこうのあちら側の偉大な統治(天国)のもとでは 彼自身が宮廷道化であった。 でも私クラウス・ナル(道化)・フォン・ファールムは、 私は以下のことについてそれ(統治)を信用していた、 墓の中では人は完全な安息を持つであろうと、 精神は塵の傍らに留まり、 そこで平和に自分の営みを成すであろうと、 静かに大宮廷祭に集まるだろうと、 そこでは兄王クヌートの言うように トロンボーンが鳴り、 そこでは我々善人が機嫌よく 罪人を鶏みたいに食う、 ああ、私は馬に乗って(現在)疾走している、 馬の鼻を尻尾の方に回したままで、 激しい疾走に死ぬほど疲れながら、(こんなことになるなら) 間に合っていれば、私は自分で首をつっておけばよかった。 しかし最後にはどんなに甘い味を味わうだろう、 その後天国に移動できるなら! 確かに私の罪の登録簿は厚いかもしれない、 しかしその(登録簿の)ほとんどを駄弁って逃れてやる! 裸の真実に服を着せたのは誰だ? そのために遺憾ながら殴られたのは誰だ? そうだ、もしまだ正義が存在するなら、 私は天国のバンガローに入れるに違いない… なあ、そしたら神さま自身にも恩寵があるかも。 ヴァルデマー 天上の強き裁き主よ、 あなたは私の苦痛を笑っている、 でもいずれ肉体の復活の際には よく肝に銘じておきなさい、 私とトーヴェは一体である。 我々の魂もちぎれることはない、 私が地獄、彼女が天国へと(ちぎれることはない)、 なぜならば、さもないと私は力を獲得するから、 あなたの天使の警備を打ち砕き そして私の軍勢とともに 天国に突入する(力を)。 ヴァルデマーの家臣達 雄鶏が鶏声をあげるために頭をもたげ、 すでに暁をくちばしに持っている、 そして我々の剣からは 赤さびた朝露がしたたり落ちる。 時は終わった! 墓が口を開けて呼んでいる、 大地は嫌光性の(闇の)神秘を飲み込む。 (みなさん)沈みなさい! 沈みなさい! 生がやってくる、力と輝きとともに、 行為と拍動する心臓とともに、 そして我々は死のものである、 不安と死の、 苦痛と死の、 墓の中へ!墓の中へ!夢を身ごもった安息へ おお、私たちが安らかに眠れますように! 夏風のワイルドハント オーケストラ前奏 話し手 アカザ、オシヒバの紳士淑女諸君、 急いで身をすくめなさい、 夏風のワイルドハントが始まるから 葦林の外では 蚊が心配げに飛び、 湖の中に風はその銀の痕跡を刻んだ。 みなさんがこれまで考えたこともなかったひどいことが起こる フゥ!ブナの葉がなんと恐ろしく笑い声を上げていることか! こちらには赤い炎をあげる聖なるホタル、 そして牧草地の濃い霧、 青白い死の影! 何という波と振動! 何という戦闘と歌 風は嫌悪感の中で(穀物の)穂の中へ打ちつける。 その結果、穀物畑は音を立てて揺れる。 蜘蛛は長い脚で糸をこすり、 苦労して張った網は引き裂かれる。 露は谷へ音を立てて流れ、 星々は同時に現れたり消えたりし、 蝶は逃げて茂みを通ってカサカサ音を立て、 蛙は湿った隠れ家の方へ跳ねていく。 静まれ!ただ風は何がしたいというのだろう? 彼(風)が枯れ葉をひっくり返すとき、 彼はあまりに早く終わってしまった何かを探しているのだ、 それは春の青白い花びら、 地上のはかない夏の夢、 それらはとうの昔に塵になっている! しかしあちらの上方、木々の上で 彼はより明るい場所で揺れ動いている、 なぜなら、上のその場所では、極繊細な夢のような 花々が存在するに違いないと彼は思うから! そして不思議な音とともに 花の葉の冠の中で 彼はほっそりした美女達に再び挨拶する。 見て!いまもまたそれが通り過ぎた。 風通しのよい小道の上を彼は自由に 湖の光る鏡(水面)へ渦巻いていく、 そしてそこでは波の終わらない踊りの中で、 青白い星々の反射の中で 彼は穏やかにゆりかごに揺られている。 その場所はなんと静かになったことだろう! ああ、それは明るく澄んでいた! おお、花の萼から飛び出せ小さなてんとうむし、 そしてあなたの美しい恋人に 生命と日光を求めなさい。 すでに波が岩礁で踊っている、 すでに色を帯びたかたつむりが草を這っている、 今や森の鳥の群れも活動している、 花はその巻き毛から露を振り落とし 太陽(が出てくるの)を見張っている。 目覚めなさいあなたたち花々よ、歓喜に。 混声合唱 (あなたたち)見なさい、 地平線の彩り鮮やかな太陽を 東方であなたたちに朝の夢が挨拶している。 それ(太陽)は満ちた夜の中から 微笑みながら昇ってくる、 明るい額から飛翔させる 光線の絢爛な巻き毛。 (シュトラーレン・ロッケンプラハト) I. TEIL ORCHESTER-VORSPIEL WALDEMAR Nun dämpft die Dämm rung jeden Ton Von Meer und Land, Die fliegenden Wolken lagerten sich Wohlig am Himmelsrand. Lautloser Friede schloss dem Forst Die luftigen Pforten zu, Und des Meeres klare Wogen Wiegten sich selber zur Ruh. Im Westen wirft die Sonne Von sich die Purpurtracht Und träumt im Flutenbette Des nächsten Tages Pracht. Nun regt sich nicht das kleinste Laub In des Waldes prangendem Haus, Nun tönt auch nicht der leiseste Klang, Ruh aus, mein Sinn, ruh aus! Und jede Macht ist versunken In der eignen Träume Schoss, Und es treibt mich zu mir selbst zurück, Stillfriedlich, sorgenlos. TOVE O, wenn des Mondes Strahlen leise gleiten, Und Friede sich und Ruh durchs All verbreiten, Nicht Wasser dünkt mich dann des Meeres Raum, Und jener Wald scheint nicht Gebüsch und Baum. Das sind nicht Wolken, die den Himmel schmücken, Und Tal und Hügel nicht der Erde Rücken, Und Form und Farbenspiel, nur eitle Schäume, Und alles Abglanz nur der Gottesträume. WALDEMAR Ross! Mein Ross! Was schleichst du so träg! Nein, ich seh s, es flieht der Weg Hurtig unter der Hufe Tritten. Aber noch schneller musst du eilen, Bist noch in des Waldes Mitten, Und ich wähnte, ohn Verweilen Sprengt ich gleich in Gurre ein. Nun weicht der Wald, schon seh ich dort die Burg, Die Tove mir umschliesst, Indes im Rücken uns der Forst Zu finstrem Wall Zusammenfliesst; Aber noch weiter jage du zu! Sieh! Des Waldes Schatten dehnen Über Flur sich weit und Moor! Eh sie Gurres Grund erreichen, Muss ich stehn vor Toves Tor. Eh der Laut, der jetzo klinget, Ruht, um nimmermehr zu tönen, Muss dein flinker Hufschlag, Renner, Über Gurres Brücke dröhnen; Eh das welke Blatt--dort schwebt es--, Mag herab zum Bache fallen, Muss in Gurres Hof dein Wiehern Fröhlich widerhallen... Der Schatten dehnt sich, der Ton verklingt, Nun falle, Blatt, magst untergehn Volmer hat Tove gesehn! TOVE Sterne jubeln, das Meer, es leuchtet, Presst an die Küste sein pochendes Herz, Blätter, sie murmeln, es zittert ihr Tauschmuck, Seewind umfängt mich in mutigem Scherz, Wetterhahn singt, und die Turmzinnen nicken, Burschen stolzieren mit flammenden Blicken, Wogende Brust voll üppigen Lebens Fesseln die blühenden Dirnen vergebens, Rosen, sie mühn sich, zu spähn in die Ferne, Fackeln, sie lodern und leuchten so gerne, Wald erschliesst seinen Bann zur Stell , Horch, in der Stadt nun Hundegebell. Und die steigenden Wogen der Treppe Tragen zum Hafen den fürstlichen Held, Bis er auf alleroberster Staffel Mir in die offenen Arme fällt. WALDEMAR So tanzen die Engel vor Gottes Thron nicht, Wie die Welt nun tanzt vor mir. So lieblich klingt ihrer Harfen Ton nicht, Wie Waldemars Seele dir. Aber stolzer auch sass neben Gott nicht Christ Nach dem harten Erlösungsstreite, Als Waldemar stolz nun und königlich ist An Tovelilles Seite. Nicht sehnlicher möchten die Seelen gewinnen Den Weg zu der Seligen Bund, Als ich deinen Kuss, da ich Gurres Zinnen Sah leuchten vom Oeresund. Und ich tausch auch nicht ihren Mauerwall Und den Schatz, den treu sie bewahren, Für Himmelreichs Glanz und betäubenden Schall Und alle der heiligen Scharen! TOVE Nun sag ich dir zum ersten Mal "König Volmer, ich liebe dich!" Nun küss ich dich zum erstenmal, Und schlinge den Arm um dich. Und sprichst du, ich hätt es schon früher gesagt Und je meinen Kuss dir geschenkt, So sprech ich "Der König ist ein Narr, Der flüchtigen Tandes gedenkt." Und sagst du "Wohl bin ich solch ein Narr", So sprech ich "Der König hat recht"; Doch sagst du "Nein, ich bin es nicht", So sprech ich "Der König ist schlecht." Denn all meine Rosen küsst ich zu tot, Dieweil ich deiner gedacht. WALDEMAR Es ist Mitternachtszeit, Und unsel ge Geschlechter Stehn auf aus vergessnen, eingesunknen Gräbern, Und sie blicken mit Sehnsucht Nach den Kerzen der Burg und der Hütte Licht. Und der Wind schüttelt spottend Nieder auf sie Harfenschlag und Becherklang Und Liebeslieder. Und sie schwinden und seufzen "Unsre Zeit ist um." Mein Haupt wiegt sich auf lebenden Wogen, Meine Hand vernimmt eines Herzens Schlag, Lebenschwellend strömt auf mich nieder Glühender Küsse Purpurregen, Und meine Lippe jubelt "Jetzt ist s meine Zeit!" Aber die Zeit flieht, Und umgehn werd ich Zur Mitternachtsstunde Dereinst als tot, Werd eng um mich das Leichenlaken ziehn Wider die kalten Winde Und weiter mich schleichen im späten Mondlicht Und schmerzgebunden Mit schwerem Grabkreuz Deinen lieben Namen In die Erde ritzen Und sinken und seufzen "Unsre Zeit ist um!" TOVE Du sendest mir einen Liebesblick Und senkst das Auge, Doch der Blick presst deine Hand in meine, Und der Druck erstirbt; Aber als liebeweckenden Kuss Legst du meinen Händedruck mir auf die Lippen. Und du kannst noch seufzen um des Todes willen, Wenn ein Blick auflodern kann Wie ein flammender Kuss? Die leuchtenden Sterne am Himmel droben Bleichen wohl, wenn s graut, Doch lodern sie neu jede Mitternachtszeit In ewiger Pracht.-- So kurz ist der Tod, Wie ruhiger Schlummer Von Dämm rung zu Dämm rung. Und wenn du erwachst Bei dir auf dem Lager In neuer Schönheit Siehst du strahlen Die junge Braut. So lass uns die goldene Schale leeren Ihm, dem mächtig verschönenden Tod Denn wir gehn zu Grab Wie ein Lächeln, ersterbend Im seligen Kuss! WALDEMAR Du wunderliche Tove! So reich durch dich nun bin ich, Dass nicht einmal mehr ein Wunsch mir eigen. So leicht meine Brust, Mein Denken so klar, Ein wacher Frieden über meiner Seele. Es ist so still in mir, So seltsam stille. Auf der Lippe weilt brückeschlagend das Wort, Doch sinkt es wieder zur Ruh. Denn mir ist s, als schlüg in meiner Brust Deines Herzens Schlag, Und als höbe mein Atemzug, Tove, deinen Busen. Und unsre Gedanken seh ich Entstehn und zusammengleiten. Wie Wolken, die sich begegnen, Und vereint wiegen sie sich in wechselnden Formen. Und meine Seele ist still, Ich seh in dein Aug und schweige, Du wunderliche Tove. ORCHESTER-ZWISCHENSPIEL STIMME DER WALDTAUBE Tauben von Gurre! Sorge quält mich, Vom Weg über die Insel her! Kommet! Lauschet! Tot ist Tove! Nacht auf ihrem Auge, Das der Tag des Königs war! Still ist ihr Herz, Doch des Königs Herz schlägt wild, Tot und doch wild! Seltsam gleichend einem Boot auf der Woge, Wenn der, zu dess Empfang Die Planken huldigend sich gekrümmt, Des Schiffes Steurer tot liegt, Verstrickt in der Tiefe Tang. Keiner bringt ihnen Botschaft, Unwegsam der Weg. Wie zwei Ströme waren ihre Gedanken, Ströme gleitend Seit an Seite. Wo strömen nun Toves Gedanken? Die des Königs winden sich seltsam dahin, Suchen nach denen Toves, Finden sie nicht. Weit flog ich, Klage sucht ich, fand gar viel! Den Sarg sah ich auf Königs Schultern, Henning stützt ihn; Finster war die Nacht, eine einzige Fackel Brannte am Weg; Die Königin hielt sie, hoch auf dem Söller, Rachebegierigen Sinns. Tränen, die sie nicht weinen wollte, Funkelten im Auge. Weit flog ich, Klage sucht ich, fand gar viel! Den König sah ich, mit dem Sarge fuhr er, Im Bauernwams. Sein Streitross, das oft zum Sieg ihn getragen, Zog den Sarg. Wild starrte des Königs Auge, suchte Nach einem Blick, Seltsam lauschte des Königs Herz Nach einem Wort. Henning sprach zum König, Aber noch immer suchte er Wort und Blick. Der König öffnet Toves Sarg, Starrt und lauscht mit bebenden Lippen, Tove ist stumm! Weit flog ich, Klage sucht ich, fand gar viel! Wollt ein Mönch am Seile ziehn, Abendsegen läuten; Doch er sah den Wagenlenker Und vernahm die Trauerbotschaft Sonne sank, indes die Glocke Grabgeläute tönte. Weit flog ich, Klage sucht ich und den Tod! Helwigs Falke War s, der grausam Gurres Taube zerriss! II. TEIL WALDEMAR Herrgott, weisst du, was du tatest, Als klein Tove mir verstarb? Triebst mich aus der letzten Freistatt, Die ich meinem Glück erwarb! Herr, du solltest wohl erröten Bettlers einz ges Lamm zu töten! Herrgott, ich bin auch ein Herrscher, Und es ist mein Herrscherglauben Meinem Untertanen darf Ich nie die letzte Leuchte rauben. Falsche Wege schlägst du ein Das heisst wohl Tyrann, nicht Herrscher sein! Herrgott, deine Engelscharen Singen stets nur deinen Preis, Doch dir wäre mehr vonnöten Einer, der zu tadeln weiss. Und wer mag solches wagen? Lass mich, Herr, die Kappe deines Hofnarr n tragen! III. TEIL DIE WILDE JAGD WALDEMAR Erwacht, König Waldemars Mannen wert! Schnallt an die Lende das rostige Schwert, Holt aus der Kirche verstaubte Schilde, Gräulich bemalt mit wüstem Gebilde. Weckt eurer Rosse modernde Leichen, Schmückt sie mit Gold, und spornt ihre Weichen Nach Gurrestadt seid ihr entboten, Heute ist Ausfahrt der Toten! BAUER Deckel des Sarges klappert und klappt, Schwer kommt s her durch die Nacht getrabt. Rasen nieder vom Hügel rollt, Über den Grüften klingt s hell wie Gold. Klirren und Rasseln durchs Rüsthaus geht, Werfen und Rücken mit altem Gerät, Steinegepolter am Kirchhofrain, Sperber sausen vom Turm und schrei n, Auf und zu fliegt s Kirchentor. MÄNNERCHOR Holla! BAUER Da fährt s vorbei! Rasch die Decke übers Ohr! Ich schlage drei heilige Kreuze geschwind Für Leut und Haus, Ross und Rind; Dreimal nenn ich Christi Namen, So bleibt bewahrt der Felder Samen. Die Glieder noch bekreuz ich klug, Wo der Herr seine heiligen Wunden trug, So bin ich geschützt vor der nächtlichen Mahr, Vor Elfenschuss und Trolls Gefahr. Zuletzt vor die Tür noch Stahl und Stein, So kann mir nichts Böses zur Tür herein. WALDEMARS MANNEN Gegrüsst, o König, an Gurre-Seestrand! Nun jagen wir über das Inselland, Holla! Vom stranglosen Bogen Pfeile zu senden, Mit hohlen Augen und Knochenhänden, Zu treffen des Hirsches Schattengebild, Holla! Dass Wiesentau aus der Wunde quillt. Holla! Der Wallstatt Raben Geleit uns gaben, Über Buchenkronen die Rosse traben. Holla! So jagen wir nach gemeiner Sag Eine jede Nacht bis zum jüngsten Tag. Holla! Hussa Hund! Hussa Pferd! Nur kurze Zeit das Jagen Währt! Hier ist das Schloss, wie einst vor Zeiten! Holla! Lokes Hafer gebt den Mähren, Wir wollen vom alten Ruhme zehren. WALDEMAR Mit Toves Stimme flüstert der Wald, Mit Toves Augen schaut der See, Mit Toves Lächeln leuchten die Sterne, Die Wolke schwillt wie des Busens Schnee. Es jagen die Sinne, sie zu fassen, Gedanken kämpfen nach ihrem Bilde. Aber Tove ist hier und Tove ist da, Tove ist fern und Tove ist nah. Tove, bist du s, mit Zaubermacht Gefesselt an Sees und Waldespracht? Das tote Herz, es schwillt und dehnt sich, Tove, Tove, Waldemar sehnt sich nach dir! KLAUS-NARR "Ein seltsamer Vogel ist so n Aal, Im Wasser lebt er meist, Kommt doch bei Mondschein dann und wann Ans Uferland gereist." Das sang ich oft meines Herren Gästen, Nun aber passt s auf mich selber am besten. Ich halte jetzt kein Haus und lebe äusserst schlict Und lud auch niemand ein und prasst und lärmte nicht, Und dennoch zehrt an mir manch unverschämter Wicht, Drum kann ich auch nichts bieten, Ob ich will oder nicht, Doch--dem schenk ich meine nächtliche Ruh, Der mir den Grund kann weisen, Warum ich jede Mitternacht Den Tümpel muss umkreisen. Dass Palle Glob und Erik Paa Es auch tun, das versteh ich so Sie gehörten nie zu den Frommen; Jetzt wüfeln sie, wiewohl zu Pferd, Um den kühlsten Ort, weit weg vom Herd, Wenn sie zur Hölle kommen. Und der König, der von Sinnen stets, Sobald die Eulen klagen, Und stets nach einem Mädchen ruft, Das tot seit Jahr und Tagen, Auch dieser hat s verdient Und muss von Rechtes wegen jagen. Denn er war immer höchst brutal, Und Vorsicht galt es allemal Und offnes Auge für Gefahr, Da er ja selber Hofnarr war Bei jener grossen Herrschaft überm Monde. Doch dass ich, Klauss Narr von Farum, Ich, der glaubte, dass im Grabe Man vollkomm ne Ruhe habe, Dass der Geist beim Staube bleibe, Friedlich dort sein Wesen treibe, Still sich sammle für das grosse Hoffest, wo, wie Bruder Knut Sagt, ertönen die Posaunen, Wo wir Guten wohlgemut Sünder speisen wie Kapaunen.-- Ach, dass ich im Ritte rase, Gegen den Schwanz gedreht die Nase, Sterbensmüd im wilden Lauf, Wär s zu spät nicht, ich hinge mich auf. Doch o wie süss soll s schmecken zuletzt, Werd ich dann doch in den Himmel versetzt! Zwar ist mein Sündenregister gross, Allein vom meisten schwatz ich mich los! Wer gab der nackten Wahrheit Kleider? Wer war dafür geprügelt leider? Ja, wenn es noch Gerechtigkeit gibt, Dann muss ich eingehn in Himmelsgaden... Na, und dann mag Gott sich selber gnaden. WALDEMAR Du strenger Richter droben, Du lachst meiner Schmerzen, Doch dereinst, beim Auferstehn des Gebeins Nimm es dir wohl zu Herzen Ich und Tove, wir sind eins. So zerreiss auch unsre Seele nie, Zur Hölle mich, zum Himmel sie, Denn sonst gewinn ich Macht, Zertrümmre deiner Engel Wacht Und sprenge mit meiner wilden Jagd Ins Himmelreich ein. WALDEMARS MANNEN Der Hahn erhebt den Kopf zur Kraht, Hat den Tag schon im Schnabel, Und von unsern Schwertern trieft Rostgerötet der Morgentau. Die Zeit ist um! Mit offnem Munde ruft das Grab, Und die Erde saugt das lichtscheue Rätsel ein. Versinket! Versinket! Das Leben kommt mit Macht und Glanz, Mit Taten und pochenden Herzen, Und wir sind des Todes, Der Sorge und des Todes, Des Schmerzes und des Todes. Ins Grab! Ins Grab! Zur träumeschwanger n Ruh. O, könnten in Frieden wir schlafen! DES SOMMERWINDES WILDE JAGD ORCHESTER-VORSPIEL SPRECHER Herrn Gänsefuss, Frau Gänsekraut, nun duckt euch nur geschwind, Denn des sommerlichen Windes wilde Jagd beginnt. Die Mücken fliegen ängstlich aus dem schilfdurchwachsnen Hain, In den See grub der Wind seine Silberspuren ein. Viel schlimmer kommt es, als ihr euch nur je gedacht; Hu wie s schaurig in den Buchenblättern lacht! Das ist Sankt Johanniswurm mit der Feuerzunge rot, Und der schwere Wiesennebel, ein Schatten bleich und tot! Welch Wogen und Schwingen! Welch Ringen und Singen! In die Ähren schlägt der Wind in leidigem Sinne, Dass das Kornfeld tönend bebt. Mit den langen Beinen fiedelt die Spinne, Und es reisst, was sie mühsam gewebt. Tönend rieselt der Tau zu Tal, Sterne schiessen und schwinden zumal Flüchtend durchraschelt der Falter die Hecken, Springen die Frösche nach feuchten Verstecken. Still! Was mag der Wind nur wollen? Wenn das welke Laub er wendet, Sucht er, was zu früh geendet Frühlings blauweisse Blütensäume, Der Erde flüchtige Sommerträume-- Längst sind sie Staub! Aber hinauf, über die Bäume Schwingt er sich nun in lichtere Räume, Denn dort oben, wie Traum so fein, Meint er, müssten die Blüten sein! Und mit seltsamen Tönen In ihres Laubes Kronen Grüsst er wieder die schlanken schönen. Sieh! Nun ist auch das vorbei, Auf luftigem Steige wirbelt er frei Zum blanken Spiegel des Sees, Und dort, in der Wellen unendlichem Tanz, In bleicher Sterne Widerglanz Wiegt er sich friedlich ein. Wie stille ward s zur Stell ! Ach, war das licht und hell! O schwing dich aus dem Blumenkelch, Marienkäferlein, Und bitte deine schöne Frau um Leben und Sonnenschein! Schon tanzen die Wogen am Klippenecke, Schon schleicht im Grase die bunte Schnecke. Nun regt sich Waldes Vogelschar, Tau schüttelt die Blume vom lockigen Haar Und späht nach der Sonne aus. Erwacht, erwacht, ihr Blumen, zur Wonne! GEMISCHTER CHOR Seht die Sonne, Farbenfroh am Himmelssaum, Östlich grüsst ihr Morgentraum! Lächelnd kommt sie aufgestiegen Aus den Fluten der Nacht, Lässt von lichter Stirne fliegen Strahlenlockenpracht! (Text Jens-Peter Jacobsen) Schönberg,Arnold/Gurre-Lieder